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おかやんの本紹介 part2 「はじめの一歩を踏み出そう)」

 Part2で紹介するのはこの本
マイケル・E・ガーバー (著)はじめの一歩を踏み出そう


本書で登場するのがおいしいパイのお店を開いたサラという女性です。経営に行き詰まったサラに、著者が優しくアドバイスをし、対話を通じてスモールビジネスで成功するための秘訣を身につけていく、というわけです。

 著者はまずサラに、スモール・ビジネスで成功するための3つの人格について説明します。それは「起業家」「職人」「マネージャー」の3つ。この3つの人格はもともと互いに足を引っ張り合う矛盾した性格です。起業家は高い目標を掲げ、マネージャーは起業家の暴走を食い止めようとし、職人は二つの人格が争っている間に自分勝手にやろうとします。これではうまくいくものもうまくいかないのですが、この3つの人格のバランスが取れたときに、驚くような能力を発揮するといいます。

この本の一番印象的な部分を引用しましょう。

『自分がその道のプロだと自負している人が起業を考えるときに、必ずといってよいほど陥るワナである。
致命的な仮定とは・・・「事業の中心となる専門的な能力があれば、事業を経営する能力は十分に備わっている」ということである。
私がこの仮定を致命的だと書いたのは、この仮定が間違っているからにほかならない。
事業の中で専門的な仕事をこなすことと、その能力を生かして事業を経営することは全く別の問題である。』

歯科医師って開業して経営者になる先生がかなり多いです。
どれくらいの割合か統計わからないですが男性の5割以上くらいは開業するイメージです。
こんなに経営者になる率が高い学部って他にないと思うんですよね。
それなのに歯科医師は経営について大学で習うことはありません。
歯科医師として治療することと、開業して経営者としてやることって同じじゃないんですよね。
経営者としてやるべきことって仕組みを作ることなんです。
歯科医師と院長の違いは「治療をする」のか「治療する仕組みを作る」のかなんです。

僕の個人的な意見ですが、経営について少しでも学生のうちから触れた方がいいと思うんですよね。
経営っていうとお金のイメージが先行している部分があると思うのですが、お金のことだけではないんです。
労働関連法規や社会保険についての基本的な知識なんかは資格試験みたいな制度があってもいいとさえ思います。
僕の専門は組織行動学ですが、雇用主としての雇用者の扱い方ってとっても大事です。
給料を払えばスタッフはなんでもやってくれる訳ではありません。
どのように職務をデザインするかで同じような仕事をするにしても満足度は全然違います。
少しでも学ぶ機会があればいいのにと思います。

本書では事業の目標を考えるときに最も大切なことは、あなた自身の人生の目標である、そして事業の目標とはあなたが何に最も価値を置き、どんな人生を望んでいるか?に対する答えとなるのだと主張しています。
これを見失うともっと大切な私たち自身が失われるのです。

事業を始めるときは終わりを思い浮かべることから始めましょうと言います。
これが人生のビジョン、歯科医院のビジョン、そして経営理念につながるのです。
あなたはどのような人生?そしてどのような歯科医師人生を送りたいでしょうか?この問いに答えれる人はきっと幸せな未来が待っていることと思います。

本書を読んで少しでも参考にしてもらえるといいと思います。
ではまた

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