名前はまだない
2020年8月19日(水)11時32分。
2626グラムで、僕は生まれた。
名前はまだない。
「名前がある」とは?
出生届とやらは、14日目までに提出しないといけないらしい。
ちょうど、9月1日だ。
最大、私は9月1日まで名前がない。
目に見えない空気でさえ、「空気」という名前がある。
私は確かに存在するが、名前がない。
不思議な14日間だ。
人は言葉にすることで、その物や出来事、感情を理解し整理できる。
私は、まだ名前がない。
しかし、間違いなく存在する。
存在すること以上に、どんな意味が本来あるのだろうか。
誰でもなく、私は私なのだ。
いや、私ですらない。ただ、そこにある。
言葉にできること、できないこと
言葉にできない感情や、言葉にできないものを大切にしたい。
言葉でしか伝えられないこともある。
言葉では伝えられないこともある。
名前を持たずして過ごす14日間。
私は、何者なのだろうか。
誰かの願望や、理想、固定概念、先入観。
父に似ている、母に似ている。
ありがたいことだ。
でも、私はまだ何者でもない。
だから、足に母の名前を書かれてる。(2020年8月20日)
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