玉砕の美学 30

2024年7月4週

私、他人の予想にはそんなに興味はないが、馬券の買い方には憧れのようなものはある。買い方というか、度胸のような話なのだけど、基本保守派(のような気がする)の私にはできないやつだ。

それは馬友に何人かいるのだが、2万円を持って競馬場に行ったとして、朝の何でもない未勝利戦に8000円突っ込める人種のことだ。特に狙いがあるわけでも、閃きがあったわけでもない。そんな正直どうでもいいレースに8000円、資金の4割をぶっ放せるのだ。ほぼ当たった所を見たことはないし、憧れるようなことでもないのだが、何だかまさにギャンブラーという気がして、やってみたい気持ちにはなる。まぁ、やらないのだけど…

これを回避できるのは朝という時間もある。長く馬券を買っているが、朝が一番冷静だ。当たる妄想に溢れた危険性も孕んではいるが、それでも冷静だ。それが、最初のレースを買うことで崩れていき、最終的にボロボロになるのだ。問題なのは冷静だから当たるわけでも、ボロボロの精神だから外れるわけでもないことだ。それでも、冷静な時の方が金額的ダメージは少ない。これは間違いないことだ。

何の話かと言うと、今週から始まった新潟開催に暑熱対策のお昼休みが長く取られていて、通常の番組表と編成が変わっていることに繋がる。午前中に2歳戦や、新馬戦が集中している関係で、何と9Rと10Rに三歳の未勝利戦が組まれている。発走時間は17時前後である。

このレース、通常ならば3~4R、時期によっては朝一に組まれているようなもので、面子も変わらない。要するに朝の何でもない未勝利戦である。ただ、時間帯が違うだけである。

そこまで理解した上で、冷静に回避ができるか?と言うと出来ないんですねぇ…これが。仕方ない。朝一と、夕暮れ時では同じ質のレースでも、こちらの状態が違うのだ。ほぼ追い詰められている。どうなるか?知れた話である。

そんなわけで買ってしまったのが、日曜新潟10R三歳の未勝利戦だ。ただ、ここはコンフェルマとパヒュームセントでどうしようもない。その馬連が2.4倍である。分かってはいるのだ。だが、こちらも2.4倍では生き残れないのである。

そこで、捻ったのが1,3着の裏返しだ。間に1頭入ってくれればいい。三歳の未勝利戦だ紛れがあっていい。そう希望を持ってレースを迎えたが、仲良く先行した2頭が4角から後続を突き離していく。どう考えても間に入る馬はいなそうだ。

あぁ、もう無理だと眺めていると、スターズウィーク(13番人気)という穴馬が差してきた。いい、これはいい、お前が来れば、何を買っても無理だったと諦められる。その馬が3番手に上がるのを見届けて、不毛な馬券は電子クズに変わるのである。


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