玉砕の美学 33

2024年8月3週

先日、イベントで人物写真を撮ったのだが、ポーズを決めてもらった後で、「そのまま」とか「そのままお願いします」と言っていた。当たり前の話だが、静止してもらえば、写真はブレないのである。こちらの手が諤々しているとかは別として…

その時に気が付いたのだが、「そのまま!」を使う場面はあるということだ。私、ほぼ一生使わないと思っていた。そのままを使う時は、差して来る馬がいるわけなので、「歩け!」で済むし、何が差してきたか?分からなければ、「耐えろ!」(最近の流行りだ)でいいのだ。そんなわけで、そのままは使わないなぁ~と決め付けていたが、別に、言葉の用途は競馬だけではない。偶に出掛けると気が付くこともあるのだ。

で、改めて考えたが、使わない理由にこれといったものがなかったので、これを機会に使ってもいいのでは?という気がしてきた。使うとしたら、やはり前残りの決着だろ。「そのまま!」と叫びとたい馬券の買い方をして、結果が出るとは思えないが、想定はしておくべきだ。

そんな前残りの予想をしたのが、日曜中京4R三歳の未勝利戦だ。この日は珍しく寝坊してしまったので、前日予想で10頭も残ったレースを、直前、ギリギリになって買う必要もないのだが、ベルダイナフェローは買いたかったので、間に合いそうなら買ってしまう。これが◎だ。○はノイヤーヘルトで揃って前に行って欲しい。

馬券は◎の単勝と○との連、それにエクステンシブリー、シャッフルガール、ダイシンアレスを加えた三連複を買った。予定では、行った行ったの前々決着だったが、行けない行けない展開になってしまった。ノイヤーヘルトなんて後方2番手だ。ベルダイナフェローは4番手なので、何とかなる期待はある。

そのベルダイナフェロー、直線でジリジリ伸びて来て先頭に立ったが、思ったより早いペースになってしまったので、前々にいたエクステンシブリーもダイシンアレスもズルズル下がっていく。そこに差してきたのがヤマニントゥルシーで、11番人気の馬だ。私、この馬は前日の段階で切っている。

そうなると、どうなるか?もう単勝だけでも何とかしたくなるのだ。気が付くと、「耐えろ!耐えろ!」叫んでいた。意外と着差があったので、最後の方は眺めるだけになってしまった。そこに内からノイヤーヘルトがスルスル差してきたが、叫ぶ間も無く3着で終わってしまった。

いや、別に買っている馬券が単勝でも「そのまま」と叫んでいいはずなのだ。それが出来なかったのだから、どうやら無理だ。意識があってこれなのだ。もう写真を撮る時も「耐えろ!」でいい気がする。意味は伝わるはずだ。結果、1,290円の単勝は当たったが、その後を踏まえると焼け石に水だった。あぁ、そのまま寝ていればよかった。夏競馬がずっと厳しい。

いいなと思ったら応援しよう!