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学ぶほどに奥深さを思い知る『傾聴』。

これまでも様々な本を読んでは「わかったつもり」になって……いざ聴くとなるとうまくいかず……ということの繰り返しでした。

いまふりかえると、「マンガでやさしくわかる傾聴」と「心の対話者」の2冊は入門編としてとてもわかりやすかったように思います。傾聴に興味を持ったら最初に読む本としてはオススメです。


その後いくつかの本と出会い、またカウンセリングを続けながら傾聴と向き合う日々を過ごしていたのですが、やはり傾聴の原点を知りたいと思いカール・ロジャーズ関連の本を読み漁りました。そんなとき出会ったのが諸富祥彦さんの「カール・ロジャーズ入門: 自分が“自分”になるということ」です。

一言でいうと「ロジャーズの人間らしい面を味わう」感じです。
例えば、クライエントから逃げ出してしまった自分の気持ちと向き合う中で、自己一致の重要性に気づいたエピソードは、めちゃくちゃ響きました。「そうそう、逃げ出したくなりますね」と思わず言いたくなります。

そこからロジャーズのカウンセリングにさらに興味を持って、この本を読むことに。

「わたしはこうは返せない」と思いながら、それでも受容・共感・自己一致を体現したロジャーズの来談者中心療法=ホンモノの傾聴は、自分との違いを確かめるうえでとても役立ちました。


それから10年ほど経ち、いまも傾聴について考え続けています。
どこまでいっても尽きることのない学びの世界なんですね。

そしていま、新たな疑問が浮かんできました。

「何のための傾聴なのか?」

傾聴の目的や理由を考えています。


わたしは、「相談者自身が内省するチャンスを生み出すため」と仮置きしています。
「経験を鏡とする」というJCDA会長の立野了嗣さんの表現にも通じるものですが、まさに自問自答=自分との対話をしてもらうため傾聴が行われていると思うんです。

ともすれば、「相談者を理解するため」と言いたくなるところですが、それはカウンセラーである自分自身に矢印が向いた状態です。つまり「わたしがあなたのことを知りたいから聴く」ということです。それではただのインタビューに過ぎません。そもそも立ち位置が180度異なります。

相手の靴を履き、相手の目で見て耳で聞くのが基本的なかかわりです。まるで相談者になったような感覚で経験を伺いながら、相談者の心を理解する…ところまでは間違っていません。ですがそこで終わりではありません。わかったつもり、理解して満足、では意味がありません。

そこから今度は相談者自身が自分のことを見つめ、心の内との対話が始まってこそ、ホンモノの傾聴となるわけです。それにはわたしたちカウンセラーの問いかけが欠かせません。「なぜ」「どうして」の詰問ではなく、「そこに何があったのか」「どんな自分がいたのか」「それをいまどう感じているのか」と、相談者自身に矢印が向くようなかかわりが大切です。

…と、わたしはそんなことを考えていました。


今日ちょうど「月間学校教育相談2024年12月号」を読んでいたのですが、ここに連載されている諸富祥彦さんの記事にも同じことが書かれていたんです。

傾聴本来の目的。それは、聴いてもらった人が自分自身の心の声に耳を傾けること、自分自身を傾聴することにある。それによって、気づきを得て、変化と成長に向かい始めることにある。  -P69より引用-

月刊学校教育相談 2024年12月号:ほんの森出版


10年超、カウンセリングと向き合ってきてたどり着いた感覚は、決して間違っていなかったと感じました。
と同時に、わたしは「気づきを得て、変化と成長に向かい始める」ようなきっかけを与えられているのだろうか…と頭を抱えることに。
ここに傾聴の奥深さと難しさがあると、つくづく感じます。

それでもまた、次の一歩を目指して進んでいこうと思うわたしがいます。
答えのない、そしてゴールのない学びですが、これからもずっと真摯に傾聴と向き合っていきたいですね。



#明日も佳き日でありますように
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