好き…だけど嫌いの感情
今日もありがとう。
おかちんです。
みなさんは経験ありますか?
『好き……だけど嫌い』という感情。
一見すると矛盾する、つじつまの合わない、どっちなの?というような感情。でも人間にはこういう気持ちって少なからずありますよね。
日本語では、『二律背反』という言葉が近いかもしれません。
【二律背反】
どちらも妥当な命題同士が、互いに矛盾する状態にあること。互いに矛盾する二つのものが存在すること。 [コトバンクより引用]
どっちも正しいんだけど、結果として反対のことを言っていてどちらも存在しうる状態ですね。
小学生の頃に、避難訓練の際に先生から「ゆっくり急げ」と言われたことを思い出しました(笑)
○「慌てると危険だからゆっくり逃げる」
○「のんびりしていたら逃げ遅れるから急ぐ」
そう考えると、どっちも成立するけど、結果は矛盾しています。
冒頭の『好き……だけど嫌い』もこの二律背反の状態と言えるでしょう。
英語では『アンビバレント』といいます。
【アンビバレント (Ambivalent)】
相反する意見を持つさま。また、相反する感情が同時に存在するさま。 [コトバンクより引用]
こちらは相反する”感情”にフォーカスしています。二律背反よりアンビバレントの方が、気持ちを表す言葉として適していそうですね。
ではなぜ、『好き……だけど嫌い』という感情が生まれるのでしょう?
それは『気になって仕方ないから』ではないでしょうか?
そもそも、『好きの反対は、嫌いではなく無関心』だと思うんですよね。
関心がある → 好きとか嫌いなどの感情がわく、つまり気になっている
関心がない → 頭の中に浮かんでこない、一切気にならない
だから『好き……だけど嫌い』と言っている時点で、気になってるわけです。(それもどちらかというと好きな方が強い感じがします)
他の言葉に置き換えるなら、「ほとんどは好きなんだけど、どうしても許せないところがある」とか、「好きなのに自分の嫌いな部分が重なって見える」とか。そんな部分否定が入り混じっている言葉のように思えますね。
これ、キャリアカウンセリングでは職場に対しての気持ちによく表れます。
「仕事は好きなんだけど、職場がね~」
「同僚はいいんだけど、上司がちょっと・・・」
「働き甲斐はあるんだけど、お給料がもう少しあればね」
これって、乱暴な言い方をすれば、ぜーんぶ『好き……だけど嫌い』ってことですよね(笑)
この「ちょっとだけ嫌い」という”不”が、職場には渦巻いていたりします。
そこを丁寧にお話しを伺いながら、気持ちの整理をするのがキャリアカウンセリングの役割の1つです。(転職活動だけが役割ではありませんよ)
ちなみにアンビバレントな状態は、ごくごく自然なことです。それは成立しうる心の状態ですから、本来は悩む必要はありません。
でも私たちは”くよくよする”のが好きです(笑)
心の中でシーソーが揺れ動くようなところに、自分らしさを感じたりします。
『葛藤はエネルギーになる』
そんな言葉を聞いたことがあります。広い意味では、悔しいとか負けたくないとかこのままじゃ嫌だ、なんて気持ちも同類なのかもしれません。
みなさんは何に対して、『好き……だけど嫌い』という気持ちを抱きますか?
そこには、どんな自分が見えますか?
どんな自分でありたいと願っていますか?
せっかくなので、二律背反・アンビバレントな気持ちを整理してみてはいかがでしょうか?
厚情厚誼@おかちん