しるらないカードでいろんなワタシに出会う
ようやく対面での学びも再開してきましたね。
あちこちで「久しぶりに参加しました!」という話を耳にしています。
しばらくぶりだと、顔見知りであっても最初はぎこちなさがありますよね。
そんなときは、ワークショップなどてよく使われるアイスブレイクが効果を発揮します。
アイス=氷のような緊張を、ブレイク=砕く・解くのが、アイスブレイクの名前の由来。うまく機能するとみんなが打ち解けて、安心安全な場でリラックスして臨むことができます。
学校もこの時期は緊張感が漂っています。いろんな学校から集まった見知らぬ仲間たち。また、自己紹介程度で、本音でぶつかるような経験もしていませんから、まだまだいい子を演じている可能性もあります。
わたしはありがたいことに、コミュニケーションを始めとする『人との関わりを学ぶ授業』を担当しているため、今週はたっぷりと時間をかけてアイスブレイクに取り組んでいます。
いくつかあるツールの中で、このタイミングに適しているのは『しるらないカード』ですね。
以前から何度も紹介していますが、なんとも言えないイラストたちの中から、その時の気持ちにあった一枚を選んで語るというワークでよく利用しています。
今回は、「幼いころから今まで、そしてこれからのわたしを語ってみよう」というお題で、自分を表す一枚を選んで語るというワークで利用しました。
やんちゃだった子どものころを語る人もいれば、この学校に入学して新たな気持ちで臨む今の自分を選んだ人もいますし、卒業後にこんな人になりたいという将来の夢を語ってくれた人もいます。
どれも「自分」を表す一枚として選んだ大切なカードです。だから自然と両手で抱えて丁寧に相手に見せていました。
コミュニケーションは相手の会話や直接的なやり取りがメインと捉えられがちですが、そもそも人の話をどのように聞き、どう受け止め、何を感じ、何を考え、その結果どんな気持ちになり、そこからどのような言動を起こすかという一連の流れがあります。
つい見えたり聞こえたり動いたりする具体的な言動に目が行きがちですが、実は心の動きを丁寧に捉えることが大切なんですよね。
自分の心の動き、そして相手の心の動きに意識を向けて、すぐさま反応するのではなく、よく感じてよく考えることこそが、コミュニケーションスキルの神髄だとわたしは捉えています。
そのためにも、自分の気持ちを客観的に見える形に表すことがよい練習になると考え、この『しるらないカード』を使ったワークに行きついた経緯があります。
絵を見て先入観を抱いて「きっとこうだろう」と思って話を聞くと、意外や意外まったく違った捉え方をしていて想像していなかった話を聞けることがあります。どれだけ自動思考に操られ、物事を決めつけて見ているかが実感できます。
だからこそ、相手が選んだカードをどう捉えているのか、聞き手である自分は素直な気持ちになり興味関心を持ってじっくりと相手の話に耳を傾けるというこのカードの特性が活きてくるわけです。
今日は60枚ほどのカードを使いましたが、個性あふれる選択をしてくれたおかげで、いろんなワタシを見聞きすることができました。
この感性豊かな学生たちが伸び伸びと学べるよう、勉強以外の面でも支えていけるようボクもがんばります。
今日はたくさんのワタシに出会わせてくれてありがとう!
明日も佳き日でありますように