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「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である―――
このサブタイトルに惹かれて読み始めた愛読書を紹介します。


わたし自身がビジネスマナーを指導したり、コミュニケーションを教えていたりという経験があるため、「礼儀・礼節」を重んじることにはひとかたならぬ思いを抱いています。

そう感じるようになったきっかけは、様々な企業の人事担当者と関わるようになったことでした。
「わたしが組織の代表として見られる」という経験を通じて、言葉づかいや表情はもちろん、身なりや振る舞いなど細部に至るまで気遣いをするようになりました。
そこでたどり着いたのが、他者を尊重するとともに、相手に伝わるよう言葉や態度で示すことがことの大切さです。これを一言でいうと「礼儀・礼節」となるわけです。


わたしが大切にしてきたためか、礼儀や礼節には「単なるマナーを越えた大きな力がある」と考えるようになっていました。キャリアカウンセリングを学ぶ中でその思いはどんどんと強くなっていったのですが、そこで出会ったのが『Think CIVILITY - 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』というこの本でした。

全米で話題「礼節の科学」、ついに日本初上陸!
MBAで「職場の無礼さ」を研究する著者、20年間の集大成がこの1冊に凝縮!
一流のエリートほど、なぜ不機嫌にならないのか?
ビジネスでも、人間関係でも、最強の武器になる礼節の力を徹底解説!

《こんな職場から抜け出したい人必読。あなたもあなたの周りもきっと変わります!》
■些細なことで怒鳴ってくる、上司がいる
■部下が言うことを聞いてくれない
■アルバイトがまじめに働かない
■社長や経営陣が独善的すぎる
■お客さんが横暴なことを言ってくる
■成果を出しても、なかなか出世できない
■ストレスをついつい溜め込み過ぎてしまう
■仕事につながる人脈が築けない

《世界中から、絶賛の声が続々!》
「まさに最高のタイミングで書かれた最高の本だ。すべての人にとっての必読書」―ダニエル・H・ピンク(『モチベーション3.0』著者)
「読んでいて引き込まれる。ちょっとした言動が、いかに人間関係全体に大きな影響を及ぼすかがわかる」―ラズロ・ボック(『ワーク・ルールズ!』著者)
「これほど質が高く、有用で、しかも心に強く訴えかけてくるビジネス書は、ここ何年か読んだことがない」―ロバート・I・サットン(『あなたの職場のイヤな奴』著者)
「読めば、きっと現状を打破し、自信を持って前に進むための助けとなる」―パブリッシャーズ・ウィークリー

《誰でもできる!仕事で成果を出すための戦略をエビデンスに基づき紹介!》
■なぜ、本当にできる人は礼節を重んじるのか
■あなたの礼節をチェックするリスト
■礼節を高めるための方法とは?
■まわりの礼節を高めてチームで成果をだす方法とは?
■あのマイケル・ジョーダンが大切にする2つの言葉
■世界最高の職場、グーグルが取り組むプログラム
■会社に損害を与える無礼な人の4つの対策不法とは?
■「成功の自覚」があなたを強くする
■即レスが正しいとは限らない!生産性を下げるメールとは?

東洋経済STORE 書籍紹介より引用

思わず読みたくなるフレーズがたくさんちりばめられていますよね?
さらに目次を見るとますます惹かれます。

目次
はじめに  礼節は最強の武器になる
第1部 なぜ礼節ある人は得をするのか
第1章  無礼な人が増えた根本理由
第2章  無礼な人がもたらす5つの費用
第3章  礼節がもたらす5つのメリット
第4章  無礼は無礼を生み、礼節は礼節を生む

第2部 あなたの礼節を高めるメソッド
第5章  あなたの礼節をチェックしよう
第6章  礼節ある人が守る3つの原則
第7章  無意識の偏見を取り除こう
第8章  ワンランク上の礼節を身に付けるための5つの心得
第9章  礼節あるメールの作法を身に付ける

第3部 礼節ある会社になる4つのステップ
第10章  礼節ある人を見極める採用システムを作る
第11章  礼節を高めるコーチングを取り入れる
第12章  誤った評価システムを改善する
第13章  無礼な社員とどう向き合うか

第4部 無礼な人に狙われた場合の対処法
第14章  無礼な人から身を守る方法
おわりに あなたはどういう人間になりたいか

無礼とはどういうことなのか、そして礼節があるとはどういうことなのかを、具体的な事例をもとにいくつも挙げて説明してくれます。
無礼がどんな結果を生み、それがどれだけの損失を生み出すかが、具体的な数値で示されていて、思わず「えぇー!こんなに!」と声を挙げてしまうほどです。
また礼節がある企業の成功事例も紹介されているので、「なるほど、こういう方法もあるのか」とうなずきながら読み進めています。

せっかくですので、わたし印象に残ったフレーズをほんの少しだけ紹介します。

職場にいる全員が平等であれば、また全員が敬意をもって扱われていれば、彼らは必ず、ほんの少しかもしれないが普通より熱心に力を入れて働いてくれる ― P54

誰かに無礼な態度を取ること、取られることを、「自己完結的」な体験だと思っている人は多い。直接、やりとりをした当事者どうしで完結することだと思っている人が多いのだ。だが、実際には、無礼さはウイルスのように人から人へと伝染していく。その後、関わった人たちすべてに悪影響を与え、人生を悪い方へ導くことになる。 ― P59

相手が温かいかどうかの判断を下すのに要する時間は、わずか33ミリ秒という短さだ。相手が温かさに欠ける人だということ、無礼な人だということを人間は本当に一瞬の間に感じ取るし、一度、そういう判断を下すと、その人を簡単には許さない。 ― P115

古代ギリシャの政治家、ペリクレスは、こう言っている。「あなたの残す功績は、石碑に刻まれるのではなく、他人の人生に織り込まれるのだ」 ― P157

いまこうしてまとめているだけでも、心にじんじんと沁みわたります。いい言葉ですね~。

さらには、こんなキーワードも登場します。

  • マインドフルネス

  • 10/5ウェイ

  • フィードフォワード

  • 360度フィードバック

  • RASA(Receive,Appreciate,Summarize,Ask questions)

  • ポジティブフィードバック

  • ウッデンの「成功のピラミッド」

  • アンコンシャス・バイアス

  • サーバント・リーダーシップ

  • ジョブ・クラフティング

どこかで聞いたことのある言葉ばかり。読んでいて「うんうん」とうなずく機会が多いのも納得です。


最後に、ブライアン・ケイブの「礼節のための規範」を紹介します。

1. 互いに対する挨拶とお礼の言葉を忘れない
2. 「よろしくお願いします」と「ありがとう」を必ず言う
3. どのような状況であっても、すべての社員の敬意をもって平等に扱う
4. 自分の行動は必ず他人に影響を与えるということを自覚する
5. 他人からのフィードバックを歓迎する
6. 他人から見て接しやすい人間になることを心がける
7. 率直で正直だが、思いやりのある態度を保つ
8. 他人の仕事ぶりを認める
9. 他人の時間を大切にする
10. 無礼な態度を見過ごさない

わたし自身の戒めとして、この規範は強く強く心に刻まれています。いまの課題は10.を強く言えないことですね。気づかないふりをするわけではありませんが、周囲に人がいる中ですぐさま注意することをためらってしまうわたしがいます。
本来は毅然とした態度を見せることも求められるのでしょうが・・・どうしても「人前で恥をかかされた」と受け取られることを恐れすぎるきらいがあるんです。何か誤学習を経て獲得した自己概念が潜んでいそうですね。


さて、今回はお気に入りの本を紹介させてもらいました。

改めて読み返すとやっぱり勉強になりますね。自分で手を伸ばして引き寄せたのですが、つくづく過去の自分を褒めてあげたいと思います(笑)

よかったらみなさんも読んでみてください!



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