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キャリアカウンセラーのおかちんです。

今日はどんな一日でしたか?



楽しみにしていた一冊をようやく読み終えました。

「わかりあえない」を越える
-目の前のつながりから、共に未来をつくるコミュニケーション・NVC-
マーシャル・B・ローゼンバーグ 著
今井麻希子 鈴木重子 安納献 訳

NVC(非暴力的コミュニケーション)は、マーシャル・ローゼンバーグ博士によって提唱されたコミュニケーションです。


わたしが大好きなNVCの待望の2冊目。昨年末に入手してから、忙しさに追われてすっかり時間が空いてしまいましたが、ようやくここ数日で読むことができました。

今日は特に印象に残ったフレーズと、いまの気持ちを書き留めておこうと思います。



まえがきで心が震える

本文に入る前のまえがきを読んだだけで……震えました。

 音は、力強くて創造的な媒体です。わたしたちが発する言葉は、わたしたちが何を考え、何を感じ、どんな世界に生きているかを浮き彫りにします。
 自分がどんな人間かということは、発する言葉によって知れ渡るのです。なぜなら言葉は、その人の日々の思考と本質を物語るからです。わたしたちの話す言葉次第で、ドアは開きもすれば、閉じもします。傷を癒すか、傷をつけるか、喜びを生み出すか、はたまは、苦しみを生み出すか、そして、究極的には、発する言葉によって自分自身の幸福度が決まるのです。

まえがき/ドロシー・J・メイヴァー博士


もう、たまりません💖「言葉」に対する重みと、「言葉」に向けられた意識の違いをビンビンと感じました。

毎日書いているnoteを読み返すと、綴られた言葉に『わたしらしさ』が現れています。何を感じ、何を考え、何を伝えたいのか、それはすべて表現された言葉ににじみ出ています。

思えば日ごろから言葉を発し、日々言葉を綴っているからこそ、このフレーズに心が揺れ動いたのでしょうね。

同時に、「わたしは相談者の言葉をもれなく受け止めていただろうか?」と考えていました。「なんとなくやり過ごしてしまっていないか」「自分の解釈で言葉を捉えていないだろうか」……そんなことを思いました。



評価・判断・診断を含まない表現

 わたしたちは、他者を道徳的な判断・決めつけで捉えるように教育を受けています。意識のなかに、「正しい」「間違っている」「よい」「悪い」「利己的」「利他的」「テロリスト」「正義の味方」といった言葉が染みついているのです。しかも、そうした決めつけは、自分が何に「値するか」という正義の概念とつながっています。悪いことをした人は罰を受けるのに値する、よいことをした人は報酬を得るのに値する、という具合に。残念ながら、あまりにも長い間、わたしたちはこうした意識のもとに、つまり不完全な教育の支配下に置かれてきました。それが、この星に蔓延する暴力の核心だとわたしは考えています。

P42 はじめに


ローゼンバーグ博士は、”支配的社会(優越意識を持つ人たちが他者をコントロールする社会)”では、常に他者からの評価を絶えず気にするようにプログラムされていると言います。そんな「好ましくない行動をする集団」のことを「ギャング」と呼びました。

ギャングは政府にも企業にもいると、正誤や善悪を教え込む教員はギャングに加担していると、そう訴えています。

わたしもまた、評価判断を含む言葉を使っています。気づかないうちに「ギャング」の論理で育ち、考えにしみこんでいたのでしょう。

では、どうやって暴力的な言葉から脱することができるのか?

それは次の2つの問いを考えることで、コミュニケーションに変化を生み出すことから始めるとしていました。



2つの問い

この本の核となるのは「平和のことば<Speaking Peace>」です。それを理解するにあたり、2つの問いを立てています。

・わたしたちの内面で何が息づいている・生き生きとしているか?
 <What's alive in us?>

・人生をよりすばらしいものにするために何ができるのか?
 <What can we do to make life more wonderful?>

P30 はじめに


例えば、子どもが「ゲームが終わったら勉強する」と約束したのにも関わらず、いつまでもゲームをやめようとしなかったとします。

そこで親は「いつまでゲームしているの!もうやめて勉強しなさい!」と言いました。すると子どもは「もうちょっとで区切りがつくから、いまはまだダメなの。終わったら勉強するって言ったじゃん!」と言ってきました。

あなたが親だったら、「このやり取りで、あなたの内面で何が息づいていますか?」と誰かに問われたとき、なんて答えますか?


けっこう難しいですよね? 本書でも回答に苦慮する方々がたくさん登場し、いかに評価判断を交えた言葉を発しているかを見せつけられました。

自分の内なる声に耳を傾けて、何を大切にしたかったのか、何が傷つけられたのか、何を望んでいたのかといった、批判や非難ではない言葉と向き合うことの大切さを感じましたね。



「観察」「感情」「ニーズ」「リクエスト」

この4つのステップがNVCの中心になります。

いずれも評価・判断・診断を含まないことが重要です。

観察:判断を手放して「何が起こっているのか」をありのままに見る
感情:その瞬間に湧きおこっている「心の動き」を感じる
ニーズ:感情の奥にある「本当に大切なもの」を探る
リクエスト:お互いの「人生が豊かになる選択肢」を提案する

本書帯裏文面より


例えば、ゲームをやめない子どものお話し。

①「あなたがゲームをやめない」(観察)ということに対して、
②「がっかりした気持ち」(感情)をいだいたのは、
③わたしの「理解してもらいたいというニーズ」が満たされなかったから。

このように捉えるということです。

そして、このニーズを満たすために相手にどうしてほしいのかを「リクエスト」するわけです。それは強要ではなく、あくまでリクエストです。相手もまた感情やニーズがあり、リクエストがあります。その互いの評価判断を含まない感情やニーズを伝えあうことで、わかりあおうというのが、NVCの基本である……とわたしは読み取りました。

実践するにはまだまだ至らないことばかりですが、わたしがNVCを大切にして相手の話を聴き、自分の気持ちを伝えたいと思っていれば、自然と非暴力的な表現に変わっていくと信じています。



まずは自分のコミュニケーションを変化させる

変化せずに進歩することなどありえない。
自分の心を変えられない者は何ごとも変えられない。
― ジョージ・バーナード・ショー(作家) ―

P143 7 何に変化を起こしたいのか


……ショックを受けました。

「わたしは自分の心を変えようとしているのか?」と。

相手を変えようと評価判断に基づいたアドバイスをして、相手へ矢印を向けていた過去の自分の行動を省みていました。


NVCと出会った3年前からずっと「感情とニーズ」はわたしのカウンセリングの軸となっています。見立てるのは相手の抱える「問題」ではなく、相手の「感情」や「ニーズ」、「リクエスト」です。

いま、相手の感情やニーズとともに、自分の内なる声にも耳を傾けながら話を聴くことに意識を向けられるようになったことは、『自分の変化』なのかもしれません。

ただ、つい相手を変化させようと小手先のアドバイスをしてしまう自分もいます。本当に変化させるべきは「自分の心」なんですよね……そのことを再確認できたことは収穫です。




あまりに興奮していて、まとまりません(笑)

自分とつながり、相手とつながる―――


いつでも自分の内なる心に耳を傾け、相手と共感できるよう、NVCは学び続けたいと思います。

はぁ~、まだまだ語りたいなぁ~



明日も素敵な一日でありますように。

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