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相手に何かをお願いするときにどんな伝え方ができそうですか?

例えば、次の3つを例に考えてみましょう。

  1. 「〇〇をしてください」

  2. 「〇〇をお願いします」

  3. 「〇〇をお願いできませんか?」


いかがですか?
違いを感じませんか?


自分→相手へお願いするとして、それぞれの伝え方にはこのようなパワーバランスがあると感じます。

  1. 「〇〇をしてください」 自分100:相手0
    いわゆる指示命令です。相手に断る余地はありません。ですから、不満をいだいたとしても強制的にやらせるには適した伝え方です。

  2. 「〇〇をお願いします」 自分80:相手20
    お願いという表現は使っているものの、まだ強要に近い伝え方です。相手からすると、はい/いいえの選択肢が与えられているようには感じられないでしょう。

  3. 「〇〇をお願いできませんか?」 自分60:相手40
    疑問形にすることで、断るという選択肢も考えられる伝え方です、ただし相手との関係性(立場など)によっては、まだ指示と捉えられる可能性はあります。


このように、相手の受け取り方を意識すると、お願いの仕方一つとっても自分のあり方が如実に現れるんですよね。


ではもう少し工夫をし、今度は相手が気持ちよく引き受けてくれる伝え方を考えてみましょう。


  1. 「△△さんに引き受けていただけると非常に助かります。お願いできませんか?」

  2. 「わたしが手一杯で……どうしても△△さんに助けてもらいたいんです。お願いできますか?」

  3. 「△△さんには役不足(高い実力に対して簡単すぎる仕事を任せること)かと思うんですが……お願いできますか?」

  4. 「△△さんの経験になると信じて頼みたいのですが……お願いできませんか?」


いかがですか?
いずれも自分40:相手60以上のパワーバランスを感じませんか?

過度に遜るわけではありません。
素直に自分の気持ちを添えてお願いしているだけです。
しかし・・・実は“とある”心理効果を活用しているんです。


1.2.は自分の弱みを伝えつつ、相手に助けてほしいとお願いするパターンです。
人は弱みを見せられると心理的に優位に立ち、「わたしが助けなければ」と感じるようです。「仕方ないな・・・わたしが助けてあげよう!」という気持ちになるわけですね。これを『アンダードッグ効果』といいます。


また3.4.は相手の実力を高く評価し、尊重した伝え方をするというパターンです。相手の実力を高く評価したうえで、あなたならやれると信じてお願いするわけです。
人は期待されると、それに応えようと引き受ける傾向があります。これを『ピグマリオン効果』といいます。


ほんの少し伝え方を工夫するだけで、ずいぶんと印象が変わってきます。

同じお願いをするのであれば、相手が気持ちよく引き受けてくれて、かつ相手からやりたいと言ってもらえる方がよいと思いませんか?

お互いにお願いして/されてよかったと感じられると、そのお願い自体が忘れられない素敵な経験となるはず。そして、双方とも相手の力に慣れてよかったと感じられるはず。ひいては信頼関係の構築につながっていくわけです。

たかが伝え方、されど伝え方。
コミュニケーションって奥深いものですよね。
あなたも今日からほんの少し、意識してお願い事をしてみませんか?




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