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「この書類コピーしてもらえる?」

そう頼まれたら、あなただったらどうしますか?

「はい、かしこまりました!」
と言ってコピー機へ向かう…
というのも悪くはありません。

ですが、もう少し先を見て、その予想をもとに尋ねてみるのはいかがでしょう?

例えば、「かしこまりました」に続けて…
・何枚必要ですか?
・表裏の両面印刷にしますか?それとも片面ずつにしますか?
・ホチキスかクリップで止めておきましょうか?
・印刷後は会議室へ持っていっておきますか?
・会議室の机にセットしておきますか?
・予備部は何部用意しておきましょうか?
・他の資料も一緒に印刷しましょうか?
などなど、尋ねておくと良いことが、実はたくさんあるんですね。

ただ単に「コピーする」という作業に留めず、「なぜ何のためにコピーするのか?」を考えることで、一連の仕事が見えてきます。
そして一手先を読んで、こちらから尋ねて次の仕事を提案していくわけです。

「これってなんで必要なんだろう?」
「いったい何に使うんだろう?」
という疑問を持って仕事に臨むだけで、見えてくるのもが変わります。

この考え方、実は秘書検定で学ぶんですよね。

現代では「秘書」検定というと少々古い感じもしますが、中身はビジネスマナーの基本と職場での気遣い・心配りの要素がたくさん詰まった非常に良い勉強なんです。少々過剰なマナーもなくはないですが、知っていて損はありません。
わたしも2級までは取りましたし、教えていた時期もありました。そのおかげで自分の仕事の質が上がりましたし、気遣いのポイントを押さえて自分から動けるようになりました。

その一つが、「一歩先を読む」という仕事のスタイルです。

少なくともいまの仕事においてこの先読み力は大いに役立っています。また、ファシリテーターとしても場づくりの勘所となるため、これまた大活躍しています。

思わぬところで思わぬ形で学んだことが役立っていて、本当に学んでよかったと感じているんです。


現代ではどうもこの先読み力が落ちているように感じます。想像力と直結するこの力、一体どうやって磨けばよいのでしょう?
私は次の二つの方法をよく行っています。

一つは様々な経験をすることです。経験して終わりではありません。必ずふりかえりを行います。
そのふりかえりの中で、これまで自分が経験してきたこととの関連を考え、共通すること・しないことを明らかにしていきます。経験値を経験知へと変えていくわけですね。

もう一つは、成功事例として何をどう考えて取り組んだかを他者から教わることです。「それくらい自分で調べればわかる」と、教える側も教わる側も考えていると、他者から学ぶという技術が身につきません。ですので、どうやったらうまくいったのかを成功事例として、ポイントごとに整理して伝授していく・してもらいます。
お互いに、教えるから手順が整理されてわかりやすい知識としてまとめることができる、質問しながら細部に至るまで明らかにして自分の知識としてインプットしていく、ことができます。


「人は経験したことしか教えられない」

わたしが最近大切にしている言葉です。
わからないことや知らないことは、教わりながらわたし自身が経験しなければ、とてもではないですが人に教えることはできません。

それは「一手先の動きが予測できる程度の経験」であることが望ましいと思っています。それくらい様々なパターンを経験して、ケースを学んでいくことが大事だと感じています。

そうやって身につけた先読み力が、いまになってようやく花開いてきました。誰かに喜んでもらえるような動きが多少はできる……と言えるようになってきました。

とは言えまだまだ配慮が浅く、想像力の欠如にがっかりすることも……自分の甘さとの戦いです。

正月休みが明けたら一気にいろんな動きが始まります。一手先を考えると、いまやらなければならないことがたくさん見えてきます。
せっかくのお休みなので、ここをうまく活用して良い働きができるようにがんばります!



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