32話.わかってるって!これが最後なんでしょ!?
私の名前はお片付け薫。お部屋も身体も心も片付ける、お片付け研究家薫です。お部屋をスッキリ綺麗に片付けたら、身体の不調も片付き、心のモヤモヤも片付き、思考までもがクリアになってきた。自分にとって余計なモノ、余計な思考が片付いた時、曇っていた視界が晴れ渡り、空から不思議な囁き声が聞こえ始めた。その囁き声に導かれるまま、私は新たな人生を歩きだす。片付けから始まる不思議な物語。
第一話はこちら↓
https://note.com/okatadukekaoru/n/ne7b0fb9ff425
「ただいま〜」
「ママおかえり〜」
娘たちとの2ヶ月ぶりの再会。
案の定、キスをしようとする私から逃げる娘たち。でも容赦ない。私は押さえつけてキスをする。嫌がっているけど、楽しそう。
夜になると2人とも、私の部屋に布団を持ってやってくる。だから、幼い頃のように、3人でくっついて川の字で寝る。2ヶ月溜まっていた話は尽きない。最後の方はウトウトしながら娘たちの話を聞く。
でも満足するんだろうね。2.3日すると彼らは自分の部屋に戻ってゆく。もう大人だもんね。彼らは彼らの道を歩く。
よし。少し休んだことだし、私も私の道を歩こう!彼のところに行って、インドでの出来事を話してこなければ。。
「ただいま〜」
「おかえりなさい、薫さん。インドはどうでした?」
「うん。一言では言えない。たくさん疑問があるから、またその答え合わせをしに来たので、お願いします。」
「はい。承知しました。」
インドに行く前に出会った、怪しい占い師のおじいさんが紹介してくれた小杉君。彼は霊視を仕事としている。娘たちと行ったインド旅での不思議な出来事を話したら、すごく腑に落ちて、まるで答え合わせをしているようだった。だから私は彼をとても信用している。自分を信じて進まなければいけない私にとって、彼はとても頼りになる大事な存在だ。
「小杉君。話したいことはたくさんあるんだけど、まず最初に聞いてほしいことはね、あのね、あの、、、いきなりだけど、、、私、、、、恋をしてしましました。」
そう。私はあのインド人の彼に恋をしてしまった。読書が好きという、同じ趣味を持つこと。そして私をたくさん助けてくれること。見た目によらずちょっとロマンチストなこと。そして、他の人は理解できない私のBroken English を不思議と理解してくれること。彼といると心が温まる。すごく安心感を感じるのだ。
「あー、薫さん。ツインレイですね。」
「ちょっと小杉君!そんなあっさりと言わないでよ!何となく感じたよ。いや、はっきりわかったよ映画館で。でもそうあっさりと言われるとさ。。。」
そう。私はあの時はっきりと理解した。あの映画館で。彼は私のツインレイだって。
彼と会う時はよく『A Thousand years 』の曲が流れる。あの歌は、
必死の思いであなたを待っていた
千年ものあいだずっと僕はあなたを愛し続けてきた
そしてこれから千年先もずっと愛し続けるよ
そんな歌詞の歌。
もう一回だけ!もう一回だけ!と言って地上に降りてゆく私のことをずっと待っていてくれたのかな?今はまだはっきりとはわからないけど、彼とも、地上に降りてくる前に何か約束してきたのかもしれない。
広場で話をしている時も近くの人の携帯から聞こえてきたり、映画館でも流れてた。私にはそうやって、歌が私の行くべき方向へと導いてくれる。だからきっとそうなんだろうとは思ってた。
私はツインレイとか全く興味ないんだけど、娘がすごく興味を持っている時があって、よく教えてくれたの。
「ママ、ツインレイに会ったら最後なんだよ!今世で終わり。来生人間として生まれ変わることはないんだよ」
「へーそうなんだぁ」
その時は聞き流していたんだけど、彼と出会った時、そして彼がツインレイなんだろうと気づいた時、やっぱりなぁって思った。
だって約束してきたんだもん。これで最後だって。そう考えると私がツインレイと出会うのは必然だ。
私を導いてくれるこの歌も、娘が聞かせてくれる話も、彼に出会ったことも、それはまるで忠告のように聞こえる。
「わかってるよね?これが最後だよ!」
だから私はこう言いたくなる。
「わかってるってば!」
(この物語はフィクションヒューマンドラマです)
第1話https://note.com/okatadukekaoru/n/ne7b0fb9ff425