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2.7

特捜部Qキジ殺しを見た。
特捜部Qシリーズは、これまで檻の中の女を読んで、映画になっているものをすべて見て、地鶏する女たちを読むくらいのシリーズファンなのだが、とある事情でキジ殺しの映画版だけみていなかった。
特捜部Qシリーズは、未解決事件を調査するという名目の窓際部署に左遷されたふたりによる捜査ものだ。元相棒をなんやかんやしてしまって、妻はいなくなり、息子もたまにやってくるが態度が塩い……というカールと、なにかにつけてラクダの話をして、淹れるコーヒーはまずく、いいところで悪いやつを撃ち殺すアサドのバディは王道で、かけあいを見ているだけで楽しい。
キジ殺しでは過去に双子の少年少女が殺された事件を捜査していくことになる。だが二作目なので、もはや未解決ではなく、犯人は逮捕されている。だけどカールがどうしてもとわがままを言うので捜査を続けるうち、あらたな容疑者と真実の影が浮かび上がってきて、過去と現在が交差して……という感じになっていく。
あいかわらずド重い内容で、悪いやつの悪いやつ度がカンストしているので、つら楽しい。カールとアサドがたまにシュールなやりとりで笑わせてくれるのが癒やしだが、事件の重さに変わりはない。そんなこんなで捜査は進展し、救いのない結末へとなだれこんでいく。復讐譚に勝者はなく、あるのは過去の精算だ。見守る部外者にできるのは、物語のトリガーを引くことだけだったのかもしれない……プリンセス。

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博愛
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