デスマッチと沖縄祭り
そうだ、庭で沖縄祭りをしよう。
そう思いついたのは先週のいつだったか。
庭でビール飲んだらビアガーデンにもなるじゃない。
考えはじめたらワクワクして、週末のメニューを書き出していた。
・ソーキそば
・ゴーヤチャンプル
・海ぶどう
・オリオンビール
おお、いい感じ。
子ども達はゴーヤが食べられないけど、栄養価の高いお野菜だから、お供え枠として決行する。
※お供え枠…
目の前にお供えし、大人が美味しそうに食べているだけでそのうち食べるようになるという信念
だが、人生は思うようにはいかない。まず金曜日に生理がやってきた。ドカンと、しかも低気圧まで一緒に。頭も痛いしお腹も痛い。
そうして迎えた土曜日は、子ども達の耳鼻科(ザ・デスマッチ)と習い事2つ。帰りにはスーパーにも行かねばならない。
耳鼻科は、大暴れが予測できていたから、前倒しで家事を済ませ、夫婦揃って参戦。夫に娘を託し、私は息子に挑む。
さすがに娘は羞恥心もあり、嫌がりながらも難なくクリアした。息子は、私が耳を見るのすら嫌がるぐらいだから、それはもう。
まず捕獲する時点でレスリングの構え。捕らえたら「だーいじょーぶだーいじょーぶ」とムツゴロウの声色でそのまま椅子に連行。私も椅子に座り、前抱きで挑む。
足をカニバサミにし、手を抑え、看護婦さんも2人やってきて助太刀。イヤァァ!泣き叫ぶ息子の頭が鎖骨のあたりをグイグイ押してきて、息ができない。
「痛くないって。耳を見て、鼻を吸ってもらうだけだよ。痛くないって…ママのが痛い…」本当にいがぐり頭が刺さって痛い。看護婦さんが笑っている。
デスマッチを終えた後、「いたくなかったぁ」と息子はご満悦でシールを貰っていた。私はじんじん痛む鎖骨を押さえて耳鼻科を出た。
次は習い事だ。その前に小学校のおたよりにあった軍手とレインコートを買いに行く。こういう地味な用事が体力を削りに来る。
習い事、うどん屋さん、習い事、スーパーとハシゴして、家に帰ってきたらもう夕方になっていた。私はそのまま美容院帰りの夫に夕食を託し、ばたりと布団へ倒れこむ。
…30分後、アボカドが固いという理由で起こされる。半泣きでマリネをつくる。赤ワインをぐいぐい飲む。もう、私を救えるのは私しかいない。そんな使命感から、翌日の沖縄祭り開催を決意して、ソーキそばのソーキを仕込む…
そうしてやってきた、日曜の昼、沖縄祭り。
ソーキを煮たから出汁は手作りだけど、麺はインスタント。ゴーヤチャンプルはシンプルver.、海ぶどうは水洗いのみ。健康体ならテンション爆上げの楽ちんメニュー。
食べたかった沖縄料理と、昼間からオリオンビール。断片だけ見たらとても幸福なのに、実際は生理痛、曇り空(ビアガーデンならず)。人生はうまくいくことばかりじゃない。
「あ、うまいねー ゴーヤチャンプル。ソーキそばもうまい。あ〜沖縄いきたいね。」
でも夫がそう言ってくれたから、ま、もういいや。
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