浅田真央「BEYOND」の感想♬
瞬間の連続
初めて見たアイスショー、それにまつわる話を書いているが、今度こそ、その内容についてだ。
前回↓
「BEYOND」公演は2022.9月に始まり、全国を巡回したあと、2023.7月1日から立川で「BEYOND The Final 千秋楽公演」として始まり、7/17が大千秋楽日となっていた。
その午前公演を見た。
出演者は、座長:浅田真央さんと彼女が選んだ10人のキャストだ。
競技者としてメジャーな人を集めたオールスターのアイスショーとは違って、わたしが真央さん以外で名前に覚えがあったのはメンバー最年長の田村 岳斗さんだけだった。
会場には、メインとなる大きな三つのスクリーンの他、リンクを囲むように横長のスクリーンが設置され、リンクを街角にしたり森にしたりと大活躍。
ショーの世界観を作り上げるのに大きな役割を果たしていた。
スクリーンで本物と見まがう背景が得られるのだから、今、大道具の背景セットっていらないよな~。
プログラムは、全員もしくは、キャストが入れ代わりながら、バラエティーに富んだ内容で繰り広げられ、かつ最初から最後までを一貫したショーとして見せようとしており、非日常気分になるには十分。(とはいえ、明快なストリ―はないが)
今回、真央さんが初めてペアに挑戦したシェヘラザードや白鳥の湖などバレエ公演でなじみの物もあった。
大人の女性の魅力が漂い、これまでの真央さんのイメージと違いどきっとした。
基本的には、真央さんが現役時代に滑った曲が扱われているようで(真央さんが出ない演目でも)、振付はアレンジされているらしい。(とはいえ、わたしは真央ファンを名乗るほどではなかったのでピンとくるものは少ない)。
にしても、浅田真央さんのスケート、きれいだったなあ。
余裕と余韻があるのが、よい。
バレエもそうだけど、一瞬一瞬が美しく連続していくというのは、本当にすごいことだと思う。
そこに、音楽との一体感が加わると至福。
フィギュアスケートは高いレベルで芸術性と競技性を両立させる独特なスポーツだなあと改めて思った。
さて、今回、わたしが一番印象に残ったプログラムは、真央さんのソロ、
ショパン バラード第一番。
ゆったりとした曲調で、やわらかいスケーティング。
ブルーの衣装も素敵で、まさに氷上の舞姫。
見入ってしまう。
そして、氷を削る音が、なんとも心地よかった。
公演の最後には、大スクリーンの前で真央さんがマイクをもって話し、メンバーと語る場面があり、真横だけど、近くで見られた。
現役の時のふわっとした感じはそのままに芯を感じさせる語り口。
大千秋楽日ということもあり、その公演でのトーク担当メンバー:田村さんも結構長くお話しされて、真央さんが涙する様子も近くで見られた(真横だけど)し、現役時と違い、チームでスケートをする充実感も見えた。
というか、最後のトーク部分が多いのも驚いたこと。
それから、アンコールがある(織り込み済みのやつ)のも、驚いた。
全体として、キャストみんなが会場全体を楽しませようとする気持ちに溢れた、一体感のあるよい公演だった。
真央さんが会場の観客にコールし、掛け合う場面などもあったし、楽しそうな真央さん、かわいかったな。
立川には来年、常設(!)のMAOリンクが完成するとのことで、そっちも注目だ。
ちなみに浅田真央さんの現役時代のプログラムで心に残っているのは、ラフマニノフの「鐘」だ。
重厚な音楽に乗せた新境地ともいえるプログラムで、これまでにない表情をみせる真央さんや、怒涛のステップも含めて見入ってしまう圧倒的魅力があった。
素晴らしい作品だと今も思う。
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