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富山県一人旅の記録・7 お店の前での若い男性との一コマからの~「小さいこと」を長く綴るの巻

ということで、夫と娘(中三)を自宅に残して決行した数十年ぶりの一人旅。その記録を、note始めた時以来の頻度で頑張って更新中。

バえ軽視の雑多な記録写真に時折時刻を添えて時系列で並べて、やっと初日の17時過ぎまで進んできたところ。

だけど今回の話、写真がないんです………
しかも「細かすぎて伝わらない話」かも…。
でも書きたいので書いた。
夕食前の話。


この記事から読んで下さる方、
1まで遡ってこの日、朝5時、出発前の写真からのご一緒はいかがでしょう?
新幹線の座席は通路派? 窓際派?

前回↓


とやま鉄道内の出来事を心に残しながら到着した富山駅。

新幹線で摂った10時過ぎの昼ご飯以降、固形物は未摂取でここまできた。
食い意地の張った食べることが好きなわたしにはレアな事態だったが、空腹もその割には感じず。いや、空きすぎて麻痺してたのか??

家族を置いての一人旅だから、食事で贅沢するのも少々気が引ける。
今回の旅のメインはそこにはないし、サブでもない。

が、お手頃に名物を食べたい気持ちがないわけでもなく、ということで、お店のアタリはつけつつも、気分でコンビニ(弁当をホテルで食べる)でもなんでも、好きなようにしようと思っていた。



常々思うが、食事の満足度というのは、いくつものファクターから成り立っているものだ。

単に美味しいものを口に入れればいいということでなく、自分のコンディションとか、空腹度、タイミングとか、シチュエーション、いろんなものが左右する。

誰かとともに会話を楽しみながら食べるのか(その場合味わいへの集中度は落ちる)、一人でじっくりと好物を堪能するのか。

自分に語り掛け決定し実行する、そんな自由が含まれた食事が好きだ。



ということで結論としては、(この後もうひとつ行く場所があるから、今、食べた方がスムーズだよな~)と予定していたお店へ向かった。

それが、ガイドブックにも掲載されているお好み焼き店「ぼてやん多奈加」である。
食べログ百名店にもなっている。


何を読んでも「いつでも行列。焼き上がりまで30分」情報があるので、お客さんの滞在時間は最低でも一時間か? 
ならば平日17時の開店と同時に一巡目で入りたいと思っていたが、到着時刻の関係でそれは出来ず。

駅前の商業ビルの地下一階のお店前に行ったのが17:20で、その時、店の前の待ちは「0」。
おおっ!と思いながら、軽く覗いてみたら、満席っぽい。
さすが人気店。

お店の前には「名前を書いてお待ちください」とボードが出ていたため名前を書いて用意されていたベンチに座ったのだが…。

ここから始まる話は、面白味はないかもしれないが、自分としては残したい。ので、細かく書く、そんな内容だ。



座って5、6分した時に、ふと、以下のようなことを考えた。
(私の性格を表しているかと…)

わたしが着いた時、「待ち」がなかった→ということは、実は空席がまだ残っている可能性もある(店内全体を見ていないし)→でもお店の人は外でわたしが待っているのに気が付いていない(店舗内から見える位置ではないので)→一応、待ってる自分がいるアピールをしたほうがいいのか?→でも、名前を書くボードには、「書いてお待ちください」ってきっぱりあるし、そのうちこっち(外の待ち)の様子を見に来るのかな?→5分ほど経過→やっぱりこないな。ちょっと立って入口のドア越しに覗いてみようか。向うも気が付いてくれるかも→ガラスの引き戸越しにさくっと中を確認→あれ、カウンターの一番手前の席、一つ空いてるんだけど、あれは? トイレにでも行ってるの? でも、テーブルには何もないし荷物もなさそう…→ああ、やっぱり店員さんは、全然こっちを見ないわ~。う~ん、と思いながら再びベンチに座る→でもなあ、焼くのに30分かかるから、もしあれが空席ならさっさと座って食べたいなあ。


なんてことを考えていたら、やってきた30歳前後の清潔感のある男性が名前を書いてわたしの隣に座り、待ちが二人になった。

隣の彼はスマホをずっといじっている。
一方わたしはというと、スマホのバッテリー限界が来ていたのでただ座っているおばさんになっていた。


ワイシャツにスラックスの彼は、仕事帰りに一人でふらっと来た地元の人っぽい、と見て取ると同時に、待ち人が増えたことでますますあの空席が気になってしまったわたし。
もし彼が常連さんなら、こういう場合の正解がわかるかもと、何度かのシーソーのような躊躇を乗り越え、聞いてみることに。

おずおずと「あの、すみません…」と声を掛け(最初に不審がられるのは織り込み済)、「来た時、誰も待っていなくて、(ボードに)名前を書いて待つようにあるので、そうしたんですけど、店の中に空席があるようにも思えるから、一度お店の人に声を掛けた方がいいんですかねえ…。すみません、このお店はじめてなので…」とかなんとか。
そしたら、「ぼくもはじめてです」と無表情に返された。

(え、まじ?! 出張かな…、声掛けちゃって申し訳ない…)って思いながら、「そうなんですか…」と返すと、「でも、そういうことなら、一度聞いてみた方がいいかもしれないですね」との返事。
内容はいいとして、ろくにこっちを見ずに言われて、なんとな~くの気まずさを感じつつも、だよねと思い「そうですよね(聞こう~っと)」と、立ち上がると、なぜか隣の青年もほぼ同時に立ち上がって入口に進むではないか。

は? え?え?え? なんで?! と、わたしが彼を追うみたいになって、わたしと並んだような状態でドアを開ける彼、その音でカウンターでお好み焼きを焼いていた店主らしい男性が気がつき、こちらを見る。

彼がわたしなどいないように、「一人なんですけど」と声を掛けると、店主「名前を書いて待っていてください~」と大きな声。
(あ、あの席は違うのね)。

そして、ベンチに黙って戻るわたしたち。
青年からの言葉も無し。

(なんか、わたしの代わりに聞いてくれたらしい…?)と戸惑ったままで「なんか、すみません。どうもありがとうございます」と青年に頭を下げると、彼は笑顔の片りんも見せず「いえ…」と小さく言ってスマホに戻っていった。

解釈できないながらも、まずは「へ~」と思った。
その「へ~」には、わたしに無関心に見えた彼がさっと行動するのが、意外性込みでカッコイイなあという気持ちもあった。


その後、お店に入るまでの20分くらい?わたしは、彼の隣で、彼の行動はなんだったのか?と思いめぐらせることに。(他にすることなかったし)


クールに見えて、優しいとか?(→少女漫画か?!) もちろんああしてくれた時点で、悪い人ではない。
とはいえ、笑顔が全くなかったので、別の意味も考えずにはいられない。

もちろん、親切な人=ニコニコ感じがいいとは限らないんだけど。

ただ、嫌な感じという程ではなかったけど、(聞いて失敗しちゃったな)って思う程度には、我関せずの若者っぽさがあった(それが悪いとかでなく)。

で、また思いついたのが、彼はわたしの言葉を聞いて、わたしが遠回しに(彼に)「お店の人に聞いて欲しい」と言っていると思ったんだろうか? ということ。

え~、でも、そこまでわたし図々しく見えたかな?
もしくは、うじうじ、お店に聞くのをためらいそうに見えたか?

いやいや、おずおずとだったけど、見知らぬあなたに声を掛ける時点で、一人で初めてのお店に来てる時点で、加えてこの年齢って時点で、わりとそういうことできる人と見なされると思う。

ってそこまで彼が考えてなかった可能性も大いにある。
彼自身が、考えるよりさっさと行動して決着つけるタイプで。

さっさと解決しないとわたしに更に話しかけらそうで嫌だなあと思ったのかも知れんな(→それはありそうだ)。

まあ、そんな風に過ごしている間、待ちの客が一気に増えた。
名前だけ書いて一旦離れた人もいたが、10人以上いただろう。

そのうち食事を終えた人が店を後にし、少しして店員さんが外に出てきて、わたしの名前が呼ばれた。


ということで、次で、やっと夕食…です。

よかったら、次回、富山の夜もご一緒に。



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