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3つの名刺が物語るアラ還の転機

この夏、59歳・アラ還の私に3つの転機が立て続けに訪れた。1つ目の転機で名刺を手放し、2つ目の転機で名刺を作り、3つ目の転機で名刺を与えられたのだ。

1つ目の転機は7月にやってきた。新卒で入社以来34年間勤めてきた会社を退職したのだ。メーカーで商品企画とマーケティングを担い、天職かと思うくらいにやりがいを感じていた。そんな中、会社が業績不振で希望退職の募集を発表した。突然のことで驚いたが、これを契機に私は自分自身のキャリアと真剣に向き合い、退職する決心をした。最終出社日に、残っていた私の名刺をシュレッダーにかけた。

無職になった私は「自分は何者なのか?」を他者に説明しづらくなった。そこで私は、定年後のセカンドキャリアの可能性が広がればいいなと思い、中小企業診断士や国家資格キャリアコンサルタントの資格試験を受けていたので、それらの資格を記した名刺を作った。自分で作った人生初の名刺だ。副業として取り組みたいとも考えていたので、個人事業として開業届も出した。これが8月にやってきた2つ目の転機だ。

しかし、個人事業だけで生計を立てていく自信は無かった。2人の子どもらはまだ学生なので、安定した収入も必要だった。そこで再就職に向け活動を行ったのだが、アラ還での転職は厳しく、転職エージェントからの紹介は少ない上、応募しても書類選考で落ちてしまった。最終的に、前職時代に面識のあった、社員5人の小さな企業に採用してもらうことができ、再就職初日に「コンサルタント」と書かれた名刺を受け取った。これが9月に訪れた3つ目の転機だ。

2024年、観測史上最も暑い夏は、私にとって、人生の転機が立て続けに訪れる最も熱い夏となった。そして2つの名刺を持って生きていく、アラ還のセカンドキャリアが始まった夏となった。


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