コピー用紙の「裏紙利用」は得?損?
ペーパーレス化が推奨されながらも、なかなか減ることのない印刷された書類。
よくある経費削減として印刷されたコピー用紙の裏を使う「裏紙」がありますが、そもそもそれが経費削減なのか疑問に思っていますのでその理由を考えてみました。
(大手企業では禁止されているところもあります)
裏紙を使うことのメリット
裏紙を使うと本来なら捨てられるコピー用紙の裏を使うため、用紙代とゴミの量が半分になります。
逆に、それ以外のメリットはまったくありません。強いて言えば裏紙を使うことで環境に配慮しているような気になれることでしょうか。
そもそもコピー用紙は高いの?
例えば、モノタロウのコピー用紙 A4で言えば 現時点の価格が 5,000枚で 4,719円。つまり1枚 約1円です。
コピー用紙 普通色 1箱(500枚×10冊=5,000枚)(注文コード:45430089)
個人情報や機密文章が印刷されたコピー用紙を処分するのにいくらかかるかで言えば、西濃運輸の「機密書類回収BOX」を使うと1,540円。仮に5,000枚入るとすれば1枚あたり約0.3円です。
西濃運輸機密書類回収BOX 1,540円/1箱(専用箱は無料)
つまり、A4コピー用紙を2枚使うところを1枚で済ませば、1.3円得になる計算になります。
裏紙を使うことのデメリット
裏紙を使うことのメリットはほぼないのに対し、デメリットのほうが多いです。
こちらが以前までやっていた、業務用の複合機で裏紙を「手差しトレイ」に入れている環境の場合ですとデメリットはこんな感じです。
手差しトレイは遅い/そこまで差し込めない
→ 手差しトレイに用紙を入れた場合、通常の給紙トレイと比べて印刷は遅く、セットできる枚数には限りがあります。手差しトレイを裏紙以外で使うときに差し替える必要がある
→ 手差しトレイは厚紙やシール印刷で使っていますが、それを使う場合にいちいち裏紙をどかす必要があります。印刷しても裏紙でまた利用すればいい、という気持ちから安易に印刷しがち
→ 印刷しても裏紙で利用できるからと無駄な印刷に抵抗がなくなってしまいます後で見返したときにどちらが後に印刷した面かわかりにくい
→ 裏のほうに ✗ を書くとか、それも手間ですよね印刷するたびに「手差しトレイ」を選択する必要がある
→ デフォルトを給紙トレイに設定していると通常なら「印刷」→「OK」済む手順が「プリンターのプロパティ」を開く必要がある
→ エクセルで実際に確認してみると、「印刷(Ctrl+P)」→「印刷(Enter)」=2工程
「印刷(Ctrl+P)」→「プリンターのプロパティ」→「給紙トレイ:手差し」に変更→「OK」→「印刷(Enter)」=5工程
こんな感じで無駄な工数が増えています。
裏紙として使えるのか、裏紙として使っていい紙なのか選別する必要がある
→ 裏がすでに印刷されていないか、なにか書いていないかパラパラとめくって確かめるとか無駄な時間だと思っています。
→ 「これは個人情報が書いてあるから使えない」とか「書いてないから使える」とかいちいち考えるのも手間ですよね。
その他、
内部の汚れやつまりの原因になるなど、プリンターに悪影響を及ぼすことがある
パンチ穴を開けた用紙はその部分の印刷が欠ける
といったデメリットもあります。
また、ここから下は弊社のようなダメな会社の実例です
サイズの違う用紙や、すでに両面使っている紙を裏紙置き場に入れてしまう人がいる
→ A4の中にB5が混ざっていたり、両面使った用紙に印刷してしまい「これ入れたの誰じゃ!」とぼやく結果になります。ホチキス留めした用紙をうっかり使って詰まらせてしまい、プリンターを開けて取り除くという手間が掛かる
→ 複合機の側面を開けて詰まった用紙を取り除いても複合機が「まだ詰まってるよ」とアラートを出すのでガイド板を開閉するという謎の儀式を済ませてやっと解消するという手間が掛かります。「裏紙で印刷して」と指示すると、普通に印刷してしまった紙を捨ててわざわざ裏紙で印刷しなおす人がいる
→ ゆとり世代なのかたまにいますね。
結論
というわけで、結論としてはビジネスとしては裏紙を利用するメリットは少なく、費用対効果を考えるなら印刷したものはすべて溶解処理がおすすめです。
もし、職場で「経費削減のため裏紙を利用するように」と言われた場合は「それ、本当に経費削減になりますか?」って言ったほうがいいです。
そもそも印刷しなくて済む環境を目指すことをおすすめします。
それより、一定の年代以上でよく居る「なんでも印刷しないと気がすまない人」の認識を変えさせるのが先かもしれませんね。