自分に使うお金のこと
独身プノンペン暮らし。自分以外にお金の使い道なんてないじゃん? そんな声が聞こえてきましたが、はい、まぁそうです。でも、この自分に使う、というのすら、ここのところ数ヶ月、家賃・食費以外ほぼなく過ごしています。ロックダウンがあったからってのもありますが。
経験にお金を使う
わたしが暮らしているカンボジアは発展の途上にあって、とても元気がある部類に入る国だと思います。豊かな人はどんどん豊かになっています。大学院の開発経済学のクラスで、みんなの”今欲しいもの”の話をした時、車、マイホーム、家具家電が圧倒的でした。どれもわたしが欲しくはないものです。どの話にもわたしのノリが悪いところで、先生が、「これが開発途上の国と、先進国の国民の違いだ」という話をしました。わたしが聞かれて答えたのは、世界一周旅行と、カンボジアと日本の二拠点生活、楽器や歌が上手くなりたいということ。
つまり、先進国の国民は、ものではなく、経験にお金を使うことを贅沢で豊かだと思う人が多い、という話でした。そう言われると、わたしは、先進国の国民なんだなぁと。できればモノは不要くらいに思っているので。
教育が最大の自己投資
大学院に行くという話をした時、NGOでお世話になったO教授から、言われたのが「教育が最大の自己投資です」ということでした。学費を払うことで、勉強して知識が得られるのはもちろんですが、わたしの場合、わたしを親友と呼んでくれるほどのカンボジア人の友人ができたことや、この国をよくするために勉強しそれを惜しむことなく学生に教えている素晴らしい先生たちとの出会いが最大の収穫でした。ただ仕事をしにこの国に来ていたら得られなかったことであり、これらの友情や出会いはどんなにお金を積んでも買えるものとは思いません。
勉強自体を考えても、開発学に付随して経済学・環境学・社会起業学など、これまで学んだことがない分野にも触れることができ、投入した学費以上に得られるものが大きかったと感じています。投資にはリスクがつきものですが、うまくいった時は、投入した金額以上の成果物が得られるという点が貯金とは異なりますよね。
次は一生よく生きれることにお金を使う
ただいま修士論文に苦闘していますが、この提出が終わればわたしの修士課程は修了です。学費は既に全額納入が終わっているので、ひとまず教育への投資は終わり。
次にお金を使おうと決めたは、歯。10年ほど前に清水の舞台から飛び降りる覚悟で大枚叩いて歯列矯正をして、並びを整えた、歯。折に触れてクリーニングをしたりして虫歯に気をつけてはいるものの、どうしても気になるのが、ギラギラした銀歯。歯だけは、金の斧も銀の斧もいらないので、白いのでお願いしたいもの。矯正が終わった時全部白い歯にしたかったけれど、白い歯というものがブランドバックほどの値段がすることにすっかり尻込みしたわたしには、まったく自慢にならない6本ものギンギラギンの詰め物や被せ物があります。はっはっはと大きな口を開けられないのです。
歯は見かけだけじゃなくて、食べ物の咀嚼にも関わるし、咀嚼という行為は内臓だけじゃなくて脳にも影響を及ぼすと聞いています。人生を最後までよく生きたいから、歯に投資することにしました。
そしてついに今朝、プノンペンで日本人歯科医がいる歯医者の門を叩いたのですが、先生の説明が懇切丁寧で、しかも、ブランドバックは買えない程度だったので、思い切って6本、やっちゃうことにしました。
「全部やります!」と言ってきた今の、すっと逃げていたことをやっつけたような清々しい気分ときたら。投資には決断がつきものかも知れませんが、自分への投資なら、成功するも失敗するも、影響は自分にしかないので、思い切ってみることが大事と思ったのでありました。
さぁ来週からしばらく歯医者通いだ!
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