見出し画像

七不思議の真相#3



五人になって再び空き教室に来たが
人が増えても噂が噂だからやはり雰囲気はあった。


大樹「ここが七不思議の教室か…確かに雰囲気はあるな」

亮太「さて、誰から入る?」

啓太「悠翔でよくね?」

悠翔「は?」

啓太「さっきは俺が先に入ったから!次は悠翔でいいじゃん」

悠翔「え?は?お前…は?ふざけ…」

大樹「そこ、急な仲間割れするんじゃねぇ」

朱璃「もー…皆意気地なしだなー。決める時間も勿体ないんだから僕が先入るよ」


そう言い空き教室の扉を開ける
やはり何の変哲もないただの教室だ。


朱璃「なーんだ。普通の教室じゃん」

大樹「ほんとだ、何処に怖い要素あんだよ。」

亮太「うん、埃が少々目立つが悪くはない。むしろいいと思うが」

啓太「って思うだろ?誰かいますかーって言ったらな」

「いるで!」

啓太「そうそう!いるでって…え?」

大樹「で、でたぁぁぁぁ!」

悠翔「ほらっ!いるって言っただろうがぁぁ!」

朱璃「てめーらうっせーーー!黙れ!」

「君ら驚き過ぎちゃうか?俺悲しなるで?」

亮太「そう思うのであれば出て来てください」

「え~…声出すだけでもめんどいのに顔も出さなあかんの?」

朱璃「ねぇ、この人のせいで七不思議扱いされてるんじゃない?」

亮太「みたいだな。」

「てか、君ら俺の声だけで妖怪扱いってひどい奴らやな~俺生きてるで」

亮太「だから、その証拠として顔でもいいので見せてください」

「しゃーないなー…」


教卓の中から色々ぶつけてる音が響く中
急に大きな音と共に「いでっ」の言葉が小さく聞こえた
頭を打ったと思われる。


「いでで…ほら、顔出したで~」

啓太「きゃあああ!!顔だけっ顔だけ…」

悠翔「ダメだ俺本物直視しすぎて失神しそう…」

大樹「七不思議は本物だ…った…ぐは」

啓太「だいきぃぃぃ!!しっかりしろぉぉぉぉ!!」

「君らせっかく顔出したのに俺を見るなり失神するの酷くない?泣いてまうわ」

朱璃「僕たちから見てその顔の出し方がホラーですよ。一回鏡で自分の姿見てください」

「なるほど………いや、なんも怖いことないやん!むしろイケメン過ぎて困るわ~」

亮太「随分変わった人だな」

朱璃「ザ・ポジティブ…」

亮太「おい、お前ら猿芝居やめて交渉するぞ」

悠翔「いや、お前らの神経どうなってんだよ…鬼か」

啓太「そうだそうだ!」

亮太「5人全員ビビりだったらここにも来れるか」

悠翔「確かに…」

「え?何々?君ら俺に何か交渉しに来たん?」

朱璃「ねぇねぇ!七不思議の真犯人さん」

「真犯人って俺なんも悪い事してへんよ!ここで普通に授業さぼってるだけやん」

朱璃「さぼりって…どうやってさぼってるのよ。」

「どうやってって普段はこうして教卓の中で寝てるやろ?日当たりがええ時は
机固めて日向ぼっことか後ろの棚の上で寝てるし、ここはほんまに快適なさぼりライフにピッタリな場所や」


関西弁でしゃべるこの人は普段教卓の中で寝てるらしい
聞いてるだけだと身長の低い人が住み着いていたのかな?
まぁ、早く部室確保したい僕たちからすればそんな事どうでもいい


「ほんで?俺に何の交渉しに来たん?」

大樹「せや、交渉しないと女装部始動できんぞ!」

悠翔「うぉ!伸びてた大樹が急に生き返った」

「ここを君らの部室にしたいん?え?俺立ち退き?えー!嫌やー!俺ここ好きなんやけどどかなあかんの?」

亮太「はい、退いてください」

「はえー...瞬殺だったね。君感情生きてる?」

朱璃「あのー…いつまで顔だけ出すつもりですか?もうホラー超えてただのモノですよ」

「モノだ…と…仕方ない…えーーやだーーだるいーー」

朱璃「…うっせぇ!つべこべ言わず出てこいやクソが」

大樹「あーあ朱璃が怒った」

「別に俺悪くないやん~…いでっ」


教卓の中からゴンっと何かがぶつかった音と共に人が出てきた。
教卓に住んでいたその人はそこそこ身長が大きかった。