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難局を打開するサバキの呼吸【囲碁AI・絶芸に学ぶ次の一手020】
このシリーズでは、ネット対局「野狐囲棋」にいる囲碁AI・絶芸の対局の名場面を紹介します。不利に思える局面を一瞬で覆していく妙技をご覧ください!
囲碁AI・絶芸とは
絶芸はテンセント・ホールディングスが開発した囲碁AI。野狐囲棋のアカウントは「絶芸指導F」。現在は中国国家チームのみが検討などに使える。なお、棋士であれば置き碁(2子局、絶芸が白番)で対局できる。
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【テーマ図:切断された石の活用】
上辺の白4子が切り離されて、白が不利な戦いに見える戦況。絶芸は巧みな石運びで難局をチャンスに変えていきました。
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【正解図:盲点になるサバキ】
白1と黒2を交換した後、白3と右上に働きかけるのが気づきづらいサバキ。次に、白A以下の追及が狙われているので――、
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黒4などの守りは省けず、白5以下と右上へ食い込んで白悪くない展開。黒Aは白B以下と手数を伸ばせるので問題ありません。
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【参考図:厚みの構築】
黒1と受けるのは、白2以下と封鎖を図ります。白Aは黒Bで上辺の白が大きく飲み込まれますが――、
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白10と受けるのが冷静。黒11と分断されても、白12以下で外側を厚くできるので白悪くないワカレです。