喉につまったお弁当(私だって食べにくい!)
主人と私、青年期の息子と大井川鉄道に乗りました。
汽車弁当がおいしいとあったので、ちょうどお昼時になるし、注文しておきました。売店では売り切れていて、汽車の中に売り子さんが入っているからとのことで、私は4歳くらいの子どもとおじいさんの前に座りました。
汽車弁は私たち家族が買うと売り切れ。目の前で、4歳くらいの子どもは「おじいちゃん、おべんとうかって」と泣きわめく。おじいさんは(どっか弁当売ってる所ありませんか!」と、おたおたしながら聞かれている。
「ありません」という答え。千頭まで1時間。汽車弁当は子どもの喜びそうな汽車の形に、汽車の絵はがきがついている。きんぴら、肉だんご等に、あわ雪ようかんもついて、まっことおいしい。むろん、あいている他の席に移って食べたのですが、「あれ、買ってえ。べんとうっ」ワアーン、ウワーンの泣き声に、のどにつまりそうでした。
食べかけても(ぼく、一緒に食べる?)とか(あげましょう)と差し出すべきか。いやいや、地味なネクタイに高そうな背広、私のような安物でない立派な眼鏡の老紳士。
(失敬なっ)と怒られそうで、やめました。内向的なたちなんですよね、私---。でも、のどにつまって---(いりません。ほしいのは弁当なんです)とおじいさんに言われそうで。
「地酒、おいしいですよ。おみやげにいかがですか!」と、地酒ばかり何度も行ったり来たり---なぜ駅弁をもっとたくさん売らないんでしょうか!私ののどにつかえて---静岡の本場のわさびづけも、よくわさびがきいて、目から涙が出ました。