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ドイツに行って来ました。
1週間ばかり note. しなかったが、実はドイツのミュンヘンに行って来ました。「損切丸」的には不況に陥って ”欧州の病人” 再来か、なんていわれ始めたドイツの実地検証ということになるが、一度ミュンヘンに行ってみたかったのが本音。やはり百聞は一見にしかず。色々発見があった。
空港に降りたって直感したのが "肌合い" の良さ。ドイツ語の表記などはさっぱりわからないが、日本人には居心地が良さそう。1つにはロンドンやNYで感じたピリピリした感じがない。一定程度労働者が守られていて苛烈な競争社会ではない点は日本と共通する部分だし、また人種差別のような空気も感じられず、決してフレンドリーではないが概してみんな親切。治安も良くローマのように財布を摺られる心配も無い。経済規模も日本と似通っており、社会全体として教育水準の高さも感じられる。
ただ日本とは強烈に違う点がいくつかあったので書いてみよう。
1.ドイツの「食」
”ドイツ料理はソーセージとポテトばかりで味気ない”
こういう風評を目にしたことがあるがなかなかどうして。入ったレストランが当りだったのかもしれないが、Shweinshaxe(シュヴァイツハクセ、日本ではゆで豚料理のアイスバインが有名だが、それを皮をつけたままロースト)もSchnitzel(シュニッツェル、薄切豚肉のカツレツ)も美味 ↓
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フレンチやイタリアンのような華やかさはないが、まさに質実剛健、かなり作り込まれている。もっともフランクフルトやドュッセルドルフよりも美味しかったので、ミュンヘンが ”食都” である事の証明かもしれない。
そして何と言っても「ビール」。何が違うのかはわからないがやっぱりドイツは格別。当然 ↑ の料理とも抜群にあう。成人しても滅多にお酒を口にしなかった娘がジョッキでグビグビ飲み出したのには驚いた。曰く「麦の味がする」。5,000種類もあるというからやはり歴史と伝統がなせる技だ。
それにしても10月の平日の昼間だというのに、いくら天気が良かったとはいえ屋外のビアホールでこれだけの市民がビールを飲んでいる国が他にあるだろうか。 ”欧州の病人” の雰囲気など微塵も感じない。イギリスでも感じたが人生を楽しむ術については日本人も少し見習うべきかもしれない。
2.ダッハウ収容所
オーストリア国境に接してるミュンヘンはナチスとも関連が深く、強制収容所が散在しその統轄所としてのダッハウ収容所。実際は爆撃等で焼けただれてしまった建物等を時間をかけて修復し、*無料で開放されている。
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*囚人の独房や拷問所、ガス室、死体焼き場等々生々しく展示されているが、驚いたのが高校生の集団が多数訪れていた事。聞けば「観光」では無く「授業」なのだという。政治的面子で頑なに隠そうとしてきた日本だが、ドイツ式にまずある程度認め、 "FACT" (事実)を認定するやり方の方が国際政治上は有益だったかもしれない。最もこれだけ時間が経ってしまうと最早手遅れ。問題や不祥事の対処は初動が大事だと痛感させられる。
これだけいとも簡単に人を殺せるものか…。ロシアが今も「戦争」で逃げる兵士を後ろから撃つ「督戦隊」を用いているようだが、案外ドイツ人の捉え方は日本人それとは違うのかもしれない。善し悪しは別として。
3.ドイツの「財」
かつて「バイエルン公国」としてナポレオンの侵略に加担したり王政を布いてきた歴史のあるミュンヘンだが、集めた "金銀財宝" が半端ない。王族の住み家であった ”レジデンツ” を博物館として展示しているが、これがもう圧倒的。「参ったか!!」といわんばかりのコレクションで、これを見ると秀吉の "金の茶室" などはかわいく見えてくる。
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「そう言えば第一次大戦後ハイパーインフレがあったよなぁ...」
1兆マルク紙幣も発行されて「お金」で焚き火したなんて話が伝わるが、その間もこれらの「財」は価値が保たれてきた、いや相当膨らんだに違いない。バチカンが財政危機に陥った時に保有財産を担保にFRBからゴールドファイナンス(金の貸出)を受けたなんて話もあるが、そう言う観点からドイツは滅びない。イギリスもそうだが、**過去の統治・支配で溜め込んできた「財」のストックが桁違い。これは日本にはない強味である。
**ロシアの大統領が何兆円もかけて豪邸を築いたというニュースが流れると、日本では「とんでもない!」。だがヨーロッパや中東ではむしろ統治者がする行為としては当たり前ぐらいに認識されているはず。もっとも「皇帝」「王族」とかいう概念が既に時代遅れではあるが。
こういうのも見せつけられると、やはり「統治者」のような大富豪は見栄や贅沢だけで金銀財宝を買うのではないことが判る。はっきりしているのは「お金」がいかに不条理で危ういものか。言ってみればコイン一枚、あるいは紙切れ一枚を通じて市民と国が交わした「契約」に過ぎず、しかも市民側に「契約」変更に対する対抗要件がない。日本で言えば徳政令や戦後の軍票がそうだったが、国が一方的に「契約」破棄すればただの紙切れ。「お金持ち」にしてみれば「財」を守るために金や宝石を買う事になる。
これがマーケットの中で「金利」や「為替」(FX)を通じて合法的に起こすのが「インフレ」。「お金」はかくも危うい。
1週間もマーケットから目を切っていたら、なんとまあ随分動いたこと(昔から休むとろくな事がない)。「お金」の価値変動を示すのが「金利」であり高くなるほど価値は減じる=「インフレ」、その相対価値がFX。「金利」を無理に抑え込めばFXで通貨安になるのは至極自然な現象なのである。
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その辺の「無理」は日銀も財務省も認知しているだろう。「マイナス金利解除」や「YCC廃止」の予想が続々と前倒しされているのは、裏で彼らが旗を振っているから。日本の「利上げ」も案外近い。