続・マーケットの "裏の顔” - 低迷する支持率では「マイナス金利解除」の札は切りにくい(?)
マーケットの "裏の顔” - 突然の「派閥解消」とJGB急落の関係(?)|損切丸 (note.com) なんて note. を書いてしまったので続報として
某政府系保険会社の運用責任者がメディアの取材に答えていたが、生損保を始め「日本金融村」では+1.5%の「利上げ」を想定している模様。30年国債の ”目処” を@1.8%としていたから、現段階で+2%を超える「利上げ」は想定していない。おそらくこれは財務省の意向を踏まえた上での事
週末の世論調査では軒並み政権の支持率は続落傾向で、特にJJ社が出した対面調査の与党支持率@14%台が衝撃的。野党時代にもなかった低支持率で、これでは「解散総選挙」など打てるはずもない。もし「マイナス金利解除」→「デフレ脱却宣言」を選挙の切り札と考えているなら、明日(1/23)の政策変更は確率がかなり低くなった
ただ生保や年金機構(GPIF)のように長期投資を目的としている機関なら1月か4月かなど関係ない。2024年中に「利上げ」が始まるなら金利水準を見ながら慎重にJGBを積み増していくことになる。日銀のターミナルレート(政策金利の到達点)を@2%と見做すのは1つの方法だが、それでもアメリカで中堅行が破綻に追い込まれた失敗を教訓にすれば ”決め付け” は危険。「円安」が上手く収まらなければ日銀が追い込まれる可能性もある
面白いのは支持率低下と反比例して日本株が上がっていくこと
国内は「裏金疑惑」「派閥解散」等々、ワイドショーも巻き込んで喧々諤々だが、海外から見ると「やっと日本が動き出した!」と映る。*年初からガンガン買っているファンドにしてみれば乗り遅れたくないのが正直な所
本来日経平均の上昇は政権に追い風のはずだが、今回は珍しいケース。何しろ「昭和政治の終焉」=「派閥による金権政治の終わり」が株高を呼び込んでいる訳だから。これで ”お金の正しい使い道” に戻るという期待だろう。「シルバーデモクラシー」にも変化が訪れるかもしれない
日経平均に死角無し、みたいに聞こえそうだが大きな懸念が2つ:
さすがに年内▼175BPものFRBによる「利下げ」織込みは行き過ぎで現在揺り戻しが起きている。これが FED Dot Plot が示すように▼75BPまで戻せば米国債には売り圧力になる(現在▼100BP織込み)
怖いのは金利上昇が株の売り圧力に転嫁する場合。"BEST" じゃなくて "BETTER" でいい|損切丸 (note.com) だから「オルカン」でもS&Pでも構わないのだが「株安」は運用利回りに影響する。それでも "クレディビィリティ" (信用)の危機 -「お金」はどこへ向かうのか?|損切丸 (note.com) で*「円」に対する信用が損なわれており@130円を超えるような急激な「円高」も考え難く「お金」を持っているよりマシかもしれない
中国の「デフレ沼」に関してはようやく色々な事が表面化してきてはいるが、実態は相当悪い。「+5.2%」なんて政府目標に合わせたような経済成長率を真に受けるような市場参加者はほとんどいない。輸出入が多い日本へ影響は不可避で頭の片隅に置いておきたい。それから追い込まれた独裁者が「戦争」に打って出るのも歴史の必然でもあり、そこへの目配りも要る
(仮説)日経平均が54,000円に? - 政府・日銀が日本株をもっと買い占めたらどうなるのか? 「日本の収支」から検証。 「逆の目」も。|損切丸 (note.com) なんて note. を覚えている読者もおられるだろうが、これは日銀が200兆円以上も株を買占めた場合の試算。実際にはGPIFと合わせて70兆円余り買っただけで 「公的マネーが大株主 8割」 ー 日銀・GPIFによる「株買い占め」。なぜ今更 ”表沙汰” にするのか?|損切丸 (note.com)
だがこれが個人投資家等となれば話は別。1,000兆円の「預金」のうち200兆円株に動けば日経平均5万円はあり得ない話ではない。そこまで大きな動きになるかは未知数だが可能性はある。海外投資家はそう言う可能性も見ている。まずは@4万円目指しか
しかしこれだけの株高を生かせない政府・日銀も情けない。何がそんなに怖いのか。まずは "塊より始めよ" 。経済団体などもそうだが、国のトップがビビっていてどうする。ここは先頭に立って切り込む局面。そうしないと下の者はついていかない。日本にとってはこれがラストチャンスになる
明日の決定会合で政策変更が為される確率は低いが、JGBマーケットも金利高が継続しており警戒感は依然強い。政治的にも支持率回復のきっかけが欲しかろう。総裁が記者会見で何を述べるか、注目である