買い向かう「日本人」の「円安デモクラシー」 Ⅱ。ー 「円安は投機」の嘘。
買い向かう「日本人」の「円安デモクラシー」。 ー ”Trend is NOT Friend !” |損切丸|note の続編。
「最近売られた後戻すなあ...」
昨日(7/15)もそうだったが、NYダウもナスダックも下値でしっかり買いが入る。確かに7月FOMCの「利上げ」予報は+1.0%が消えて+0.75%に落ち着いてきた ↓ が、株価が+2%も反発する理由としては弱い。
そこで「損切丸」らしく「キャッシュフロー」を検証してみた。こういう時役に立つのが現役時代から "愛用" していた「対外証券投資」(財務省・週次 ↑ 標題添付)。「鯨」=日本の銀行・投資家は動かす「お金」の額が大きいため、実は相場を動かすことが多い。
確認してみてちょっと驚いた。米株の不調でとんと動きを見せていなかった「株式・投資ファンド」が6月最終週が+1.2兆円、7月第1週が+7,000億円ほど、合計2兆円近く買い越し。中には社債など金利系ファンドやエネルギー、暗号資産等も含まれるかもしれないが、ほとんどは株、それもNYダウやナスダックの上場株だろう。
「円安」は投機? 半分嘘である。明らかに日本人の「お金」が動いている。財務大臣は部下が作っている統計資料をよく読んで見てはどうか。
6月で思い当たるのは「無制限・国債指値買いオペ」。月間で過去最高の+16兆円買い越しというからその影響は無視できない。これは日本人、特に個人投資家にとっては 「円、どんどん売ります!」の免罪符。ー 世界的な「真性インフレ」下、「金融緩和」しているのはトルコと日本だけ。|損切丸|note に他ならず、「円」から 逃げ出す「お金」。向かう先は...。|損切丸|note が「ドル」になる。黒田総裁に背中を押された形だ。
大体世界中で「インフレ」が燃えさかる中、 "薪" をくべているのは「日銀」だけ。「乾いた "薪" 」発言で有名な三重野元・総裁が見たら怒るだろうなぁ(苦笑)。+16兆円もの「タダ金」≓ マネタリーベース追加は、*株安で苦しむ「ウォール街」にとっては "慈雨" でしかない。
さすがに人の良い日本人も 今の「値上げ」は「インフレ税」。結局は「お金」の問題。|損切丸|note と認識しだしており、「シルバーデモクラシー」に苦しめられている若年層は、こうでもしないと生活が守れない。
もう一方の「対内証券投資」=非居住者による本邦向投資も興味深い。
同期間、海外勢が中長期債+短期債で+6兆円以上買い越している。**6月第2週に中長期債(JGB)を▼約5兆円売って日銀に挑んだが、破れて ”撤退” した恰好。さすがにチーペスト銘柄(JGB先物の受け渡し銘柄、通常7年債)まで "買占め" してくるとは思わなかったのだろう。
一連の「対外・対内証券投資」の「円キャッシュフロー」を明確に裏付けているのが「TONAR」(無担保コールO/N金利) ↓ だ。
@▼0.01%近辺で推移していたTONARが+16兆円もの「無制限・国債指値買いオペ」で一時@▼0.05%まで急低下。その後再度@▼0.01%まで戻る過程で数兆円「ドル」に流れたと読める。フローで書くと:
国債買い+16兆円 → TONAR低下 → ドル円買い → TONAR上昇、米株上昇
こういうことになる。まあ日銀の「金融緩和」時に見られる ”典型的パターン” ではあるが、かように「過剰流動性」は相場への影響が大きい。
ワクチンなどを巡る薬事行政もそうだが、一旦海外を経由しないと日本に還元されないのが何とも歯痒い。だが今回は少し様相が違う。日経平均が想定外にしっかりしているからだ。
①「インフレ税」や②「シルバーデモクラシー」への対抗という意味では「円安デモクラシー」以外に「株デモクラシー」もある。***「円安」がこれだけ急激だと「国内株」を選択する人が増えるのはある意味理に適っている。加えて海外からの投資増も見込める。
反面切り捨てられるのが①能力に見合わない「お給料」を貰っている中高年層と②固定額の年金で暮らす老年層。「インフレ」はかなり辛い。数が多く案外ネットの書き込みをする層なので、今暫く「恨み言」が巷に溢れるかもしれない。「ヒット率」狙いのメディア然り。
だが昨今の日経平均を見ると ”リアル” は全く別の流れなのではないか。「悲観」(の中で生まれ)から「懐疑」(の中で育ち)…のようにも映る。あとは政府が規制や税制を ”改善” してくれれば尚良いのだが…。