続・日本人はもっと「お金」に拘っていい ー 日本人の「お金」意識の変化
結構読んでいただいた(「損切丸」歴代15位) 日本人はもっと「お金」に拘っていい。 ー 「清貧思想」の呪縛からの開放。|損切丸 の続編
こういう note. を書いてきて日本人の「清貧思想」信仰からの解放を謳ってきた「損切丸」。 今でも覚えているが:
”お金は汚いもの” - 子供時代から親に耳にタコができるほど言われてきた。確かに両親が「お金」の話をしていた記憶が無い。両方とも公務員で子供に心配かけたくないという思いがあったのだろうが、これは「昭和」のスタンダード。その方が政府にとって都合が良かったのだろう
それでも「高度成長期」はそれでやってこれた。「借金」して不動産を買う「リスク」など十分考えもせず、”みんなやっているから” という理由だけでひたすら20年以上もの長期「住宅ローン」を組んで盲目的に「マイホーム」購入に邁進。これも一種の「円キャリートレード」なのだが、長期「インフレ」の下機能した。日本人が豊かになった原動力とも言える
その頂点が「バブル」であり、この "鉄板スキーム" はその崩壊と共に暗転。こうなると「清貧思想」信者はどうしていいかわからない。 "鉄板" のはずの「住宅ローン」+「マイホーム」は逆回転を始め「損切り」マシーンに変貌。「リスク」を理解してないからひたすら「損」が膨らみ「失われた30年」=長期「デフレ」の元になった。今の中国も同じ道を辿っている
いつもお隣さんが何をしているのかが気になる日本人は「デフレ」下で「預金信仰」に邁進。耐久財は先延ばしするだけで値が下がるので「お金」を持つことが最高の「投資」に変貌した
だが長期トレンドというものは20~30年周期で大転換するもの。長い長い「デフレ」を経て再度「インフレ」時代に突入。鍵になったのが「団塊の世代」▼800万人の現役引退で起きた慢性的な「人手不足」。「少子高齢化」も急速に進み労働力不足は深刻化している
2016年頃から人件費上昇の兆候 ↓ が出ていたが「インフレ」に追いつかず「実質賃金」は3年続けてマイナス( ↑ 標題グラフ添付)。ただトレンドを追うとようやくプラス圏に入る流れに乗っている。周りで話を聞いても、大企業に限らず初任給を中心に「お給料」の急上昇が起きている。本当に「人」が足りていない
「インフレ」が日本人の「お金」の意識を変えつつある。これは「バブル」期も同じで生活は全然楽では無かった。そしてのしかかる 国民が背負う「荷物」Ⅲ ー 今度は「インフレ税」という "重税" |損切丸 特に「社会保険料」が急激に増加。その額年間で▼80兆円。税収とほぼ同額で「第二の税」と言っても過言ではない。筆者自身の負担も8年前の退職時からほぼ倍増しており、これでは生活が苦しいはずである
ここでやっと「有権者の反乱」が起きた。きっかけは「103万円の壁」。少数与党に追い込んだことで、ようやく「お金」と真っ正面から向き合う素地が出来てきた。生活に窮して「お金」の一部を返せということ
ただ政府・与党も反撃に出る。「高額医療費の上限引上げ」。ここで「国民負担」を求める動きに出た。当初は「反対」一辺倒だった世論にも少し「変化」が見られる。重すぎる「社会保険料」が生活苦の原因なのは事実で、その主因が高齢者の入院費等「国民皆保険」。この40年で4倍以上、e.g., 1980年▼10兆円 →▼47兆円、に膨張しており、▼6~8兆円台の公共事業や防衛費とは比較にならないほどの高負担である
だから「103万円の壁」を「178万円」に引上げて年間▼7万円の「減税」を受けたければ、相応の公共サービスの減少は覚悟しなければならない。つまり年間予算の根本的改革。*「社会保障」にメスを入れるのは待った無し
5年前から「損切丸」を書いてきたが、日本人の「お金」の意識がようやく「変化」してきた。ネットやSNSで同様の趣旨の書き込みを見つけると隔世の感がある。5年前は見向きもされなかったのに(苦笑)
今後 日本の「インフレ」の正体。|損切丸 は正念場。鍵は「家賃」。世の中の物価も「お給料」も急激に上がる中、我慢に我慢を重ねてきた不動産オーナーや大家さんだが、いつも一方方向に傾く日本人の特性に鑑みると、これまでのマグマが一気に吹き出すかもしれない。よく「持ち家 vs 賃貸」の議論が挙がるが「家賃上昇」リスクを考慮する必要があろう
市場が動いてからでは手遅れになるのは 「固定金利」か「変動金利」か。ー 「銀行」の立場から考えて見る。|損切丸 同様。 ”機先を制するものが勝つ” はマーケットの鉄則。1年後、5年後の自分に思いを巡らすことが「インフレ」下では特に重要になる。「投資」然りである