やはり「過剰流動性」の総本山は日本 ー 「結果」を得るには一度「苦況」を乗り越えなければならない
これが「AI相場」という奴なのだろう。LTCM破綻(1998)時の "現場" の実例を交えてここ数ヶ月「キャリートレード」崩壊の可能性を書いてきたが、 "いつ・どこで" の予想は極めて難しい。今回は「ロシアのデフォルト」などというはハッキリした引金がなかったが、ドル円はスルスルと落ちて気が付けば▼10円近い「円高」
敢えて挙げれば 「トランプ2.0」の衝撃|損切丸 (note.com) になるのかもしれないが、ハリス候補と支持率5分5分の今それもどうかと思う。こういう時筆者が注視するのは ”世の中の雰囲気” だ
こう言う声がネットに溢れ「利上げ」を支持(指示?)する有力政治家を叩く書込みが増えるとへそ曲がりの「損切丸」は よほど「円高」になると困るらしい...|損切丸 (note.com) と推定する。*年初からの「新NISA」で米株買い≓ドル買いが積上がり、” Mrs. WATANABE " もFXでスワップポイントで荒稼ぎ。「円安」歓迎が広がっていた証拠でもある
好事魔多し。相場はいつも意地悪で 「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 一体誰が困るのか?|損切丸 (note.com) 続・「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 株もタワマンも買いそびれ「円安」で物価は上がる一方...|損切丸 (note.com) 不平不満が溢れれば、大抵その "逆" に動く
派手に動いている株やFXに目が行きがちだが、筆者は米国債の「変化」に注目している。いよいよ「過剰流動性相場」の終わりが見えてきた
ベンチマークである10年米国債金利を見ながらドル円を手掛けてきた向きも多いはずだが、この "必勝の法則" が崩れた。特に10年超の米国債金利は上昇基調がはっきりしてきており、「5年ー10年」「2年ー30年」等の「逆イールド」が解消。はっきり「スティープニング」(長期金利が短期金利を上回る現象)に転換。今度は ”米国債売り(金利上昇)≓ドル売り” になる
加えて「株本位制」のアメリカでは個人も株保有比率が高く「株安」は「景気後退」に直結する。今回の「利下げ」のターミナルレート(政策金利の到達点)を@4%と見てきたが、この流れだと@3.5%程度まで下がるかもしれない。これも「スティープニング」≓「ドル売り」を後押しする
まあそれもこれもやはり「過剰流動性」の総本山は日本という点に尽きる。「異次元緩和」「バズーカ」などと前々首相+前日銀総裁がやって来たことがいかに無茶苦茶だったか。結果邦銀を通して世界中にばらまかれた「お金」が500兆円余り
なぜか今回も「来週の決定化合で利上げ+国債買入半減」なんて情報が ”事情に詳しい筋” からリークされているが(苦笑)、30年以上彷徨っていた「フリーマネー」が▼100兆円単位で "里帰り" するインパクトは強烈。あれだけドル建債で大損した邦銀もしばらくは「ヘッジ付外債」を控える事になる。そもそもJGBに "合理的金利" が付けばそんな無理は必要無くなる
2年JGBが@0.40%近くまで売られているのを見ると来週の+0.25%「利上げ」はかなり確度が高そう。やはり与党の後押しが大きい
「新NISA」で米株や日本株を買ってしまった人は気の毒だがこれも相場。マーケットで勝負を決するのは①エントリーポイントと②売るタイミング。①良い値段で買えていれば急落にも耐えられるし②マーケットの動きに先んじて「利食い」「損切り」出来れば難を逃れられる
奴らに儲けさせるな!|損切丸 (note.com) 的観点からはここは考え所。一旦「損切り」して出直すのか、我慢するのか。その辺は個々の判断によるが、苦しいからと言って目を背けるのだけは避けてほしい。やみくもな ”ガチホ” も長年に渡る「塩漬け」と後悔を生むだけだ
これは相場に限らず何でもそうだが「結果」を得るには一度「苦況」を乗り越えなければならない。それが勝つためのノウハウになり中長期的な成功に繋がる。「現実」から目を背けていては前に進めない。これはトレーダー、投資家のみならず政府・日銀にも当てはまる
日経平均が@38,000円を割り込んでショックかもしれないが「ドル建日経平均」で見れば ↓ まだ@250ドル程度で買い基調は崩れていない。加えて 生活が苦しいのは莫大な「インフレ税」を徴収されているからⅡ|損切丸 (note.com) で書いたように「円高」は「実質賃金(所得)」にプラスの影響を及ぼす。「人手不足」対応のIT投資などで日本企業の生産性は着実に上昇している。本当の勝負はここから。筆者は「新日本」に期待している