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令和でまたまた復活?「意地の悪い相場」ー 今度はドル円

 復活・「意地の悪い相場」。|損切丸 (note.com)
 
復活・「意地の悪い相場」Ⅱ。ー またまた "びっくり米国債" 。|損切丸 (note.com)

 ドル円の相場付が酷い。このところずっと見ているが、落ちるかと思ったら反発し、踏み上げると思ったら叩き落とされる。” Mrs. Watanabe" も愚弄されている気分だろう。大体ビッドーオファーも、通常は1銭でびっちり売買いが並ぶはずのドル円が、今は3~4銭に開いた上、そのまま叩いたりする流動性の厚いドル円では考えられない動きである。

 (参照) 「値が飛ぶ」- ひどい相場の最終形。欧州通貨危機(1992)の経験から。|損切丸 (note.com)

 大体こういう時はみんな儲かっていない。だから誰かを引っかけて懐からふんだくろうと画策する。おおよその傾向からすると、筆者も含め日本勢は中長期的に「円安」は底を打った、という見方が支配的。だからドル円相場の急落を ”演出” し、慌てて売りに来たところを踏み上げさせようとの魂胆だろう。筆者も見ていてイライラするが、一筋縄ではいかない。

 かつて「意地の悪い相場」で挙げたのが「ビットコイン」「米国債」だが、どちらもこの数年酷い目にあった。「ドル円」も気を付けた方が良さそうだ。あまり「相場観」に固執すると "売っては踏み上げ買っては投げ" の悪循環。 金利差を狙った「キャリートレード」。ー 頼みの綱は「円」「JGB」|損切丸 (note.com) も根強く質が悪い。ここは冷静を保ちたい。

 さてFRBの「利上げ」が止まった今、鍵を握るのは日銀の「利上げ」だが、植田総裁の国会での受け答えを聞いていると相変わらず歯切れが悪い。CPIが半年以上+4%(コアコア)で推移しているのに:

 「+2%目標の達成に確信が持てない」

 ??? 一方「CPIの見通しの誤りを認めざるをえない」。わざとぼかしている可能性もあるが、それではいつ「利上げ」するのか。とても判りにくい。だからドル円がこんな酷い相場付になってしまった。

 大体日銀による「国債買取オペ」も中途半端解散・選挙が先送りになって「日本金融村」がJGBを買いに走ったが、e.g., 10年JGB@0.69%,20年@1.38%,30年@1.65%,途端に買入額を減額。村民も随分戸惑ったはずだ。まあ政治的に「円安」も困るのだろう。

 そもそも「国債買入オペ」自体、もう止めるべきではないのか。YCC(イールドカーブ・コントロール)も上限金利を@0.50%→@1.00%と上げてきて実質「利上げ」なのに、今度は「@1.00%目処」。こんなの英語に訳せない(苦笑)。つまりFXなどグローバルマーケットでは理解不能だ。「YCC廃止」にして「国債買入オペ」をストップする方が分かり易い。

 日銀も発行国債の50%に当る600兆円近く買い取っており、量的にも限界なのは明らか。これだけ世界中で「インフレ」になっていれば、マーケットに「お金」を供給し続ける事は矛盾している。トルコならいざしらず、米国債と並ぶ巨大マーケットJGBでそれを実行し続けるのは弊害が大き過ぎる日銀もその責任は自覚すべき。

 とまあ一介の元・金利トレーダーが力んでみても決めるのは植田総裁であり、政府・財務省との調整も必要なのだろう。ただ「円安」という "黒船" の威力は絶大で、徐々に外堀が埋まりつつあるのも事実。選挙民の怨嗟の声も高まっており、ここまで追い込まれて日本人もやっと目覚めつつある

 今日一日のドル円の動きを追っても①149.60から148.75まで急落②149.33まで踏み上げ③気が付けば@148.80、と何だかAIに小馬鹿にされている気分だが、筆者は来年にかけて@135~140円の中長期的見通しは変えていない遅かれ早かれ日銀は+1.5~2.0%程度の「利上げ」に動く事になる。

 ただ現政権がこのまま何もせずに向こう2年も続くような事態になれば、それこそこの国にとって "悪夢" 。選挙で現与党勢力が3分の2の議席を占め続ける結果になれば、まさに アルゼンチンが示唆する「日本の未来」|損切丸 (note.com) 日本大好きの筆者もさすがに海外移住を考えざるをえない。最近若者も「ワーキング・ホリデー」で海外に出る傾向も強まっているというし、そうすると残された「老人」の面倒は誰が見るのか...。来年還暦になる筆者にとっては全く他人事ではないのである(苦笑)。

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