さあ何を買う?「AI」ー ドルかユーロか、ナスダックか日経か、それともBTC?
日本なら日銀短観に相当するPMI( Purchasing Managers' Index、購買担当者景気指数)の反転上昇は予想外で、これではとても年内「利下げ」を言い出せる状況になく、米国債は大きく売られた
大統領選が近いとは言えさすがに ”バイデンフレーション” の衝撃。|損切丸 (note.com) のトラウマが消えないのか「FRBの独立性を支持する」。政治的にも株価<「インフレ」の比重が高く、それだけ米国民の生活を圧迫している証拠でもある
ここでマーケットではちょっとした "異変" が起きた
まるで ”蜜に群がる蟻” ー AIは「円安」パターンを学習してしまった(?)|損切丸 (note.com) なら米国債売り(ドル金利上昇)→ 「ドル買い」の「学習効果」で@157円を超えて@158円まで突っかけるかと思いきや突然頭が重くなってしまった。今日(5/24)の東京市場もそう
「ドル買い」転換の傾向は対ユーロ、ポンドで見え始めていたが「円」にも波及したのか。クロス円もユーロ円が@170円、ポンド円が@200円に到達しやはり頭が重い
"異変" は株やコモディティ(商品市場)、暗号資産にも起きている
印象的なのは米株式市場で、このところ引けにかけて堪えきれずに落ちるパターンが続いている。エヌビディアの好決算を受けて上がったナスダックも結局売られており、NYダウはもっと酷い。比較で言うと落ちたところを拾っている印象の日経平均の方が今は底堅く見える
BTC(ビットコイン)もちょっと様子がおかしい。まあこのぐらいの下落は日常茶飯事でETF上場が承認されたイーサリアムに「お金」が流れたとも考えられるが、それ自体 "弾切れ" を示唆している。WTI(NY原油先物)も動きが怪しくなってきた
筆者は現状を いくら好きでも満腹のゴリラはバナナを食べない。|損切丸 (note.com) に近付いていると推定。焦点は「過剰流動性」できっかけは日銀の「金融引締」転換。「XXバズーカ」等日銀が世界に放った「お金」は400~500兆円 ≓ 日銀保有JGBとも推計されており、これが ”元” に戻ろうとしている
「お金」の「量」が限られている以上、どこかに向かう分はどこかから抜かなければならない。まして「QT」(量的引締)で「量」が減るなら尚更。バトンがFRB、ECBからいよいよ "本丸" 日銀に渡る
今までさんざん「利上げ」を引き延ばしてきた日銀・財務省も ”黒船” 「円安」でいよいよ待った無し。「過剰流動性」の城は崩れかけている。 ”国際協調” 的にはそのダメージをFRB・ECBの「利下げ」で防ごうという作戦のようだが、 続・想像以上にしつこい「インフレ」|損切丸 (note.com) が行く手を阻む。何だか気持ち悪い感じにはなってきた
*「AI」が手掛けようと「人」が手掛けようと相場の「需給」自体は変えられない。違うのは "積み上がっているモノ" は何か? -「金利」との比較|損切丸 (note.com) のスピードやタイムスケール、タイミングだけ。青天井の相場も底無しの相場もない。必ずどこかで折り返す
「お金」が減っているのは "金利のメッセージ" (Message in a Yield)|損切丸 (note.com) ≓ 国債金利の高止まり ↓ が示している。「インフレ」=物価高騰も「お金」を減らす方向に作用するため、時間が経つ程ジワジワ効いてくる
市場間の「お金」の動きは「為替」(FX)と「金利」を見ていれば大体想像が付く。気が付けばJGBの金利は11年前(2013)のレベルを超えてきた。ここからがいよいよ "本番" 。現状を見る限り2021~2022のような「ドル高」一辺倒ではなくなってきている
欧米が「インフレ」で手足を縛られる中、日銀は否が応でも自ら動かざる得ない。最近では「円売り」→「日経売り」の傾向もはっきりしてきており、これ以上「利上げ」を引き延ばす十分な理由に欠ける。「お金」が減っていく中、まるで ”モグラ叩きゲーム” - 苦しむファンド・トレーダー|損切丸 (note.com) はますます酷くなる
米国債を含むドル建債券で大やられした邦銀が多数あったように「逃げ遅れ」は致命傷になる。これは個人を含む投資家も同じ。 ”長期保有” もいいが「変化」に対応しなくていいわけではない。「お金」がどこからどこに動いているのか。昨日の「ドル円」ではないが「買い要因」が出ているのに上がらない相場は特に注意が必要。「需給」転換のサインかもしれない