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「お金」の値段 ≓「金利」が安過ぎる!Ⅲ ー 日銀「利上げ」に "2匹目のドジョウ" はいるのか?
続・「お金」の値段 ≓「金利」が安過ぎる! ー マーケットは常に「中立」を求める|損切丸 からの続編
氷見野日銀副総裁講演@横浜:
”2025年度の賃上げの見通し、24年度に続いて強い結果を期待できる”
”来週利上げ議論”
JGB(Japanese Government Bond、日本国債)の短期債(5年以内)の金利が上がってきた。保有しているのは邦銀がほとんどで、 "内部通達制" の ”日本金融村”の「慣行」に照らせば1/24に+0.25%「利上げ」になる。1月「さくらレポート」でのCPI見通し上方修正報道に氷見野副総裁の発言 ↑ を加味するとその事を示唆しているとも読める
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それにしてもなぜ12月に「利上げ」を見送って1月に延びたのか ↓
①韓国の戒厳令による経済混乱
②「103万円の壁」を巡る国民世論の動向
③「円安」の進展
特に①韓国に金融危機の可能性があったことが大きかったと推察する。せっかく「利上げ」したのに隣国救済のためにすぐ「利下げ」に追い込まれる事態は避けたかったのだろう。 もう「失敗」できない日銀。|損切丸 としては過去2度にわたる「ゼロ金利解除」失敗のトラウマもある
そして「103万円の壁」≓「減税」の動向。このまま上手く与党が押し切って「123万円」で収まればよし、世論の動向を見ても「150万円」程度が上限と見られる。少なくとも▼5兆円を超える減収にはなりそうにない
そして日銀の背中を押しそうなのが「円安」のスピード。こんなに早く@160円に接近するとは想定していなかった節がある。できれば春闘の動向を見極められる3月まで延ばしたかったのが本音だろうが、「損切丸」でさえ ”ヤバい” と思うスピードだから日銀・財務省の現場も同様だろう。金利の急騰を抑制する観点からも1月に動いた方が良いと判断する可能性もある
あとは不動産や株式市場の「インフレ」折込み度合いと「貨幣価値減少」に伴う名目価格上昇のせめぎ合いになる。ポイントになりそうなのが:
①個人投資家の ”やれやれ売り”
②外国人投資家の価格判断
「日経平均」は何度も@40,000円をトライしたがその都度①個人投資家による分厚い ”やれやれ売り” に押し返されてきた(不動産然り)。30年も「デフレ」で苦しんできたのだから当然といえば当然。だが裏を返せばその過程で ”必要な売り” は大分捌けた訳で一旦上抜けしたら上昇に弾みが付く
②外国人投資家というと兎角*屍を貪り喰う ”ハゲタカ” のようなイメージを持たれがちだが、感情的に売り買いするのは日本人の方で彼らはかなり ”理論派” 。「インフレ」折込み具合と「貨幣価値減少」↑ 等々、かなり精緻に検証しており淡々と売買してくるだろう
* ”ハゲタカ” は「ドル円」や「日経平均(先物)」をブンブン振り回してくる一部のヘッジファンド(HF)であり、彼らは7月の「利上げ」時の急落同様 "2匹目のドジョウ" を狙っている可能性が高い
何でもそうだが「0」→「1」は大変だが「1」→ 以降はさほどでも無い。今回+0.25%「利上げ」しても「日経平均」「ドル円」共▼数千円、あるいは▼10円も下がるような事態は考えにくい。前回急落時に根っこの「円キャリートレード」が大分解消されているからだ。主要な投資先であるナスダックやビットコインもそう
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1/24の会合に向けて再度@160円を突っかける展開になれば「ドル売円買介入」が入る可能性もあるが、 ”ハゲタカ” の "2匹目のドジョウ" 的指向性を考えれば、彼らはショート(売り)で挑んでくるだろう。そうなると1/24に「利上げ」があろうとなかろうと "Sell the Rumor, Buy the Fact" (噂で売って事実で買え)宜しく、怒濤の買い戻しになる展開も想定出来る。こういう時こそ 奴らに儲けさせるな!Ⅲ|損切丸
とはいえ韓国の政変等々、” Anonymous Factors" (不確定要因)が襲うこともあり予断を持たずに臨みたい。何しろ1/20からは ”Tariff Man" (関税男)が満を持して登場する。市場のボラティリティー(変動率)上昇は避けられないだろうが、まあそれもマーケットではある
”20年JGBがやっと@2%か...”
CPIもアメリカを上回り食料品等生活必需品の ”体感物価” が+10~20%にもなろうかという「円」。いかにも安過ぎる「円」の値段 ≓ JGB金利も、気が付けばドイツの背中が見えてきた、e.g., 30年国債の日独金利差+0.5%程度 ↓ 。ここにきてユーロやポンド等対欧州通貨で「円安」にピーク感が出てきたのは偶然ではなかろう。あとは土壇場になって日銀の腰が引けないことを祈るのみ。大丈夫、今度はそんな大暴落にはなりませんよ(苦笑)
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