続・『地獄でなぜ悪い』 - 「減税」「給付金」は『天国』なの?
『地獄でなぜ悪い』 - 「利食い」は「損切り」の何倍も難しい|損切丸 (note.com) の続編
衆議院が解散されて今や選挙戦真っ盛り。各党の公約は「消費税減税(廃止)」「給付金」とバラマキのオンパレード。これ本当に『天国』なの?
「お金」の理屈に立ち返れば、今回の争点になっている「裏金疑惑」は政治家も悪いが、そもそも ”見返り” を要求する選挙民のせいでもある。公共事業の優先的斡旋に親類縁者の就職サポート、あるいは冠婚葬祭や町内会行事での付け届け等々「お金」を要求しているのは選挙民自身であり、これを政治家が利用する。その一部が彼らの懐に戻ってくるわけで、まさにおいしい ”ビジネス” 。「減税」「給付金」もその延長線上にある
しかしこれらの ”税金キックバック” は一部支持者に偏っており、とても公平とは言えない。それでも選挙に行かず投票率が低ければこの利権構造は変わらない。莫大な社会保障費の恩恵を受ける大票田・高齢者へのバラマキが消えないのも同じ構図。これに「日本I師会」などが乗っかっている。一般庶民は「お金」を抜かれるだけ。有権者も随分舐められたものである
政治的な文句ばかり言ってもしょうがないので(苦笑)マーケットの理屈で考えてみよう。「インフレ」に「減税」「給付金」は御法度。特に今は*▼4.5京円という「大借金」で「お金」を刷りすぎた事が物価高騰=貨幣価値の下落=「インフレ」の原動力になっているわけで、ここでの「減税」「給付金」は更に「お金」を刷る事になる
既に大量に余っている「お金」を更にばらまけば価値が下がるのは当たり前。@150円を超えた「円安」はそういう事を示唆しており、これでは同じ事の繰り返し。「インフレに減税、給付金」は ”虎の子” 「円キャリートレード」再開を狙っているヘッジファンド(HF)の恰好の餌食になる
まあHFが狙おうが狙うまいが、「お金」が信用できない? - 鍵は ”希少価値” |損切丸 (note.com) という状況下、余った「お金」は株やビットコイン(BTC)、あるいはGold(金)、WTI(NY原油先物)等々「インフレ」資産に向かわざるを得ない
残念ながら「貯金信仰」の強い日本でバラまいた「お金」は銀行口座に眠ってしまい消費刺激効果は薄い。だから同じ株でも「日経平均」やTOPIXは選択肢に入りづらく「円安」分しか上がらない。これではまた「失われた30年」の繰り返し。今の市場の動きはその事を示唆している
アメリカの消費行動を見ていると、昨日(10/17)発表の小売売上高が示すようにCPIの下落により「物価上昇」<「賃金上昇」≓「実質賃金増」が消費を後押しており、今「利下げ」出来るのも@5.25%まで「利上げ」したから。日本とは大分様相が異なる
「インフレ対策」の本道は「利上げ」。「実質賃金」に焦点を当てれば最も影響が大きいのが社会保険料だ。「損切丸」本人の記録を見ても退職した8年前からほぼ倍増。収入が激減しているのにこれでは堪らない(苦笑)。もっともここで「お金」を回収しているから「円安」も@150円程度で済んでいるとも言えるが、さすがにやり過ぎ。ただ日銀の「利上げ」を遅らせることでショックを和らげ、ポリシーミックスとしては実は間違えていない。この辺りは日銀・財務省で綿密に擦り合わせしているはずだ
マーケット的視点で俯瞰している「損切丸」としては、今の選挙戦で ”庶民の味方” とばかりに「減税」「給付金」を前面に押し出している政党は信用できない。仮に公約を実現できたとしてももらった分の「お金」を上回る「インフレ」「円安」が生活を襲うことになる
小学校の頃から「投資」「リスク」「マーケット」について学ぶ欧米と違い、この国ではそういう「お金」の学習がスッポリ抜け落ちている。だからこんな選挙選になってしまうのだろう。「失われた30年」をじっくり振り返って見るといい。**リターンや付加価値を生まない膨大な「無駄使い」が繰り返されてきた。いわば馴れ合いの "前例踏襲"
「投票」は小市民に残された大事な権利であり、「投資」同様生活に重大な影響を及ぼす。目の前の「お金」もいいが、マーケットの声に耳を傾けると違う "FACT"(事実)が見えてくる。さて待つのは『天国』か『地獄』か