想像以上にしつこい「インフレ」
「ドル円」ショートを仕掛けていたウォール街やファンドの「ドル金利低下」の願い虚しく、想像以上にしつこいアメリカの「インフレ」。 やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。|損切丸 (note.com) ということなのだろう。その割に株価は意外に底堅い
続・逃げ出す「お金」。向かう先は... @2024|損切丸 (note.com) で「貸出」の鈍化や「預金」の流入を受け、欧米の銀行はせっせと国債を買い込み、一種の「利下げデモ」に打って出ている。だが今の「金利」は「インフレ」=「過剰流動性」による貨幣価値の減少が主導しており、かつてのように銀行の思い通りにならない ≓「銀行資本主義」の終焉を示唆
つまり現在のG7各国国債の@2~4%の「金利」は「投資」対象として十分魅力的でない、ということ。アルゼンチンやトルコは言うに及ばず、2桁金利のブラジルレアル、ルーブルなども「金利」は高止まり、あるいは上昇しており、預ける価値がないことを示している
そう言う観点からFRBは本当に「利下げ」出来るのか、疑念が消えない。大統領戦を前にバイデン+パウエルコンビは「利下げ」に前のめりだが、理屈に合わない事をすれば市場からしっぺ返しを喰らう。 ”バイデンフレーション” の衝撃。|損切丸 (note.com) で経験済みのはずなのだが...
”もしトラ” なんかになったらもっと状況は酷くなる。議長の首をすげ替えてでも「利下げ」を強行するだろう。そうなるとやってくるのは「アメリカのトルコ化」。ポピュリズムは怖ろしい
これで急激な「円高」リスクは当面なくなり、3/18、19にも「マイナス金利解除」を図る日銀にとっては "追い風" になるだろう。条件はこれ以上ない程に整ってきた。あとは実行する "勇気" だけ
円金利市場の焦点は「マイナス金利解除」ではなく、むしろ「国債買取」のフレームワーク。現在は年間70兆円のペースで買い入れているが、丁度これは保有国債の償還額と見合っており実質フラット ↓ 「下限金額」で計算すると60兆円割れまで絞り込めるがどこまで踏み込むか。国債金利の急騰を避けたい財務省とつばぜり合いが続くが、これをどうにかしないと760兆円のバランスシートも600兆円のJGBも減らせない
日銀による "実質財政ファイナンス" は既に限界。それは49兆円にも膨らんだ「政府預金」(3/10現在)≓ TB前倒し発行による日銀の「資金繰り」支援 ≓ 円市場からの「資金吸収」が示唆している。事実TONAR(無担保コールO/N金利)はゼロ近辺で張り付いたまま。需給悪化で*何かの拍子にプラス金利にいつとんでもおかしくない状況
世界全体をみればCPI高止まりは良いニュースとは言えない。特に景気減速が顕著なヨーロッパではフランスなどを中心に「利下げ」に前のめりなECBはかなり切羽詰まっているが 「金利」の ”磁力” |損切丸 (note.com) が不十分なまま「利下げ」に走り出せば「インフレ」の倍返しが待つ。ここでも銀行による経済主導力は落ちており「スタグフレーション」的様相
アルゼンチン、トルコ、レバノン、ロシア、そして中国。何だかんだ多額のドル建債務を抱える国々はもっと苦しい。「戦争」中であったり「不良債権」を抱えていたり…。「ドル支配」からの脱出を謳っていても、商品を買う最大の顧客がアメリカである以上現実は厳しい
現在の「インフレ」が過剰に出回っている「法定通貨」の問題と捉えれば金(Gold)やビットコイン(BTC)が買われるのはある意味筋は通っている。だが "器" が小さいだけにどこまで保つか。依然価値基準が判然としない暗号資産は3京円もの「過剰流動性」を入れるために新たに作られた "受け皿" のようでもあり、何だか狐につままれている気分。オプションの起源とされる中世の "チュ-リップ・バブル" と本質的には変わらない
ただ日々儲けなければいけないヘッジファンドや投資銀行のトレーダーはそんなご託は言っていられない。直近のドル円+日経平均売りもそうだが、動くものには何でも食い付いていく。ちょっと刹那的
個人で長期的「投資」を心掛けるなら 続・はっきりした「ドル建日経平均」戦略 - 欧米の ”小鬼” たちに振り回されるな!|損切丸 (note.com) 等しっかり見極め、腰を据えて「フェアバリュー」を探る事。どんな相場にも必ず抜け道がある。へこたれず、あきらめずマーケットに臨んでいきたい