日本で拮抗する「円安派」vs「円高派」
注目された日銀政策決定会合&植田総裁会見だったが何~も無し(笑)。これでドル円が+3円近く「円安」に飛ぶのだから正直何やってんだか。完全にファンドやデイトレーダーの "オモチャ" になっている。
「利下げ」開始発言で火消しに大わらわなFRB同様、「チャレンジング」発言が効き過ぎて@140円台まで「円高」に飛んだのが想定外だったか。コントロールされているユーロドルとは対照的で、まさに 気がはやる "群衆" を留めるのは大変|損切丸 (note.com) 最もトレーダーにとって「ドル円」は美味しい相場には違いない。動かなければ商売上がったりなのだから。
だが大きな国内の変化を1つ指摘すれば「円安派」vs「円高派」が拮抗:
輸出大国だった「昭和」からデフレに喘いだ「平成」までは8:2ぐらいで圧倒的に「円安派」だった日本。それが「インフレ」大転換で「円高派」が増えているのは画期的。少なくとも「損切丸」は生まれて初めて見る。そういう ”激突” が相場のエネルギーを生んでいるのだろう。日本人が真剣に「お金」に向き合うキッカケになったのなら1つ進歩したとも言える。
植田総裁はこうお決まりの文句を述べていたが、今回はもう一つ "見通せない事" が重なった。そう、政治状況だ。支持率が@10%台まで落ちたと報道するメディアもある中、与党には「強制捜査」。まさに ”一寸先は闇” で政権がどうなるか "見通せない" 。確かに「チャレンジング」でとてもリスクを冒せなくなったのも事実。様子見が無難と判断した可能性もある。
だがこういうどっちつかずの姿勢をマーケットは見逃さない。
「円、どんどん売ります!」の免罪符。ー 世界的な「真性インフレ」下、「金融緩和」しているのはトルコと日本だけ。|損切丸 (note.com) と取られてしまうリスクがモロに出た。「円安」がぶり返せば「インフレ」の加速を助長するし、 続・ ”チャレンジング" な日銀「資金繰り」 ー 「国債買取」減額を探る|損切丸 (note.com) という足元の厳しい現実も変わらない。いずれにしろ日銀にゆっくり待つ余裕などない。
とりあえずは政権の行方を見定める事。ここで慌てて動けば「失敗」の責任を全て負わされる。官僚とはそう言うことに特に気の回る人達。だがマーケットはそういう "隙" を見逃さない。そうやって「日本」は "オモチャ" にされてきた。「清貧思想」の昭和世代には ”黒船” 襲来 ≓ FRBによる「利下げ」を待つしかできない。早くバトンをZ世代に引き渡すべきだろう。
いずれにしろまたドル円が@145円を超えれば「円高派」が騒ぎ出す。「インフレ」に加えて「六公四民」の社会保険+税負担で国民生活はギリギリ。支持率が低下している政権にプレッシャーがかかるのは目に見えており、それはそのまま「日銀」に転嫁される。丁度2年前のFRBと同じ様な状況が生まれるだろう。過去と違って「円高派」が「円安派」と拮抗している今、なあなあで何もしない事は許されなくなる。
筆者もバリバリの「昭和世代」だが、何せ外資に転職するようなアウトサイダー。日本にいながらこの国を ”外” から眺めるという特異な立場にいたからこそ感慨深い。50年以上も大きな "違和感" を持って生きてきたが、それがようやく変わろうとしている。
こういう言い方をすると語弊があるが、一時的に何かが犠牲になるのはやむを得まい。アメリカやイギリス、あるいは北米が必ずしも理想とは言えないが、このままでは日本がじり貧なのも確実。日本らしく ”マイルドな改革” が着々と進むのを期待したい。
日本人のポテンシャルはそこまで低くない。 アルゼンチンが示唆する「日本の未来」|損切丸 (note.com) は "杞憂" に終わって欲しい。2019年の「コロナ危機」に端を発した「インフレ大変革」は2024年までの5年間がこの国にとってまさに "大勝負" となる。「低金利政策」からの脱却がその象徴となるはずだが、さて…。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?