続・「ドル建日経平均」リバース ー 「ドル円」と「日経平均先物」の自動売買プログラム?
「ドル建日経平均」リバース ー 今度は「キャリーコスト」減少を見込む戦略|損切丸 (note.com) の続編
相変わらず「ドル円」も「日経平均先物」も酷い相場付きだが、どうも「人」の臭いがしない。*HFT(高頻度取引)を現場で見てきた「損切丸」的には「ドル円」と「日経平均先物」の自動売買プログラムが作動しているのでは無いか、と疑いたくもなる。こういう売買は「人」には無理
「ドル円」と「日経平均先物」の連動性に目を付けて取引するファンドやトレーダーが増えたのも事実だろう。最近のボラティリティー(市場変動率)の高さから "飢えた狼共" が群がっても不思議ではない。そうなれば当然「先回り」を考える奴も出て来る訳でこうなるのも自然の「成り行き」
開始当初は儲かってしょうがなかった株のHFTを「玉手箱」と囃した投資銀行業界だが「ゼロサム」の世界で長続きするはずがない。各社が開発競争に血道を上げるようになり、最後は各社のHFT端末が東証アローズの取引端末にどれだけ近いかをミリ単位で争う超アナログな闘いに陥った。結局「玉手箱」は「錬金術」とはなり得なかった
そもそも1銭、2銭の違いを気にしない "緩い" 個人投資家などから ”抜く” ことが主眼だったHFTだが、それも「指値」注文等で対策されればそれまで。「ゼロサム」で収益を垂れ流してくれる市場参加者が減れば状況は厳しくなる。最後はプロ同士の叩き合い。まるで「氷河期」に滅んだ "大型恐竜" の闘いのようであり、食べるものが無くなれば皆滅ぶ。結局生き残ったのは飢えを凌いだ "小動物" ばかりだ
ネットやSNSで情報が共有され、金融機関以外の個人や一般企業が徐々に「プロ化」するマーケットでは "大型恐竜" が相場を支配する事は難しくなる。この「損切丸」もその情報の一部だが、 ”手口” がばれればどんな大口の取引でも見透かされてしまう。特に短期売買の場合、必ず反対売買が為されるので「需給」要因はゼロ。100億円の売りが100万円の買いに負ける事もある。ウォール街から出て来るレポートの殆どが眉唾物なのはご存知の通り
「LTCM破綻」(1998)から「リーマンショック」(2008)を経て金融規制が強化され、「氷河期」に入ったはずの投資銀行業界だったが:
アジアから2人の「救世主」が現れ復活。「コロナ危機」(2020~)で再度壊れかけたが、日米欧による+2兆ドル強の "バラマキ" で「エルドラド」(桃源郷)が再構築された。結局「株本位制」のアメリカが金融帝国を手放すはずが無く、維持するためにあらゆる手を尽くした
だがそれも先行きが怪しくなっている
1つは "バラマキ" の「反作用」で起きた激しい「インフレ」とそれに伴う急激な「利上げ」。1980年代の「レーガノミックス」後に訪れたアメリカの大不況を想起させるが主因は@9~10%まで上がった「高金利」。今回は@5%程度で止まったが 「金利」@5%の威力|損切丸 (note.com) は後から冷や酒のように効いてくる。今はその瀬戸際かもしれない
米大統領戦の混迷やドイツでの極右台頭、あるいはウクライナやパレスチナで起きている「戦争」も不確定要素が世界的に拡大している事を示唆している。豊かな国(≓G7)だけ見ていると見えないが、世界的に貧困が広がっている証左で、「お金」がなくなればみんな暴れ出す
「儲け」を提供できるカウンタパートが減ればマーケットは叩き合いになるのが必定。「ドル円」と「日経平均先物」の自動売買もその結果起きている現象とも言える。こういう時肝心なのは「守り」。 "血に飢えた狼" に喰われる側に回ってはいけない。 "小動物" が生き残るにはリスクを回避し、 "大型恐竜" が倒れるのを待つのが賢明
これから米CPI(9/11)が出てFOMC(9/18)に突入する。▼0.25%「利下げ」で出尽くしでドルが買われるのか、それを見越してドル買いが入った後に "Sell the Fact" (事実で売れ)になるのか。いずれにしても相応のボラティリティーは避けられまい。我々 "小動物" はいかに「巻き込まれ事故」を回避するか、集中力が必要になろう
それにしても…。今のマーケットで「ドル円」「日経平均先物」と「ビットコイン」が動かなくなったらファンドや投資銀行業界はどうするのだろう。成熟した国債市場で大きく儲けるのは難しいし、ユーロやポンドでは商売にならない。株式市場の「エルドラド」も続くまい。退職した身ながらちょっと心配にはなる。まあ異常な「高給取り」が減るだけで、真の「投資」を時間をかけてじっくり手掛けるには良い環境にはなる
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