「円安」効果はどこまで続く? ー 「エヌビディア」も「ビットコイン」も「ドル円」も...
2024年の「投資」を引っ張っているのは紛れもなく「エヌビディア」。「マグニフィセント7」の中でも年+200%を超える運用成績は絶大 ↓ で、今年の相場動向はこの1社に左右されるといっても過言ではない。逆に言えばここが崩れると大変とも言える
一方2023年以降で比べれば+250%を超える「ビットコイン」↓ も凄い。年初来では+40%強に留まってるが未だに根強い買いが覗える。やはりETF上場が使い勝手を良くしており、その辺りはウォール街の目論見通り
割高感が伝えられるドル建資産だが2024年に「新NISA」という "神風" が吹く。日本人の大好きな「積立方式」は今の「AI」相場にマッチしており、定期的な買いを高速回転でレバレッジする相場が続く。これがあと数年続くとするといくら「割高」でもそう簡単に相場は崩れまい
日本からの「資金支援」を端的に表しているのが「円安」。「ドル円」は売られても売られても「買い」が執拗に入り、こちらもなかなか崩れない。結果として米国市場・ドル建資産をサポートしていることになる
国際比較をするとどうなるか
「日経平均」も悪くはないが+21%の名目値上昇の内+13%は「円安」によるもの。ただ最近では 執拗に売ってくる「日経平均」「円」(FX)ー 「AI」のアルゴリズム?|損切丸 (note.com) という傾向も見えるので「円安」との連関性には注意が必要
全世界の株式に投資する「オルカン」が人気なので米国株同様、独DAXや英FTも「円建投資」としては好調だ
ちなみにより広範な株を網羅したS&PとTOPIXはほとんど相似形 ↓
唯一スランプなのが不動産バブルが崩壊した中国株。「マグニフィセント7」の中で不調なテスラもその影響が大きい。「オルカン」でも中国株の比率を下げたがさもありなん
前稿.「実需」より「リスクポジション」の影響力が拡大するマーケット|損切丸 (note.com) で* "円の供給余力" について述べたが、これはまさにドル円がどこまで「円安」に振れるのか、にかかってくる
こういった「ドル」「円」の資金フローを考えると「円安」が進む間は「エヌビディア」も「ビットコイン」もしつこく押し目買いが入る。逆に言えば「ドル円」がピークを打てば ”逆回転” が始まるリスクもある。「AI」「HFT」(高頻度取引)でも「実需」の買いは重要。この点は昭和も令和も一緒でありマーケットの基本だ
この展開では "苦い経験" としてどうしても「グロソブ」(グローバルソブリン)↓ を想い出してしまう。あの時の宣伝文句がやはり「毎月配当」。「積立NISA」同様、月給制のサラリーマンが多い日本人は「毎月」≓「安定」と考えてしまいがち。そこに落とし穴がある
「上げ相場」の中の「毎月積立」は良い。だが「下落相場」での「毎月積立」はただの "ナンピン買い" (損失が出ている下落銘柄を買い続けて持ち値を改善しようとする取引行為)の繰り返しになってしまう。筆者も経験があるが "ナンピン買い" で上手くいくのは稀。大抵は「損したくない」という "感情" に流されて損失を拡大させてしまう
こういう声を良く目にするが、それはここ数年が「上げ相場」だから。確かに「インフレ」なので理論上株の名目値は上がる。だからTOPIXなどに連動するETFやファンドを買うのは1つの手ではある。だが相場に「絶対」はない。日経平均@40,000円超えでやっと20年来の「損」を取り返せた古株の株投資家もいるだろう。安易な「ガチホ」はお勧めしない。「戻るから大丈夫」と言っても「損」を5年、10年抱え続けるのは精神衛生上も良くない
毎年毎年変化し続けるマーケットでは「過去の経験」は絶対ではないが、それでも参考になるものもある。「必ず適正値に戻る」が筆者の信念だが、いつ、どこで、何がきっかけになるかまでは見極めにくい
「金利」の場合「中立金利」が議論になるのはその「適正値」を見極めるために必要だから。「金利」との比較からからFXや株価の「適正値」に言及するのもそのためで、だからベテラントレーダーほど「金利」を重視する
日本では投資尺度の基本となるべき「金利」が30年に渡り消失していた訳で、それでは「投資」なんて育つ訳がない。「異次元緩和」がもたらした最大の副作用でもある。7月には「利上げ」がありそうなのでこれでやっと日本は「ゼロ地点」。長い目で見れば「必ず適正値に戻る」。みなさんもくれぐれも "後悔" されませんように
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?