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「成功体験」が「相場」を支配する ー「✖(バッテン)主義」からの脱却
「あぁ~...」。思わず溜息が漏れた。「利上げ」どころか予想されていた「国債買取減額」も1ヶ月先延ばし。やっぱり出た「利上げしたくない病」
今回は米CPI(消費者物価)、PPI(生産者物価)共に下振れし、FRBによる9月「利下げ」に扉が開かれた事が災いした。「FRBが利下げするなら利上げしなくても...」。*相変わらずの他人任せ
*邦銀で7年間働いた筆者も理解できるのは、人事考課が「✖主義」ならこうならざるを得ない。トレードで何億儲けようと「加点」されず、失敗による「✖」だけが積み重なる評価システム。これなら何もしない方が「ゼロ」な訳でチャレンジして「減点」されるよりマシ。そして無能な人ばかりが偉くなる。現状の日本そのものである
いくら声高に「円安」牽制を繰り返しても「実行」を伴わなければマーケットは政府・日銀による「円安容認」と理解する。昨日(6/13)も一昨日(6/12)もドル円が売られる度に 思ったより分厚い「円売り」 ー 「介入」と「外為特会」と「米国債」 |損切丸 (note.com) に出くわした
今や「日銀政策決定会合」前の「円売り」は一種の「成功体験」としてFXに根付いており、今回もそう言う結果になった。フライイング気味に「円売り」を仕掛けたが、ここで日銀から「国債買取減額」1ヶ月先延ばしの思わぬプレゼント。ドル円は一時@158円台まで突っかけた(その後のドル金利低下に加え、植田総裁による「 減額する以上、相応の規模となるというふうに考えている」「7月会合までの情報次第で短期金利の引き上げは当然あり得る」発言により@157円台半ばまで反落)
まあこれで「新NISA」の「オルカン」もS&PもTOPIXも年初来+15~30%も資産が増加してホクホク。逆に「投資」リスクを取りきれずに「預金」を抱えている向きは資産を減らした。マーケットは「減点主義」ではないのでチャレンジした者だけが「対価」を得る
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「円売り」にしても「株買い」にしてもこうやって「成功体験」が積み重なればそれが「相場」となる。今のところドル円も株も「押し目買い」が一番の「成功体験」だ
ただ注意が必要なのが「成功体験」のサイクルは段々と変わってくる事。みんなが同じ事を始めると「相場」が崩れるのが早くなる。いくら好きでも満腹のゴリラはバナナを食べない。|損切丸 (note.com) 必ず ”先回り” をする奴が出て来る
それにしても日銀の「利上げしたくない病」はかなりの重症。これは筆者が現役の頃からそうだから「失われた30年」と丸かぶり。**一体どこを向いて金融政策を運営しているのか。少なくとも「国民」ではない
**「こんな時に利上げする馬鹿がいるか!!」。何代か前の日銀総裁が某・有力政治家に恫喝されて「ゼロ金利解除」を断念。「全く政治家って奴は!」と吐き捨てたという逸話を聞いたことがある。閣僚になるような政治家はやっぱり "怖い” のだろう。最近政治家の暴言・恫喝が暴露されているが「昭和」では日常茶飯事。国のトップでそんな事が横行すれば民間で不正やハラスメントが止まないのも当然だろう
2度「ゼロ金利解除」に失敗して もう「失敗」できない日銀。|損切丸 (note.com) なのは理解できる。「金利」@5%の威力|損切丸 (note.com) も十分認識しているし、FRBやECBから景気減速や「利下げ」見通しについてより精緻かつ具体的な情報も得ているのだろう。だがこの主体性のなさはいただけない。「円安」も「インフレ」もあくまで日本の事
「財政健全化至上主義」の名の下に異常な低金利を放置すれば「円安」という重い「インフレ税」が国民にのしかかり「財務省栄えて国滅ぶ」。「円安」「増税」「社会保険料負担増」のトリプルパンチでは、いくら「預金」が多くて我慢強い日本人でも限界。他国ならとうに暴動が起きている
現首相や日銀総裁の功績といえば "検討使" で何もしなかったこと。結果として起きた「超円安」「インフレ」は国民を追い詰め「変化」に繋がろうとしている。これをわかって演じているとしたら相当の策士だ(苦笑)。「新NISA」等の「投資」も「変化」だしドル円の「キャリートレード」もそう。「成功体験」が「相場」を支配する
これで選挙の投票行動が「変化」して政権交代が起きれば地殻変動が起きそう。前回与党を引きずり降ろした時は「成功体験」にならず「失われた30年」に陥ったが我々「生活民」も我慢が必要。ここは「✖主義」ではなくチャレンジによる「加点主義」。リスクを取らなければ「対価」は得られない