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繰り返される「お金の戦争」- 世界は繋がっている

 2017.4.7. 「たった今、59発の巡航ミサイルをシリアへ発射した。あなたに知らせたかった」

 これはトランプ氏が前政権時代に、事もあろうか、氏の別荘「マール・ア・ラーゴ」中国の習近平主席と米中首脳会談中に起こった出来事。習氏は10秒間沈黙し、もう一度聞き返したという。2018.4.13. にも英仏との共同作戦で空爆が遂行されており、やはり「任務完了!」とツイート。この辺りがさすがの独裁者でも "彼" に恐れを抱く一因になっている

 そのシリア現政権が反政府勢力の攻撃で窮地に立たされている。一体何が起きているのか

 日本の「世界史」の授業ではこの辺りの歴史にあまり時間を割かない(敢えて言えばメソポタミア文明か)、調べてみると色々興味深い。今のシリアに深く肩入れしているのは実はロシア。どうしてだろう

 標題添付の地図を見て頂ければ判るのだが、トルコと共に中東とヨーロッパを繋ぐ要衝にシリアは位置する。仮にここを欧米が抑えるとどうなるか。原油やガスのパイプラインを敷けばヨーロッパのエネルギー供給は安定するので、これは同じくエネルギー資源を食いぶちにしているロシアには都合が悪い。だからあれだけ政治・軍事介入している

 そういった事情からドイツを抱き込んでガスのパイプラインを敷こうとしたのだろうが「ウクライナ戦争」で思いの他ヨーロッパが介入してきて破綻。エネルギーの ”ロシア外し” が進み、先頃唯一SWIFTに残していたガスプロムバンクを外したのはそういう流れ。シリアの重要性は低下した

 ウクライナとの戦況では優位が伝えられているロシアだが(プロパガンダも相当流れ込んでいる)、膨大な戦費が嵩み 「ルーブル」 ”静かなる暴落” vs 「円」 ”静かなる買い戻し” |損切丸 など「お金」の面での苦境が明らかになっている。これ以上シリアに肩入れしている余裕などないだろう

 もう一つ興味深いのはイスラエルとの関連。メディアではやたらと人道的なことばかりあげつらっているが、今回のシリアの件、レバノンの「ヒズボラ」が壊滅的打撃を受けた事が引き金になっている。これでサポートを失った政府軍が後退を余儀なくされ、そう考えてくると例の「ハマス」による急襲、わざとやらせたのではないかという疑念が湧いてくる。ゴルゴ13によく出てくる「モサド」という有名な諜報機関の情報収集力は凄まじく、事前に動きを掴んでいたとの情報もある。だとすれば「真珠湾」と似た構図で、最終的には「ヒズボラ」叩きが目的だったのかとさえ思えてくる

 そもそもこういった中東の混乱の元凶は、ユダヤとパレスチナ両方に "いい顔” をしたイギリスによる「バルフォア宣言」(1917)と言われている。結局ここにも欧米の影がちらついており、こと「お金」に関して国家権力というものの空恐ろしさをいつも感じさせられる。言い方は悪いが一般庶民の犠牲など意に介さないのかもしれない

 こういう流れの中起きた韓国の「戒厳令」。筆者にはシリアでの出来事と無関係とは思えない。米中の2陣営による対立が激化する中、攻められた側は当然反撃に出る。東アジアでの揉め事に日本が巻き込まれれば欧米陣営にも相応の影響が出る。そう、世界は繋がっている

 一見無関係に見えるFRBの「利下げ」日銀の「利上げ」、あるいはビットコンの乱高下なども「お金」に焦点があたれば違った面も見えてくる。どの国も 嫌われる「お金」- "借金で首が回らない" ?|損切丸 の状況の中、何が自国に利するのか、冷徹な判断が働いている。そうするとロシアがBTCを賞賛する "裏" は何なのか - 推進姿勢の米新大統領との ”ディール" か、それとも紙切れになりつつある「ルーブル」を見限っているのか。シリア情勢や韓国のことも併せて考えると薄気味悪い

 歴史が証明しているのは、「お金」の面で追い詰めすぎると暴発 ≓「戦争」が起きてしまうこと。特に「インフレ」は「暴力」を誘発しやすい。今は非常に危ういバランスの上で世界情勢がうごめいており気が抜けない。そこに 「トランプ2.0」の衝撃Ⅲ - アメリカは「鎖国」に向かうのか?|損切丸 投資銀行もヘッジファンドもトレーダーも荒稼ぎを狙う反面、ガード(守り)も上がってくる

 トップレベルの情報は当然政府上層部には流れてくるし大手企業や金融機関も共有する。世界情勢は複雑怪奇。それらを反映するのがFXであり株式市場、今なら暗号資産も入る。「お金持ち」以外の小市民には世界各地の動きを好奇心と注意力を持って連関性を探る想像力も求められる

 証拠も無いのにこんな note. を書いている「損切丸」も見方によっては "戯言" に過ぎないわけだが、それでも「推定」は大事。それで間一髪難を逃れる事もある。あとは「仮説」と「実証」の繰り返し。つまり言っている事が当たるかどうか”陰謀論” を吹聴するつもりなどさらさらないが、結構 "勝負" して書いているんですよ(苦笑)

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