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トランプ Surprise - @アメリカ 「カラータイマー点滅」で繰り出される「スペシウム光線」
筆者はウルトラマン世代なのでこんなタイトルになって恐縮ですが...(もう一世代前なら「水戸黄門」と「印籠」か)トランプ大統領、さすがにアメリカの商売人なのでマーケットを熟知しており、いつもの事ながら株価に「カラータイマー」が点滅すると絶妙なタイミングで「スペシウム光線」を繰り出してくる。今回は9月実施予定の対中関税のうち、携帯電話、パソコンなどを延期するという。各市場の反応を総括してみよう。
1.株価
私見だが、チャートを見ても( ↓ )ここで下落が進むと売りトレンドに転換してしまう微妙な局面にさしかかっていたのは事実。おそらく現状ではNYダウで26,000ドル、ナスダックで8,000ドルぐらいを1つの目処としているのではないか。市場を熟知したスタッフも揃っていそうである。
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なお、米国以外の株価、日経や独DAX、英FT、アジア株などには基本的に無関心なので、他国は振り回されているだけである。
2.ドル金利(米国債金利)
一部関税延期の方を受けて直近の0.50%利下げの思惑が後退、2年債などを中心に金利が上昇。逆に10年債など長期金利は低下し、典型的なイールドカーブのフラットニングが起きた。ここまで極端な動きも珍しい( ↓ )
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この1か月で10年債金利は0.46%も低下し、2-10年の金利差は0.24%も縮小している。これははなかなかの大相場である。8月7日の投稿(「仮想通貨への地平線」)でも触れたが、今回の金利低下局面、どうも従来の景気減速などの要因に法定通貨の減価も加わっていると筆者は見ており、歴史的転換点になるかもしれない。実質金利の低下が凄まじい勢いで進んでいる。
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3.為替市場、アジア市場
105円台前半からおよそ1円急反発したドル円もなかなかだが、注目を浴びたのは韓国ウォンだろう。筆者も前稿で書いた直後の動きにやや驚いているのだが、米国市場が開く前に一時@1223まで飛んでいたドル/ウォンが@1205まで急速に戻した。ヘッジファンドなどが仕掛けていた部分(ウォン高円安への極端な反動を見ると仕掛けはウォン/円の売りだったか?)もあったので、突然の「スペシウム光線」に慌てたのかもしれない。
ただ「光線」はあくまで米国限定。やはり、というかアジア市場の反応は総じて淡白である。日経平均を始め、アジアの株式市場の反発は限定的だ。せっかく戻したウォンだが、アジア時間でのウォン売り圧力が強く、@1205から@1213まで急速に戻してしまっている。
一説には、韓国の富裕層が資産をウォンからドルや円、ユーロ、果ては金や仮想通貨に移し始めている、という話も出ている。今回のウォン安が国内発であるなら危機は本物であり、問題の根深さを痛感する。やはりどの国でも「お金持ち」は考え方が違うし、資産防衛に関しては機を見て敏である。(拙著「お金のマニュアル」其の6 お金持ちの理屈 ご参照)アルゼンチンも選挙絡みで通貨が暴落して大変な事になっているらしいが(あの国もデフォルト常習国!)、どこもベネズエラのようにはなりたくないのだ。
そしていつも取り残されるのは一般庶民。歴史は繰り返す。金額は富裕層ほどではないかもしれないが、我々一般庶民も資産防衛の努力はできるだけした方が良い。最初はベネズエラ、アルゼンチンと弱い国から始まって、今や韓国や中国にまで波及しつつある。起こっているのはインフレ。関税や消費税も形を変えたインフレだし、今後G7などの先進国に波及してこない保証などどこにもない。まして各国政府が望んでいるならなおさらである。