"保険" を掛けて勝負に出たFRB。ー 「インフレ」>「景気」「信用収縮」の明確化。
勝負に出るFRB。ー 気になる「中国」「原油価格」の異変。|損切丸 (note.com) からの繋がりで。
某投資会社から昨日のパウエル議長の記者会見についてこういうコメントがあったが、ウォール街には戸惑いと失望が渦巻いている。
今回のFOMC声明文を読むと、内容はほぼ前回を踏襲。やはり非農業部門雇用者数(NFP)が目処となる+20万人を大きく上回っている事などが引っ掛かっているのだろう。そう言う意味で 燻る「インフレ」の ”種火” 。|損切丸 (note.com) は十分理解しているようだ。
問題はその後の記者会見。「利上げ」停止の理由を明言すると期待していたのに、逆に「利上げ」再開という "保険" を掛けられてしまった。FED Dod Plot( ↑ 標題添付)を見ると年内は「利下げ」どころかあと2回の追加「利上げ」の意見が大勢。完全に肩透かしをくらった。
年内「利下げ」はほぼ消滅していたため1年以内の金利はそれほどダメージを受けなかったが、2年ゾーンが大きく売られた(金利は上昇)。こうなると不用意に@5%以下の米国債には投資にいけない。短期中心に@4%以上利回りが確保できるMMF(マネーマーケットファンド)が依然有力で、それ以下の金利に設定されている「銀行預金」は(大手銀行を除けば)かなり苦しい ≓「信用収縮」(クレジットクランチ)が続く。
やはりアメリカでも「銀行の時代」は終わりつつある。
「投資銀行業務」の名の下に「高給」を保ってきたが、頼みの綱だった株式市場と共に "梅雨入り" 。「利下げ」しないと株価は上がらない?|損切丸 (note.com) にも配慮して貰えず、目の前で起きているクレジットクランチよりも「インフレ」最優先。オルタナティブ(Alternative、代替投資)として育てようとしたビットコインなどの暗号資産や原油などのコモディティ(商品市場)も空振りに終わっている。
*時代の変わり目と言ってしまえばそれまでだが、過去20年日本で起きた変化と同じ様な軌跡を辿っている。ここでも「ゼロ金利政策」や「量的緩和政策」(QT)同様、 "周回遅れ" と見られていた日本が気が付けば先頭に。 「”怖い” 金融庁検査」ー 「半沢直樹」の現場・時代から。|損切丸 (note.com) に代表される昨今の「コンプライアンス」ブームも日本が先だった。「少子高齢化」の進捗の差かもしれない。
それでは「銀行の時代」が終わって先頭に立つ日本はどうか。
こちらは壮大な「インフレ」実験に乗り出しているようにしか見えない。
確かに「インフレ」渦のアメリカと不良債権問題で「デフレ」圧力に直面する中国にモロに挟まれる日本は微妙な立場。FXではFRBの「利上げ」停止を受けて「ドル高相場」の終焉が見えてきたが「円」は別。何しろ圧倒的に低い実質金利、e.g., 10年JGB@▼4.31%<米国債@▼0.20%、でドル円は@150円コースに戻っている。
1,100兆円もある「円預金」は目減りが続いており、それに気が付いた一部の人達が株や不動産に「お金」をシフトさせ始めている。直近の日経平均の爆騰はその結果だろう。まさに日本国民と政府の ”チキンレース”(崖に向かって車で走り、早くブレーキを踏んだ方が負け、という命懸けのレース)の様相。先にブレーキを踏むのはどちらか。両方とも海にドボンは見たくないので、できれば早めに日銀にブレーキ≓「利上げ」を踏んで欲しい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?