ドル ≓ ユーロ ≓ ポンド > 円に?
ユーロ円がドル円と同じ価格になる日。|損切丸|note から2年以上かかったが、再度ユーロがパリティ(1ユーロ=1ドル)に近付いている。1992年の欧州通貨危機、ポンド離脱など難局を乗り越えて1999年に発足した当時が@1.1300程度。その後2002~2003年の一時期パリティ割れになったが、それ以外は一貫してドルより高いレートで推移してきた。
特にドイツがメルケル首相(2005~2121)になってから、ユーロは対ドルで高くなり一時@1.6000に接近、「交易条件」の悪化に苦しめられてきた。彼女の「アメリカ嫌い」は有名であり、「ユーロ高」は差し詰め「アメリカの嫌がらせ」と言っていい。この間ヨーロッパは中国に傾斜していくわけだが、今まさかこんな状況に陥るとは夢にも思わなかっただろう。
エネルギー危機による ”リセッション” を今のユーロ売りの主因としているようだが、それはアメリカも一緒。双方とも「利上げ」に動いており、ユーロのパリティ接近は "別の事情" ー おそらく「仲直り」が主因だ。これだけ欧米の「一体感」が生まれるの第2次世界大戦以来だろう。
加えて閣僚辞任が続くなど政治的に揺れているイギリス。今のポンド売りの要因とされているが、どうもそれだけではなさそう。戦争をきっかけにBREXIT(@2020.2)以来険悪だった欧州とも和解の空気が流れており、ユーロ ≓ 英ポンドもパリティに向かっているのは偶然ではなかろう。米英欧は「仲間」なのだから「交易条件」で揉める必要は無くなっている。事実ポンド安のお陰で英FT指数は主要株式市場の中で最もパフォーマンスが良い。
ドル ≓ ユーロ ≓ ポンドを「1つの通貨圏」とする構想なのではないか。
ちなみにスイスフランもほとんどパリティ(≓@0.9700)だ。
さて 続・「インフレ」攻防戦。ー "リセッション" で「インフレ」解消?|損切丸|note で ”リセッション” に異議を唱えた「損切丸」だが、米国債市場がさっそく証明してくれた(苦笑)。勢いに乗って米10年国債は@2.77%まで突っかけたが、 ”リアルマネー” の厚い壁に阻まれた。相場は一気に崩れ金利は@2.93%まで上昇。
やはり「金利」は ”超・現実主義者” 。ウォール街の仕掛けた ”リセッション運動” に煽られて米国債を買ったりはしない。それどころか、昨日の動きを見ると10年@2.8%台で大量の「利食い」が出た可能性もある。6月FOMC議事録は後講釈に過ぎない。年初にも「金利@2%上限運動」を展開して失敗しているのに本当に懲りない連中だ(苦笑)。「損切丸」は政策金利@4~4.5%の見方を変えておらず、その辺り感覚的ズレはない。
WTI(原油)は "順調に" 下げている。これを一時的バブルの修正と見做せば、 ”リセッション” どころかむしろ景気にはプラス。 「ルーブル」の ”リアル” Ⅲ。ー 全力で繕ってきた「プロパンダ」も限界? ガスプロムの「無配転落」が示唆する事。|損切丸|note や戦争の行方を見据えて、そろそろトドメを刺しにいった可能性もある。適正値と見られる@60~70ドルまで下げれば戦争継続は困難になる。他の産油国にとっては原油が高すぎて需要が減退しては元も子もないので渋々でもついていくしかない。
問題は日本。これで日銀も「利上げ」に動けば、↑ の ”パリティ同盟” に加われるのだが、*財政余力のあるヨーロッパと違い「借金過多」で余裕がない。「預金大国」の1,000兆円ものリソースも使い切ってしまい、然るべき対応が何年か遅れるのは必至。安全保障政策も「まあ日本だからしょうがない」と思われているに違いないし、(白人種でない事もあり)「中国」に肩入れしている政治勢力が一定数あることも警戒されている。
半年で▼20%近く「通貨安」=「交易条件」の改善が見られるのに、一向に「円高」反転の気運が高まらない。国内から見ても国外から見ても「現状維持」が既定路線であり、このままでは「円」の「信用」がボロボロになる。|損切丸|note 一直線。
何人も死んでから推理を始める名(迷?)探偵のようなカウンターアクシションではなく、将来価値にプラスの変化をもたらす "Forward Looking" な政策転換が望まれる。幸い**明確なビジョンを持った「Z世代」も台頭しつつあり、せめて彼らの邪魔をしないようにしたい。
日銀の金融政策も然り、やるべきは面子を保つ事ではなく間違いを改めること。一時が万事、このままだと「失われた50年」になりそうで危機感を覚える。「この紋所が目に入らぬか!」と揉め事の後に "印籠" を出されてもどうしようもない。「円安」は重要なサインであり、どうやったら1ドル=@100円で ”パリティ同盟” に参加できるか、考えるのも1つの方法だろう。