FRBの「ターミナルレート」は一体何%になるのか?
昨日(10/28)米国債で画期的な動きがあった。売り基調の中、筆者の手元記録 ↓ では2022年9月以来の2年債>5年債の「逆イールド」が解消
その後7年債入札でしっかりとした「実需の買い」が確認され怒濤の買い戻し。2-5年は「逆イールド」に戻っている。金利水準が節目とされた10年@4.25%、30年@4.50%に達し、 "リアルマネー" の一部が買いに動いた
一体FRBの「ターミナルレート」は一体何%になるのか?
今回買いは入ったものの、満期保有の金利投資家としては金利水準は高ければ高いほどいい。「利下げ」の終着点=「ターミナルレート」も依然@4%止まりとの見方が優勢で、TIPS(物価連動債)を見ても「インフレ」見通しは高止まりしている ↓
やはり勝負を決するのは米経済指標。11/7のFOMCに向けて特に明後日の雇用統計が決定的だろう。ISM指数も補完的役割を果たす ↓
今回の米国債の動きで 続・「金利」は「投資」の最大のライバル|損切丸 で想定した株などの「インフレ」資産 →「金利」への "マネーシフト" が始まったと見る事も出来きるが、依然 「お金」が信用できない? - 鍵は ”希少価値” |損切丸 の不信感は強い。*「金」(Gold)や「ビットコイン」(BTC)への強い買い意欲が継続しているのもその証拠の1つ
こういう大規模な "マネーシフト" が起きる時、マーケットは不安定化しやすい。「ドル円」や「日経平均(先物)」はまるで "嵐の中の枯れ葉" 。ただ「イールドスプレッド」がS&P>10年米国債の逆転という異常事態が続く中、「円安」も伴って相対的に「日経平均」の割安感は続いており、「インフレ」が続く限り "リアルマネー" にとっては1つの有力な "オルタナティブ" (代替資産)として成立している
米国債と違って「利上げ」が遅れているJGB(日本国債)は金利水準が低過ぎてまだまだ "オルタナティブ" にはなり得ない。名目金利が@1%以下の10年債など問題外
「インフレ」とか「雇用」とか経済の基幹指標とは別に「ブラックスワン」(黒い白鳥。マーケットと起きる突然の異変を指す)はやはり「戦争」。中東も東欧も「独裁者」にとっては負けたり途中で止める事は大袈裟でなく自らの「死」を意味する。そう考えるとすぐ戦火が止むとは到底考え難く、筆者は「金」やBTCの相場をその "逆写し" として捉えている(「戦争」が本当の終わりに近付いた時急落するだろう)
お隣の大国も低迷する株価を支えようと必死だが、我が国が経験したのと同様、不良債権処理には膨大な時間がかかる。その点地理的にも近い「日本」は恰好の "オルタナティブ" なわけで、30年程前に不安定な中東情勢を嫌ってオイルマネーが流れ込んだ「ロンドン」と今の「東京」がダブる。 先週「渋谷」で見た 続・「東京」は別世界? ー やって来るか「日本の時代」|損切丸 の状況はまさにソックリ
日本の「分かれ道」 - 衆院選後のマーケットの反応 @28 Oct 24 |損切丸 で与党が過半数割れして政治の不安定化が懸念されているが、筆者はかえって良い事だと捉えている。いくら ”理想の共産主義国家” (ある共産国家の人が日本を見て残した語録)と言っても、何でも強行採決や閣議決定で決まった事自体が異常。代表例が国会の議決も経ずに急上昇した「社会保険料」であり、これでやっと「正常」に戻る。「低金利」然りである