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さあどうする?「ドル建資産」 - 「金利」が上がれば通貨が買われるとは限らない

 ” Hawkish Cut" (タカ派的利下げ)

 FOMCを直前に控え、数日前にロンドンの友人が教えくれた言葉だが、なるほどこういう事だったのか。欧米市場では既に囁かれていたのだろう

 これで「利下げ」はせいぜい▼0.25%あと1回"FED Dot Plot" ↑ を見ても2026年には「利上げ」を考えなければいけなくなった。 イールドカーブはきれいな「順イールド」(長期>短期金利)に戻り、「金利」は「投資」の最大のライバルⅢ -「利下げ」が止まれば国債を買う動機は失せる|損切丸 がより明確になるだろう

 興味深いのはFX(外国為替市場)。確かに「ドル高」に振れてはいるが頭が重い「損切丸」でも何度か書いているが、これだけ米国株も米国債も売られるとFXの「キャピタルゲイン」(売買益)<米株・米国債の「キャピタルロス」の懸念が高まってくる。日本なら「新NISA」の「オルカン」(オールカントリ-)もそうだが、 ”売り時” を探ることになるだろう。「ほったらかし」なんてとんでもない

 「金利」が上がれば通貨が買われるとは限らない

 ▼3%程度下げた「ナスダック」や「S&P」に比べれば▼1%程度の下落で済んでいる「日経平均」「TOPIX」は底堅いとも言えそうだが、おそらくこれは今日(12/19)の日銀政策決定会合における ”サプライズ利上げ” に備えてヘッジ売りが嵩んでいるから。この理屈は「ドル円」も一緒

 ウォンも安値を更新していることから今日の ”サプライズ利上げ” はなかったが、このFRBに関する表現を使えば1月の ” Dovish Hike" (ハト派的利上げ)を植田総裁が示唆することになろう。 "韓国危機" が続いている事から難しい表現になりそうだが、1月も「利上げ」無しを明言してしまうとドル円が一気に@160円に向けて突進しそう。依然 "綱渡り" が続く

 そしてこの ” Hawkish Cut" の影響は「円キャリートレード」にも及ぶ

 主役であるヘッジファンドの目は「日銀」に注がれてきたが、この「米株・米国株安」の流れが「ドル安」に転じた場合には大きな "逆風" になる。グローバル投資家 ≓ 世界の「お金持ち」や「新NISA」が「売り」に転じた時の影響は計り知れない。この辺りはFRB日銀も気にしている

 さあどうする?「ドル建資産」

 そして更に大きな問題になりそうなのが「デフォルト予備軍」「ウォン」も心配だが、中国寄りのBRICS各国とその周辺は「お金」が足りず「通貨安」に見舞われている+1%もの ”サプライズ利上げ” を余儀なくされたブラジル、 「ルーブル」 ”静かなる暴落” vs 「円」 ”静かなる買い戻し” |損切丸 のロシア、そしてアジアではタイやベトナムの様子もおかしい。つまり「中国危機」が世界中に伝播している

 「米中対立」はいわば 繰り返される「お金の戦争」- 世界は繋がっている|損切丸 このタイミングでの "トランプ大統領の再登板" は "必然" か、あるいは "歴史の皮肉" か。相手が潰れるまでやるのも結構だが相当の返り血は覚悟せねばなるまい。 "Year of Dragon" (辰年)の後の "蛇年" 2025年は激動の年となりそう。ちなみにヒストリカルな株の騰落率は+13.4% ↓ で歴代6位。まあ「中立」というところか

 我が国も平穏とはいかなそうせっかく国民の政治参加の気運が高まった「103万円の壁」問題も与党が「123万円」で突き返した事で暗雲が垂れ込めている。これはおそらく財務省に対する「誠意」などではなく、議論が予算全体、もっと具体的には「社会保障改革」に及ぶのを恐れているから。「老人票」「I師会」などの組織票が減って困るのは与野党とも一緒。理屈では判っていても40兆円もの「医療費」に切り込む気概のある政治家は見当たらない。み~んな「当選第一」

 ただここで選挙民が投票行動で "意志" を示さないと冗談抜きでこの国は終わる。 アルゼンチンが示唆する「日本の未来」|損切丸 のルートに乗ってドル円が@170円、180円と走ってしまえば打つ手が無くなる。 蠢く「お金」- 追い込まれての「利上げ」など最悪|損切丸 ならトルコやブラジルの二の舞後追いの金融政策はほとんど効果が無い

 「インフレ」は人を凶暴にする。このところ立て続けに起きている「闇バイト」による強盗や「通り魔切りつけ事件」生活苦が原因であり、いかに我慢強い日本人でも限界に達している。60歳以上が多数を占める議員や首長が「シルバーデモクラシー」に阿るのは仕方がないのかもしれないが、これ以上の「現状維持」は事態を悪化させるだけ全ては個人個人の意識次第。この国が変れるかどうか瀬戸際。もうさして時間はない


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