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米国経済本当に弱い?Ⅲ ー 恒例 "雇用統計祭り" 再び

 続・米国経済本当に弱い? ー 毎月恒例 "雇用統計祭り" (苦笑)|損切丸 からの続編

 9月米雇用統計: 失業率 4.1% 予想 4.1% 前月 4.1% 
 非農業部門雇用者数(NFP、Non-farm Payrolls) +1.2万人 予想 +23万人 前月 +23.3万人 ← +25.4万人
 平均時給(前年比) +4.0% 予想 +4.0% 前月 +4.0%

 9月ISM製造業PMI 46.5 予想 48.0 前月 47.2
 *雇用 44.4 予想 40.2 前月 43.9
 *新規受注 47.1 予想 45.3 前月 46.1
 *仕入価格 54.8 予想 51.0 前月 48.3

 「米雇用統計」が世界が注目するほどご立派な指標でないことは経験上熟知しているが、ハリケーンとストの影響があったとはいえ大統領選直前のこのタイミングでNFPが+1.2万人は酷い(苦笑)。まるで「利下げ」の免罪符。何か "恣意的なもの" を感じるのは「損切丸」だけではあるまい

 9月ISM製造業PMIも合わせて見るとそれほど米景気が悪いとも決め付けられないが、米国債は短期ゾーンを中心に反発(金利は低下)。年内▼0.25%「利下げ」× 2回のシナリオも復活している。ただし5年超の長期ゾーンは "恣意的なもの" のせいでその後急反落

 調整地合にあった米株価は金利低下を受けて当然のように反発。FRBも米政府も "マネーシフト" -「お金」の行き先|損切丸 の理屈は骨の髄まで知り尽くしており、大統領選勝利を目指すなら株価下落はどうしても避けなければならない ≓ "恣意的なもの"(?)

 一方  の株価の乱高下を見ると、特に最近の急反発は 「トランプトレード」は始まっている|損切丸 の再スタートを示唆。「インフレ抑制」vs 「利下げ」「減税」とまるで一時のトルコ大統領のような無茶を公言米CPIが+4~7%も嵩上げされると言う試算もあり、マーケットが「インフレ」再沸騰に警戒するのは当然だろう(もっとも "あの御仁" は実務となるとリアリストに変貌するので、当選後に実際どう出るかは不透明)

 その辺りはジワジワ上昇する物価連動債のBEI(予想物価率)が示唆 

 「ドル円」を@152円割れまで叩き売った”お祭り” 好きもその後踏み上げにあって気が付けばもう@153円目前「金利」連動型のFX売買もその法則性が崩れつつある

 ” 「利上げ」を急がなくて良くなった” (?)

 安心したのも束の間、日銀も難しい舵取りが続く再度@160円超えを未然に防ぐなら@155円辺りが「利上げ」の1つの目処となりそうで、財務省の「ドル売り介入」も含めた対策を練ってくるだろう

 ただ "Great America Again!" の "あの御仁" が再登板となると全てがひっくり返るラストベルト(Rust Belt=赤錆、アメリカ中西部で使われなくなった工場や機械を表現)の雇用復活に重点を置いているので「円高」圧力を加えてくる可能性が高い。日本サイドから戦略的に考えれば、平均@115円近辺で買ったドルの利益確定を図る意味でも「ドル売り介入」が「利上げ」より先に来ることになるだろう

 これで11/7FOMCでの▼0.25%「利下げ」はほぼ確定だが、あとは大統領選挙次第「ドル安」路線に大転換するならFRBも「利下げ」に躊躇せざるを得まい。CPIがまた+5%、+6%と再上昇する事態に陥れば「利上げ」まで必要になり、10年米国債が@5%越えなんてことになれば「金利上昇」→「ドル買い」の法則も崩れる「実質金利」が急低下するからだ。トルコリラ(円?)のように「インフレ」通貨は売られるのが歴史の経験則である

 最近の米国債の激しいスティープニング ↓(長期>短期金利の傾斜化)を見ていると 「お金」の値段 ≓「金利」が安過ぎる! ー 日銀の「ターミナルレート」は?|損切丸 の確信が深まってくるが、 ”最安値” 日本はどうするのか、非常に心配米大統領選を挟んで政局不安のある日本も不安定要素満載「金利上昇」は "嵐の前ぶれ" か。目が離せない相場が続くので、ここは目を背けず我慢して注視していく必要がある

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