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続・「東京」は別世界? ー やって来るか「日本の時代」

 「東京」は別世界? ー もはや「日本」の物差しでは測れない。|損切丸 の続編

 もう何年振りだろうか。「コロナ危機」後、特に用も無いので足が遠のいていたが久しぶりに「渋谷」に出向いた。平日の昼間だというのに何だこの人出は! しかも半分以上は外国人。街中を歩けば英語のみならず、中国語(北京、広東)、マレーシア語インド語(?種類までは判らない)で溢れている。中にはアフリカ系も混じっているようだ

 前編では「新宿」を例に挙げていたが「渋谷」もまた異次元。より幅広く観光地化が進んでいる。  ”スクランブル交差点” も筆者が20年前にロンドンの同僚を連れてきた時に「(合戦シーンの)黒沢ムービーみたいだ」と驚いていたが、今や立派な観光地。ニュースでは見聞きしていたがまさかここまでとは正直思わなかった

 20年前と比べて大きく変化したのはやはり「円安」ドル円が@100円そこそこだった時は「日本は高くていけない」とよく言われたものだが、それも今や@150円▼50%も値下がりすれば、そりゃー状況は激変する

 筆者にはやはり30年前の「ロンドン」が辿った軌跡とダブって見える。「ポンド安」をきっかけに近隣国から観光客が殺到し、歴史的に関係の深い中東から「お金」も押し寄せた。結果地価が高騰。今の「東京」同様、「もうイギリス人(日本人)には手が出ない値段」になってしまったが、その後も上がり続けている。日本に押し寄せているのは華僑資本。どちらも桁は数百億円から数千億円と巨額

 おまけに「食」に関しては「東京」が断然上「寿司」「天ぷら」は言うに及ばずNYやロンドン等では一杯@2,000~3,000円もする「ラーメン」、そして筆者がずっと "推していた" 「トンカツ」もブームになりつつある。海外の観光客にしてみれば、みんな半額程度で食べられるため満足度も高かろう。筆者は「東京」が世界一の "食都" と思っている。日本食に限らずこれだけ多様な食べ物を高いレベルで提供出来る都市はない

 日本国内では「少子高齢化」や「低賃金」から将来を悲観する意見が強い。 混迷した与党総裁戦と「円高」 ー "ネット世論" の怖ろしさ|損切丸 等々政治的な問題も抱えているが、筆者は全く逆の感じを抱いている

 ここから「日本の時代」がやって来るのではないか

 ポイントは「ソフト」アメリカの世界覇権にハリウッドなどの映画産業が大きく貢献したが、今や音楽も映画も 「憧れのアメリカ」の終焉。ー「音楽」「映画」等のソフト産業の変遷と共に。|損切丸 続・「憧れのアメリカ」の終焉 ー 「アジアの時代」到来か?|損切丸 と思わせる状況が生まれている

 代表例は「アニメ」だろう。今や日本アニメは世界を席巻しておりファン層は世界中に拡大。これに相乗りする形で主題歌などが人気化。海外のコンサートで「日本語」で大合唱が起きるなど10年前なら想像もつかなかった。アメリカのポップソングの英語の歌詞を一生懸命コピーしていた「損切丸」にとっては隔世の感がある

 「食」「アニメ」に共通するのはクオリティーの高さ。元々の "職人気質" のせいもあってその "作り込み" は海外では考えられないハイレベル。おまけに「安い」。これで流行らないはずはない。国連でアニメーターの低賃金が指摘されていて「お金」に疎いのが玉にきずでもあるが、逆にそこが日本の良さなのかもしれない。まあもう少し儲けてもバチは当るまい

 これにSNSが後押しする。マーケッティングが下手くそな日本人にとって、勝手に口コミで拡散するSNSは "金棒" 。今や昭和歌謡もマイナーな漫画も海外で火がつく事も珍しくない。「時代」は日本の味方になりつつある

 それだけ魅力的な「日本」がなぜ「円安」なのか? 甚だ疑問でもあるが「損切丸」的な答えはシンプル。「実質金利」が低過ぎるからだ。その結果「円キャリートレード」が起こるのは合理的なマーケットの動き

 30年近く ”寝た切り” ≓「ゼロ・マイナス金利」が続いたため、リハビリに2~3年かかるのはやむを得まい。ただ「日本」「円」への需要が正しく反映されれば@100円は無理でも@120~130円台までの戻しは十分有り得る。ちなみにJGB(日本国債)の金利は既に2013年の水準を上回っている

 自虐癖のある日本人はとかく悪い方に考えがちだが「食」「アニメ」等への世界的評価に鑑みればそれ程悲観する事もない「お金」に緩い点は改善の余地があるが大事なのは「渋谷」の街に見られるような "世界的視点"やって来るか「日本の時代」。今回の選挙もその試金石になるだろう

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