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米国経済本当は強い?弱い?Ⅴ ー 「ドル円」と「ビットコイン」の相似性
米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com)
続・米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com)
米国経済本当は強い?弱い?Ⅲ|損切丸 (note.com)
米国経済本当は強い?弱い?Ⅳ|損切丸 (note.com)
と米雇用統計発表の度にシリーズで追っている続編
6月米雇用統計:
非農業部門雇用者数(Non-Farm Payrolls、前月比)
+20.6万人 予想 +19万人 前月 +21.8万人 ← +27.2万人
失業率 4.1% 予想 4.0% 前月 4.0%
平均時給(前年比)+3.9% 予想 +3.8% 前月 +4.1%
やっと、と言うか…。 続・押し寄せる「利下げ」の "波" ー だが長期国債の「需給」は...|損切丸 (note.com) で書いたISM指数やADP雇用者数と雇用統計の内容が整合的になってきた。1~2年米国債の金利低下幅を見るとFRBによる9月ないし11月の「利下げ」開始は大分 "現実的"
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「ドル円」は一時@160円台前半まで突っ込んだが、そこから執拗かつ猛烈な買い戻し。+3~5銭勢いよく値を飛ばして上がるがそこからダラダラと "重力的落下" 。「AI」に「HFT」(High Frequency Trades、高頻度取引)、それにファンド等々「ドル円」が下がってはよほど困るのだろう。いくら好きでも満腹のゴリラはバナナを食べない。|損切丸 (note.com) 的にいえば、リスクテイカーの80%以上が「買い持ち」ならあとは落ちるしかない。売る人ばかりになるからだ
同じ様なパターンは「ビットコイン」にも見られる。共通項はこの2年マーケットの ”稼ぎ頭” だった事。*押し目買い ≓ ”ガチホ” による儲けに味を占めたトレーダーや「AI」は "学習効果" から同じ取引を続けてきた。ここからは ”弾切れ” ≓「流動性」枯渇が鍵。永遠に上がり続ける相場などない
*類似例として真っ先に想い出すのは1998年に破綻したLTCM。ウォール街の ”コピーファンド” が尾ひれをつけた「キャリートレード」で「ドル円」は@120円 → 145円へ急騰。あの時も2年近く「円安」が続いたが最後に買ったロシア国債のデフォルトに引っ掛かって崩壊。3日間で▼25円も「円高」に振れた。当時はノーベル経済学賞のショールズ博士の「理論」が「AI」代わりだったが、見逃していた要素が「市場流動性が有限である事」。何だか今の状況と似通っている
「キャリートレード」は儲かっている時はいい:「ドル円」で儲け → その利益でBTC買い → BTCで儲け →「ドル円」買い上乗せ…こういう好循環でウハウハ。だが**壊れる時はあっという間:「ドル円」で損 → "レパトリ" (損失の穴埋め)でBTC売り → BTCで損 →「ドル円」売りで "レパトリ²" …と泥沼化。それも音もなく始まる
**パニックや市場暴落のほとんどがこの "レパトリ" が原因。「バブル」時の日経平均もそうだったが、明確にここが "分岐点" なんてことはない。何年か後に振り返って初めて「バブル」とわかる。数年かけて積み上げた利益が一瞬にして失われるなんて事は良くある話(経験談。苦笑)だから毎日気が抜けない。特に儲かっている時は気が緩みがちなので危ない
かつてのクライシスは「人」の心理にドライブがかかって起きたが、現代の「AI」相場ではどうか。証券業界の都合で ”買いバイアス” が強いHFTを見ると "レパトリ" に対する "防御プログラム" はお座なりの可能性が高い。危機時にはおそらく ”壊れたナビ” ≓ ダンマリを決め込むことになるだろう
こうなると勝負の行方は「AI」に "安全プログラム" が組み込まれているかどうか ≓ きっちり「損切り」ラインを定めて逃げおおせるかどうか。 ”買いバイアス” が強く感情のないマシーンだけにラリーは長期化しがちだが、やられる時はおそらく一瞬だ
金利差、金利差と喧しいマーケットだが「金利高」=「債券安」であって必ずしも「通貨高」に繋がる訳ではない。目の前のドル円金利差5%は確かに魅力的だが、そればかりに囚われていると危うい。例えは違うが「高利回り」に目が眩んで大損した「カボチャの馬車」や「仕組債」も理屈は同じ。「高金利」≓「ハイリスク」は投資の常識である
経済同友会・新浪代表幹事「円安ではなく“超円安”」
「(130円から140円が適正と示したうえで)もっともっと金利を上げるんだというメッセージを早急に出す必要がある」
氏についてはメディアで色々言われているが、 ”金利を上げるんだというメッセージを早急に出す必要” については全く同意。今年の前半まで事ある毎に「金融緩和を粘り強く続ける」と日銀が言い続けてきた事が今の事態を招いている。「インフレ」×「金融緩和」=「通貨安」はマーケットの常識。トルコがそれを証明している
円金利が異常に低いのは事実なので、今後はその「正常化」がマーケットの鍵を握る。今月末に日銀がどのくらいの引締めを行うのかは不明だが、プロセスとして「正常化」が始まるのは間違いない
加えて「インフレ」抑制失敗で「利上げ」し過ぎたFRBも「正常化」=「利下げ」に動き出す。ジワジワと「お金」が減る中 「過剰流動性」が生んだ "怪物" ビットコイン|損切丸 (note.com) と相似性のある「ドル円」を死守したい一団(含.「新NISA」)はどう動くか。ここは慎重な見極めが必要。場合によっては "潔い損切り" が自らの「お金」を守ることになる
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