
2025年も "円安狂騒曲" は続くか? - 異常に「利上げ」を恐れる「日経平均」
年が明けて海外で下げていた先物に沿って下落で始まるかと思われた「日経平均」。ところがオープンと同時に一時4万円台に乗せ、???と思っていたら今度は▼400円以上下落。ヘッジファンドの ”オモチャ” のままだ

「ドル円」との連動プログラムは影を潜めつつあるが、相場全体を見ると日銀による「利上げ」を異常に恐れている節がある。まあ7月+0.25%「利上げ」後にあれだけの「暴落」を見せつけられれば無理も無い。それよりショート(売りポジション)で一攫千金を狙いたいのだろう。筆者の推定では「ゼロ金利解除」のインパクトは大きいが、その後の「利上げ」であれ程の「円キャリートレード」の巻き戻しは ”期待” 出来ず「空振り」に終わる公算が高い。ここは日銀も ”案ずるよりも産むが易し”
JGB(日本国債、Japanese Government Bond)は早速明日(1/7)10年債入札があり、13年ぶりに10年JGBが節目と見られた@1.10%を突破。米国債の長期債売りとも連動して地合が悪い。過剰に「金利」を恐れる株の投資家、トレ-ダーはびびっている。まあ1/24の政策決定会合で+0.25%の「追加利上げ」があるかもしれず無理したくないのだろう





一方「ドル円」に目を向けると、こちらは相変わらずの "円安狂騒曲" 。仮に日銀が「利上げ」に動いてもこれだけゆっくり進むのなら+4%近い「金利差」を得られる「円キャリートレード」は "ドル箱" のまま。 "稼ぎ頭" を捨てるわけにはいかない
だが本当の ”脅威” は何だろう?
「日経平均」にとって真に恐れるべきは「金利」ではなく「円安」。最早「輸出立国」でなくなった日本にとって大事なのは「外需」より「内需」。 ”逆資産効果” で考えれば、1,100兆円もの「預金」の価値が失われる「円安」の方が日本経済にとっては本当の ”脅威” 。▼5~10%程度なら輸出関連企業の業績貢献効果もあろうが、5年で▼40%もの減価は異常。国民の生活苦がクローズアップされるのは当然の帰結だ
では「ドル円」にとって本当の ”脅威” は何か。 さあどうする?「ドル建資産」 - 「金利」が上がれば通貨が買われるとは限らない|損切丸 でも少し解説したが、米国債金利、特に「スティープニング」(長期金利が短期金利を上回る現象)を伴う長期金利の上昇だろう。AIが過去5年ぐらいのデータに基づいて取引すれば「金利差」でトレードする事も想定できるが、金利上昇は国債価格下落による「キャピタルロス」を伴う。一定の限度を超えればFXリスクを負っている投資家の「ドル売り」を誘発する
ではJGBの ”脅威” は何か。これは無秩序な「円」の "バラマキ" 、具体的には財政措置を伴わない消費税減税や「給付金」等になる。財務省や税調が中心になって広げようとしている「財源論」なるレトリック(詭弁)は大嫌いだが、「MMT」信者が信奉する「自国通貨建て国債はいくら発行しても問題ない」はもっとおかしい。それならアルゼンチンはデフォルトしなかったし、ジンバブエで「ハイパーインフレ」など起きなかったはず。まあ政治的 "バラマキ" の為にする理屈。結果今の強烈な「インフレ」が起きている
そして "円安狂騒曲" ≓「円キャリートレード」がこれだけ続くのもマーケットで「円」がジャブジャブに余っているから。ここで無秩序に "バラマキ" を上乗せすれば まだまだ燻る「インフレ」の ”種火” |損切丸 に火をつけるだけ。一時的に数万円「手取り」が増えても「インフレ税」でもっと持って行かれる事になる。「インフレ」×「ポピュリズム」は "最悪の組み合わせ" |損切丸 ここは慎重な対応が必要だ
だが 日本人はもっと「お金」に拘っていい。 ー 「清貧思想」の呪縛からの開放。|損切丸 が持論の筆者は「103万円の壁」の議論が噴出したことをむしろ歓迎している。やっと自分たちが納めている「税金」(含.社会保険料)の使い道について目が覚めた。これも「インフレ」のお陰
ここはイギリスのサッチャー元首相に習って 「大きな政府」と「小さな政府」- どちらの ”ポリシーミックス” を選ぶのか|損切丸 のうち「小さな政府」路線に大転換するしかないと「損切丸」は確信している。負担を「国民」から「国庫」へ移す ↓ ために伴う "痛み" に対する "覚悟" が出来るか。 "円安狂騒曲" はその事を問うている
日本:国債発行残高1,200兆円 vs 預貯金1,000兆円
「大きな政府」≓ 増税+低金利 → 国民負担増大
「小さな政府」≓ 減税+高金利 → 国庫負担増大
アニメや音楽の世界的な「日本ブーム」が示唆するようにこの国のポテンシャルは高い。日本をここまでにしてきたという自負があるのだろうが、「団塊」以上の世代はもうこれ以上過剰な介入は控えるべき。ちょっと「お金」の道筋を変えるだけでこの国は大化けする。「利上げ」は一時的ショックをもたらすかもしれないが「日経平均@5万円」を目指すなら避けて通れない "壁" でもある。+5%も「利上げ」したアメリカの株価があそこまで上がるのだから、日本も+2%程度の「利上げ」でダメになるはずはない