(それでも)まだもの凄い「金融緩和」- やっと日銀が "動いた" 。大事なのは「数値」「データ」
まだまだもの凄い「金融緩和」-まるで昭和の ”牛歩戦術” 的「利上げ」|損切丸 (note.com) の続編
追い詰められてやっと日銀が "動いた" 。「5年超10年以下」の「国債買取」を4,750億円から4,250億円に▼500億円減額。これを受けて5~10年を中心にJGBが売られた(金利は上昇)
たった▼500億円と侮ることなかれ。「量」の側面からは月4回 × ▼500億円=▼2,000億円、年間で▼2.4兆円が "恒久的" に減額になる。これを 続・FXの「需給」ー「円買介入」も「利上げ」「テーパリング」も市場の「円」を吸収する効果は同じ|損切丸 (note.com) でFX市場 → 国内円市場の資金フローで考えると「円買介入」同様▼2.4兆円「お金」を引揚げた事になる
今や「AI」でデータが瞬時に反映され定量的分析が為されるマーケット。こういう "REAL" (実際の動き)はすぐ市場に取り込まれる。結果@156円に迫っていたドル円は@155円70銭台に押し戻された
興味深かったのは「日経平均」。@38,000円スレスレまで下落していたがこの金利上昇 →「円高」反転の流れを受けて一時前日比プラス圏に浮上。「ハンセン(香港)買い日経売り」のような組み合わせ取引の影響もあるが 続・もう「円安」だけで「日経平均」は買えない - 「円安・株安・債券安」の最悪の展開も|損切丸 (note.com) はマーケットのコンセンサス。「円安」≓「通貨危機」的様相を呈してきた。こうなると政府・日銀のファーストプライオリティ(最優先事項)は「円安」阻止ということになる
「5年超10年以下」の「国債買取」▼500億円減額はマーケットに対する "宣戦布告" になり、同様の措置を他の年限「3ー5年」「10ー25年」(月4回)「25年超」(月3回)に加えていけば合計▼7.5兆円の「資金吸収」≓「QT」(量的引締)。JGBもそういう動きを示しており、現状のままでも「下限金額」まで引下げれば▼13.2兆円もの「QT」になる
ただ「量」のアプローチだけだと肝心の金利差を狙った「キャリートレード」にダメージを与えられない。仮にドル円を@130円台まで戻したければ+1.5~2%の「利上げ」は最低限必要
6/13、14の政策決定会合で 先に手を出せ! ー 最後は「科学」と「合理性」|損切丸 (note.com) を示したければ:
これらをどちらか、願わくば両方同時発表してマーケットに "宣戦布告" したい。元はといえば* "牛歩戦術" で1年以上もグズグズ引き延ばした日銀に責任があるわけで、ここまで事態が深刻化した事を重く受け止めるべき。米国債を売ってアメリカに迷惑をかける「円買介入」より余程マシだろう
筆者自身も経験があるが、刻々と変化するマーケットに対し自身を対応させるのは相当な努力が要る。HFT(高頻度取引、株やFXで1秒間に何万回も自動売買するシステム)の話を聞いた時は狐につままれた感じだったが、ついて行けなくなって52歳で舞台を降りた
中央銀行も政治家も、そしメディアも「口先介入」とか要人のコメントがいかに無意味か考え直した方がいい。「AI」が重視するのは "FACT" (事実)だけ。FRBが上手くいっているのは「発言」と「実行」がきちんと繋がっているから。そうすればプログラムにデータを反映できる
こういうデータにもならない発言は今のマーケットには通用しない。いくら記事にしても肝心の "ヒット率" (苦笑)が上がらない事はその内メディアも気付くだろう。皆が知りたいのは "FACT"
30年近くマーケットで取引する中で最も大事だったのは、決して裏切らない「数値」「データ」。そういう "裏付け" のない記事や発言がいかに頼りないか。「損切丸」でもその方針は貫いている
大事なのはこういう「数値」。取引を執行するのが「人」ではなく「AI」だから「覆面介入」による "心理戦" も以前ほど効果がない。「JGBの暴落」ばかり心配するのも時代遅れで瞬時に定量分析を行う「AI」なら妥当な金利水準を示すはず。60~80代の政策担当者には厳しいが、トレーダーも金融当局も「AIスピード時代」に適応していく必要があろう