危機感の欠如 ー 「今のままでいい」≓「衰退」
今年還暦を迎えた「損切丸」がまず思ったこと。あれだけ強いストレスに20年以上晒されてきたのだから ”長生き” は無理。せいぜい80歳
これを現在の日本に照らし合わせてみよう。投票権者数( ↑ 標題グラフ参照)で見ると60代以上は40%程で実は20~50代が頑張れば選挙で勝てる。ところが実際の投票者数で見ると筆者も含めた ”死にゆく世代” が45%まで上がってくる。これが2016年のデータだから2024年はもっと比率が上がっているはず。その結果生まれる政策は:
あと20年そこそこで人生が終わる ”死にゆく世代” は何かを変えようなどと思わない。だから「現状維持」が至上命題となり現政権が続いている。娘がいる筆者も含め子供の未来を心配する人もいるが、それ以外の大勢は自分の死んだ後の事などあまり考えない
だから「円安」になろうが「インフレ」になろうが知ったことではない。「自分がお墓に入るまで無事なら今のままでいい」が基本。政権のトップを60~80代が占めているのだから、どう言い繕おうがこれが "本音"
実際日銀総裁も70歳だし、もともとなり手がいなくて引き受けたポスト。1期5年以上努めるつもりもなかろう。上手くいけば横綱審議委員にもなれるし(苦笑)、少なくともどこかの大学教授かシンクタンクに再就職できる。だから平気で「国債買取減額」を1ヶ月先延ばししたりする。これでは日々身を削って勝負しているトレーダーに舐められて当然。気が付けばドル円はもう@158円手前
この傾向は3~5年で「転勤」する官僚も一緒。「減点主義」の霞ヶ関ではとにかく在任中に ”間違い” を起こさない事が一番。こうやって ”爆弾風船” は次から次へ担当者に引き継がれ見る見る大きくなっていく
こういう危機感の欠如が「失われた30年」に繋がった
ただ「変化」もある
膨大な「貯金」がある間は「現状維持」でも良かったが、さすがにこれだけ「円安」「インフレ」が続くと取り崩しが急速に進む。核家族化が進んで ”死にゆく世代” の面倒を見るはずの子供達も親元を離れ、かつ重い税・社会保険料負担で経済的に立ち行かなくなってきた。これでは「自分がお墓に入るまで無事」は成り立たない
財政赤字を含めた将来の負担は「五公五民」どころか「六公四民」との見方もあり日本もお尻に火がつきつつある。いや、もう煙が上がっていると捉えて良い状態だ。「円安」はその事を示唆している
そう言う視点でJGBの「イールドカーブ」を見てみると面白い
5年超の長期金利は「マイナス金利」導入前の水準を既に超えている
「金利上昇」の3要素としては:
欧米主要国のほとんどが長期金利が短期金利を下回る「逆イールド」なのに対し、日本は異常と思える程「順イールド」が "立っている"
ヨーロッパの長期金利は盟主国・ドイツとの金利差で計られるが、その主因は②信用リスクと③「お金」不足。純粋に①インフレ率を計るならBunds(ドイツ国債)と比較すれば良い
潜在成長率(自然物価上昇率)をアメリカが+3%、欧州が+2%、日本が+1%とすると「インフレ調整後」の「実質金利」は:
まだまだ日本の「低金利」が際立つがこれは「利上げ」が遅れているから。30年JGBを見ると「実質」@1.14%でドイツ@0.57%を上回っている。主要国の中でこれだけ「イールドカーブ」が "立っている" のは日本だけで将来的に③「お金」が足りなくなる事を示唆している。当然②デフォルトリスクも高まる訳で「円安」とも符合する
だが悲しいかな、今の日本を牛耳っている ”死にゆく世代” は ”30年後” なんて考えていない(筆者だって20年。苦笑)。だが一方で 「シルバーデモクラシー」に "静かな反乱" 。 ー 「お金」の ”脱・日本” 。|損切丸 (note.com) も始まっており「新NISA」や「オルカン」はそのキッカケに過ぎない。端的にいえば「もう面倒見切れない」という事だろう
ようやく「政権交代」の流れが出てきたのはこの国が切羽詰まってきた証拠。ここまで来ないと目が覚めないのか…。止まらない「円安」を見ながら毎日ヤキモキする「損切丸」だが我慢強いにも程がある
ドル円が@160円とか@170円とか "悲鳴" が上がらないと動かないのかもしれないが、反面この国は "逆境" には強い。 「円安」が「円高」を呼ぶ ー 「キャリートレード」だって本当は怖い|損切丸 (note.com) どんな「政策変更」も「相場」も間に合わないものなどない。まずは「変化」に向けて出来るだけ早く一歩踏み出す事だろう
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