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政治の季節 ー 対「円安」政策の行方
【速報】岸田総理が総裁選不出馬を正式表明
正直ちょっと驚いた。広島出身ということもあり記念式典を終えてケジメをつけたかったのだろうか。とにかくこれでマーケットもザワザワし始めた
焦点は後任候補だが、石破氏、茂木幹事長、小泉氏、高市氏等々名前が挙がってきている。ポイントは「XXノミクス」との距離、即ち対「円安」政策の行方だ。直感的に言えば "近い人" は候補になりそうもない。それだけ日本国民の「円安苦」は深刻と言うこと
ドル円の反応を見ると「円高」方向に振れており、最近の日銀の「利上げ」を "催促" した現幹事長辺りを想定しているように見える
一方日経平均のファーストリアクションは分かり易く、財務省寄りの「増税路線」が緩和する期待から一旦上げたが、その後は「円高」に連れて徐々に値を崩した。まだ「円キャリートレード」暴落の影に脅えているのだろう
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ただ、JGB(日本国債)は冷静なのか不感症なのか、ほとんどアクションを起こしていない。やはり「日本金融村」の内部で確実な情報が出回るまで動かないのだろう。そして突然動き始める。この辺りはいつものことだが「村」意識が相当強い
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イギリスと一緒で「選挙」が絡む相場は日本も滅茶苦茶になることが多い。島国故の類似点なのだろうか、いずれにしろ「日本金融村」同様、何かが確定的になるまで慎重を期した方がいい。決めつけで突っ走ると ”天国と地獄” を言ったり来たりになる懸念がある
"政治の季節" と言えばアメリカ大統領選も最終盤に差し掛かった。 ”暗殺未遂事件” で「ほぼトラ」かと思いきや、絶妙のタイミングで現大統領が候補から降りて形勢は逆転。何だか今回の首相の退任とパターンが似通う
ここまでくれば誰が次期大統領になろうとFRBも余程の事がない限り9月「利下げ」路線は変えないだろう。むしろ今日(8/14)のCPIで+2%台の数字が出ればアメリカは一気に「利下げ」相場に突入。ドル円等FXはその事を念頭に置いている可能性が高い
JGBと違い、米国債はその点を前向きに織込んで来ている。ターミナルレートが@3.25~3.50%に達すれば待ちに待った「順イールド」になる
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米国債の「順イールド」化はマーケットのあらゆる所に影響を及ぼす。収益的に追い風になるのは米銀勢で、これで無理にリスクを追わなくて良くなる。「円キャリートレード」に過剰に傾斜していたヘッジファンド(HF)も「金利差」の収益源を米国債の「イールドカーブ」から得られるようになれば、こちらも無理しなくなる。つまり「円売り」は和らぐ
とはいえ、そこに到達するまでの過程でFXと株価は右往左往する事になろう。 もう「円安」だけで「日経平均」は買えない - 「円安」を止める "鍵" |損切丸 (note.com) 以上、「円高」にも過剰に反応すべきではないが、「円キャリートレード」 "パラノイア" (被害妄想)に取り憑かれた市場参加者は「円高」≓「日経平均安」に傾き易い。当然これを利用しようとするHFもあり、こちらも「適正値」について冷静な判断が必要になるだろう
同様のことは日銀「利上げ」にも言える訳で、こちらも過剰に反応すべきでは無い。政策決定会合での意見も出ていたが、「名目金利」だけで見ると見誤る。例えばCPIが▼1%の時の「ゼロ金利」は「実質+1%」だが、CPI+2.8%の@0.25%は「実質▼2.55%」。つまり今の方が断然「金融緩和」されており、だから「円安」が進む。「利上げ」ばかり騒ぐのは科学的で無い
”一寸先は闇”
よく「政治」に関してはそう言われるが、特に「政治」の影響を受けやすい日銀、ひいてはドル円や日経平均は注意が必要だ。筆者も ”選挙相場” にはあまりいい思い出が無い(苦笑)。FRBの独立性が保たれているアメリカでさえあの御仁が「金融政策には口を出す」と堂々と宣言しており、「ほぼトラ」の場合、米国債、それに引きずられる米国株、FXも相当な覚悟が必要になる。出来れば4年前のあの相場はもう勘弁願いたいが…
だからどうしても 悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 (note.com) が消えない。 "火事場泥棒" には稼ぎ時かもしれないが 「本物の危機」の時、金利は上昇する。|損切丸 (note.com) 鍵はやはり「金利」。この場合、サインとなるのは「名目金利」の水準ではなく「イールドカーブ」の形状。特に米国債の長期金利が短期金利を+200BP以上上回れば「危機」的な状況が訪れる懸念が増す。金利市場の ”2大巨頭” JGBと米国債が命運を握るだろう