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「お金持ち」にはわからない -「収入」があると「お金」を使ってしまう "魔力"
「手取りが増えてしまう」
「税は理屈の世界」
「なくなって構わない税収など存在しない」
「そもそもこの国は大幅な赤字財政」(財務官僚)
これらは最近「103万円の壁」問題が噴出してから政府・与党から一種の "自己弁護" として出てきた言葉。本人達は「正論」を語っているつもりのようだがネットを中心とした世論の袋叩きにあっている。なぜか?
これらは全て「お金持ち」の「理屈」だからだ
月に100万、200万も貰っている人には年収300~500万円で切り盛りしている家計のことは実感できない。筆者も現役の頃なら同じ感覚だったかもしれないが、とにかく「お金」には "魔力" がある
年収500万円から社会保険料を年間▼100万円も取られたら家計は厳しい。その他にも「消費税」に「ガソリン税」、「エネルギー賦課金」の名の下の原発事故費用負担、不動産を買えば「不動産取得税」、相続すれば「相続税」。この国は「税金」でがんじがらめ。実質「6公4民」といっていい
社会保険料も1ヶ月分の月給で済む「お金持ち」には大して負担感はない。 ”嫌ならお金持ちになればいいのに” が彼らの本心だろうが、世の中そんなにたくさん「お金持ち」は生まれない。特にこの数年は健康保険料を中心とした社会保険料の天引きが急激に増えており「インフレ」が追い打ち。みんな我慢の限界に達している
この苦しさは「お金持ち」にはわからない
筆者も8年前に早期退職した時に「預金残高」の減るスピードが余りに速くて驚いた。「収入」があると「お金」を使ってしまう "魔力" 。これを減らすには努力が要る。その事を退職した友人には逐次アドバイスしてきた
これはそのまま現在の国家財政にも当てはまる。一度 "無駄使い" を覚えてしまった人はなかなかやめられない。*企業や一般家計なら「支出」が「収入」を上回れば①「支出」を減らすか②「借金」するしかない。だが「国」には「徴税権」と「通貨発行権」という "麻薬" がある
*仮に財務が苦しくなった会社が社員に「給与カット」を強要したらどうなるか。▼10%ぐらいまでなら我慢するかもしれないが、それが▼50%、▼60%となれば辞めてしまうだろう。だが1,000万円単位で役員給与を貰っている社長や専務・常務にはその事がわからない。今この国はそういう状態
敢えて反論するが「お金」は「理屈」なんかではなく「生き死に」の世界。強力な「徴税権」があるから "社員" の「お金」は自分のものと勘違いしているようだが、みんな生活がかかっている。だからあれだけの反感を買う。このままだと若くて優秀な "社員" から辞めていく=国外に出て行くことになる。それを告げているのが「円安」である
未だに政治を仕切っている「団塊の世代」は「お金」使いが荒い。これは筆者の母を見ていてもそうだが「高度成長期」で家もモノもガンガン買ってきたから「節約」が苦手。(準公務員だったのでかなり多い)「年金」だけでは足りず虎の子の「預金」を取り崩しても「消費」が止まらない。だからやれ給湯器が壊れたとかガスヒーターが必要だとかまとまった「お金」が必要になると息子に "普請" してくる。さすがに今こちらの家計がどれだけ社会保険料等の負担をしているのか等々 "説教" してしまった
これ、なんだかこの国全体の状況と同じじゃ無いのか?
”80歳から入れる死亡保険!”
最近よく見かけるテレビCMだが、これも「老人天国」日本を象徴している。 ”保険大好き昭和世代” を狙い撃ちしたとも言えるが、そもそも「保険」をかけるような余裕が現役世代にはなくなっている。だから保険会社も「老人」をターゲットにせざるを得ない。だが本来「保険」は子育て等「お金」がかかる現役世代が "万が一" に備えるために必要で「年金」「国民皆保険」でがっちり守られた「老人」には必要ない。これでは "アベコベ"
もっとも ”60歳以下はハナ垂れ小僧” の政治家もほとんどが「老人天国」の受益者。自分たちも ”老人を敬ってきた” のだから現役世代もそれが当たり前と思っている節がある。今も人口が増え続けていれば可能だったかもしれないが、これだけ「人口動態」が急変すれば「現状維持」は不可能
何だか説教じみてきたが(苦笑)、退職後** ”預金目減りショック” で「支出」を大幅に減らしてきた「損切丸」でも出来たのだから「国」にだって出来る。「103万円の壁」は単純な「減税」の話では無く、もっと「お金の使い方」全体に絡む問題。金使いの荒い「団塊の世代」を止める必要がある。「使う」のは十分貯まってからだ
**それまで買っていたアイスコーヒーを自前で作るよう奥さんに促されたが、やってみると安い上に旨い。「コロナ危機」後は外食を控えて自炊に切り替えたら「預金」が減らなくなった。外出してどれだけ ”無駄使い” していたことか…。「支出」を削っても十分幸せにやっていけるのである
いわゆる "正常化" のサインとして筆者はJGB(日本国債)を見つめている。「団塊」植田総裁も色々しがらみがあろうがここが正念場。このまま優秀な "社員" から辞めていく現状を放置すれば「円安」は止まるまい。「利上げ」が不可避なら遅いより早い方がいい。既に大分遅れている
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